仮面ライダーBLACK RX×魔法少女まどか☆マギカ~闇を祓う光の王子~   作:タクアン(沢庵)

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仮面ライダー 世界に駆ける

「創世王だと!?」

 

 創世王。それは光太郎の世界において、宇宙を創造したとされる存在。暗黒結社ゴルゴムの創設者でもあり、光太郎と信彦を世紀王へと改造した忌まわしき人物。

 だがその野望は光太郎が阻止したはずだった。自らの孤独と引き換えに……。

 しかし現に、ゴルゴム創世王は血の緋をまとったシャドームーンとしてここにいる。

 

「フハハハハハ……冥土の土産に教えてやろう、インキュベーターとやらの計画を乗っ取ったのは私だ。恐れ多くも貴様は、世紀王の分際で私を滅ぼしおった。だが今回ばかりは感謝するぞ! そのお陰で、新世界を我が手中に納められるのだからな!!」

「まさか……ここまで来て、ゴルゴムの仕業だったとは!」

 

 光太郎は悔しさを滲ませた声で叫んだ。かつて創世王が今わの際でで遺した言葉が、彼の頭をよぎる。

 

 ――私は必ず甦る! 人間の心に悪がある限り、必ず甦る! 忘れるな!!

 

「思い出したようだな……では、死ね!」

「何っ!?」

 

 緋のシャドームーン……仮に、アナザーシャドームーンと呼ぶことにしよう。アナザーシャドームーンが放った禍々しい紫炎が、RXの強化リプラスフォームを焼いていく。

 

「うがっ!!」

「一思いには殺さん。それに、まだ死なれては困るのでな……その賢者の石は我がものとなる!」

「な……何を言って……!?」

「太陽と月……二つの力が一つになる時、私は(うつつ)に復活する。いただくぞ!」

「がぁぁ……ッ、か、身体が……!」

 

 サンライザーの内部から賢者の石が引きずり出されていく。抵抗すらままならない光太郎は、なす術なく賢者の石を奪われ、かつての仮面ライダーBLACKへと戻されてしまった。

 

「フハハハ……さて、これで貴様に用はなくなった。無論、この下等生物にもだ……!」

 

 アナザーシャドームーンは、電脳世界を破壊すると、地球までテレポートする。

 

「待て、創世王……! だ、ダメだ……今の俺では、創世王の野望を止められない……!」

 

 左手首のリストビットがなければ、ライドロンの召還すら不可能。しかし運命は彼を見捨ててはいなかった。

 突如、別次元の壁を押し開けライドロンが降臨する。

 

「乗れ、BLACK!」

「お前は……RX!?」

「いつかと同じで、お前が死ねば俺達が消えてしまう! 行くぞ!」

 

 助手席にBLACKを乗せたRXは、こちらも地球へとテレポートするのであった。

 

 

「な、何よ……あいつは……!?」

 

 休息していた魔法少女達。だが、急に空が真っ赤になっかと思った次の瞬間、悪鬼のような創世王がいた。

 

「何てこと……もう、私達に余力はないのよ!?」

「チックショ、誰だよあいつは!」

「さやかちゃん、ダメ! 今はダメだよ……!!」

「でも! あたしは、正義の味方で……痛っ……」

 

 さやかですら回復が遅れるほどの怪我だ、彼女達は実質動けないも同然。

 

(それでも、私は……!)

 

 ――仮面ライダーは光だ。

 

(私は、信じる!)

「……仮面ライダァァァァーッ!!」

「やれやれ……君達かい? 士が世話になったのは」

 

 優男風の青年が、どこからともなく現れる。

 

「誰!?」

「僕かい? 僕は……通りすがりの仮面ライダーさ。覚えておきたまえ。変身!」

『KAMEN RIDE Diend!』

 

 青年は機械の銃にカードを装填すると、シアンの仮面ライダーへと変身した。

 

「あなたも仮面ライダーなの!?」

「そうとも。僕はね、この世界の『お宝』をいただきに参上したのさ」

「お宝?」

「そう! 今回のお宝は……」

 

 仮面ライダーは創世王を指差し、魔法少女を見てから言った。

 

「『希望をもたらした戦士』。それが今回のお宝さ。僕らしくもないが、たまにはこういうのもいい。と、いう訳で……その手伝いをすることにしよう」

 

 まずは一枚のカードを取り出し、マシンでスキャンする。

 

『KAMEN RIDE Robo Rider!』

「俺は悲しみの王子! RX! ロボライダー!!」

「お次はこちらだ!」

『KAMEN RIDE Bio Rider!』

「俺は怒りの王子! RX! バイオッ! ライダァッ!!」

「彼が二人!?」

 

 驚愕するほむらだったが、シアンのライダーは空を仰いで呟いた。

 

「なるほど。仮面ライダー世界に駆ける、か……」

「あれは!」

 

 風を切り裂くマシンはいつでも、終わらない闇の中を進んでいく。戦うために。

 

「では、僕は見物するとしよう。希望をもたらす戦士の戦いをね」

 

 ライダーは高らかに宣言すると、変身を解いて近くの瓦礫に座った。

 

「あなたは戦わないの?」

「僕はあくまで傍観者だよ。それに、余計な干渉をして『世界の破壊者』なんて呼ばれたくないのさ。理解してくれたまえ」

 

 キザな仕草でキザなセリフを放ちつつ、青年はライドロンを降車した二人のライダーを見つめる。

 

「仮面ライダー! BLACKッ!!」

「俺は太陽の子! 仮面ライダーBLACK! R……Xッ!!」

 

 四人の光太郎が並び立つその光景は、まさに理不尽の具現だ。

 

『ブラックサンが四人だと!? ふざけるな、ブラックサンが太陽の力でパワーアップしたのがRXではないのか!?』

「そうだ。だが、悪が栄える時! 俺はそんなものを打ち破る! 例えライダーが死に絶え、記憶から消され、争い合ったとしても、最後に必ず正義をもたらす。それが俺の……いや、仮面ライダーの役目だ!」

 

 RXの力強い鼓舞に答えるように、ロボライダーとバイオライダーが各々の獲物を構える。RXもリボルケインを引き抜いたが、生成元はサンライザーの右側のキングストーンからである。

 

「俺はBLACKが進化したRXではない。『RXの世界』のRX……言うなれば、リ・イマジネーション(再構成)された存在。だが、お前が消えれば俺の歴史もなくなるのは本当だ。だから助けに来た!」

「正義を愛し、人を愛する心は同じ! やるぞ、皆!」

『おう!』

 

 BLACKの発破に三人のRXが同時に応え、創世王と相対した。

 

「バイタルチャージ!!」

「リボルケイン!!」

「ボルティックシューター!!」

「バイオブレード!!」

 

 最初に飛び出したのはバイオライダー。俊敏な機動で創世王に肉薄すると、必殺のスパークカッターでアナザーシャドームーンの装甲を斬り裂く。

 

『ぐおぉっ!?』

「逃さん!!」

 

 続いてロボライダーが、百発百中のハードショットで装甲に空いた穴をピンポイントで狙撃する。

 

『お、おのれ! サタンサーベ……』

「させんぞ!」

 

 さらにはRXが、非発光のリボルケインでサタンサーベルごとアナザーシャドームーンの腕を切り落とした。

 

『バカな……! 何故、全知全能の私が、たかだか世紀王如きに勝てぬ!?』

「それは、お前が悪だからだ! これで因縁を終わらせてやるぞ! ライダァァァァッパァンチ!!」

『ぬおぉぉぉっ!!』

 

 キングストーンの力を込めたライダーパンチは、あらゆるものを粉砕するパワーを持つ。そしてこの技から派生する技こそ、仮面ライダーの代名詞的な必殺技。

 

「ライダァァァァーキィィ―――――ック!!」

『ぐあぁぁぁぁぁぁぁっ!! バカな……この私が、この私がぁぁぁっ!! 完全なる『死』を迎えるなど……認めぬ! 認めぬぞぉぉぉ……っ!!』

『……終わりだ。あんたの魂は、俺と一緒に地獄に堕ちてもらうぜ』

「! 信彦……?」

 

 最期まで生に執着した創世王は、遂に倒れた。その刹那に、光太郎は信彦を幻視した。

 

「……幻、か」

「BLACK。いや、オリジナルの南光太郎。俺はお前のことを忘れない。これを使ってくれ」

「リボルケイン……?」

 

 RXから手渡されたのは、リボルケイン。

 

「太陽に掲げるんだ。そうすれば、元に戻るはずだ」

「こう、か? ……力が戻っていく!」

 

 リボルケインを介して伝わる太陽の生命エネルギーが、BLACKの身体をRXへと進化させていく。そして進化が終わると、オリジナルのRXはリ・イマジのRXにリボルケインを返した。

 

「ありがとう、RX。お前と戦えたこと、誇りに思うよ」

「それは俺も同じだ。オリジナルのお前に会えたことを光栄に思う。では、さらばだ。……ライドロォーン!!」

 

 ライドロンで帰還していくリ・イマジのRX。ふと横を見ると、謎のライダーが呼び出したバイオライダーとロボライダーも消えようとしていた。けれど変身を解除した光太郎の目には、二人が笑っているように見えた。

 

「……ああ、ありがとう」

「終わったかい、南光太郎?」

「君は?」

「海東大樹。ありとあらゆる世界のお宝を求める、いわば泥棒さ」

「そうなのか? 俺にはそうは見えんな。むしろ、君は……」

 

 海東と名乗った青年の言葉が、光太郎には少し違って聞こえた。しかし海東は、光太郎の推測を遮った。

 

「お喋りは結構。君の憶測を聞く気はないよ。僕は務めを……いや、欲しいお宝はいただいた。それでいいのさ、僕は。それじゃあね、皆によろしく伝えておいてくれたまえ」

「待ってくれ! 君のお宝、それだけは教えてくれ」

「……彼女達に会えば、おのずと解るんじゃないかな?」

 

 そう言い残し、海東は灰色のオーロラを通って消えていった。

 

 

 海東の指示に従って魔法少女とまどか達のところへ行くと、全員が晴れやかな笑顔で笑っていた。少し困惑する光太郎に、ほむらが説明した。

 

「皆、あなたの勝利が嬉しくて笑っているのよ。もちろん私もね。あなたは、英雄……仮面ライダーよ」

「光太郎さん、四人に増えたんだからね。びっくりしちゃった!」

「まさか、分身までできるなんてねぇ……あの時アタシが敵わないわけだ」

「南さん、ありがとうございます。あなたのお陰で、私は絶望に負けなかった……」

「光太郎さん、わたしもいつか光太郎さんみたいな光になってみせます!」

 

 五人は、どうやら希望を掴めたらしい。

 

「うぅ……全く、酷い目に会ったよ……」

「お前は……インキュベーター!」

 

 そして、最後に現れたのはインキュベーター。果たしてインキュベーターは、何のために来たのだろうか?




永き因縁を終わらせた光太郎とほむら。
そこに現れたインキュベーターの目的とは?
そして訪れる、別れの時……。
最後に光太郎は、何を語るのだろうか?
変身、仮面ライダーBLACK RX!
『輝ける明日!』!
最後までぶっちぎるぜ!
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