仮面ライダーBLACK RX×魔法少女まどか☆マギカ~闇を祓う光の王子~   作:タクアン(沢庵)

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影の王子の真意!

「お前は……シャドームーン!」

 

 恭介を守ったのはなんとシャドームーン。RXですら驚く状況で、シャドームーンはさやかの魔女に果敢に立ち向かう。

 

「戦え! この娘の命が惜しいのならばな!」

「言われなくても解っている!」

 

 見事な発破をかけたシャドームーンに応えるべく、RXはリボルケインを引き抜いて応戦する。次から次に降り注ぐ車輪を捌きながら、RXはシャドームーンに訊いた。

 

「お前が何故、恭介を庇った!?」

「答えるとでも思っているのか? ハァッ!」

 

 シャドーセイバーを巧みに操り、あらゆる攻撃を受け流す。そのまま攻勢に転じると、一気に魔女に肉薄。

 

「受けろ! シャドーフラッシュ!」

『――ッ!?』

「止せぇ!」

 

 シャドーフラッシュとは、シャドームーン版キングストーンフラッシュである。純粋な破壊光線としても、RXのような用法でも使用できる万能の技なのだ。

 

「……これで!」

(シャドームーン……何を考えている?)

 

 理解不能な行動を続けるシャドームーンだったが、一応は味方にカウントしてもいいようだ。その証拠に、シャドーフラッシュを受けたさやかにダメージはない。その代わり、何かに苦しんでいるようだった。

 

「あの魔女の精神は、あのインキュベーターに操られている。そのカテナから解き放たん限り、あれを人に戻すことは不可能だ」

「……キングストーンフラッシュは効かない。だが、お前のシャドーフラッシュの力なら!」

「違うな、『光太郎』。俺とお前の力、だ!」

「!! 今、俺の名前を……」

「フ……」

 

 一瞬だけ微笑んだ――ように見えた――シャドームーンは、短刃のシャドーセイバーを投擲して魔女の顔を斬る。そこには――。

 

「さやか!?」

 

 目が溶け落ち、身体もボロボロのさやかがいた。

 

「あれがあの娘の心だ。見ろ、あそこにフィールドが張ってあるだろう?」

「確かに、そうね。あのフィールド……何?」

「あのフィールドが、インキュベーター共のための制御装置。あれさえ破壊してしまえば、助けられるはずだ!」

「そうと決まれば話は早ェ! とっととぶっ壊して、さやかにお説教だ! テレーン、ってな!」

「でも、どうやって破壊すればいいんですか?」

 

 マミの質問に、シャドームーンは重々しく答えた。

 

「……キングストーンだ。キングストーンの力を全て解放することで、あのフィールドは破れる!」

「待て! つまり、さやかを助けるためには俺かお前のどちらかが犠牲にならなくちゃいけない!」

 

 RXとシャドームーンにとって、キングストーンは命そのもの。そのパワーを全解放するということは、命を使いきることを意味する。

 

「ならば、俺が行く。俺の命でさやかを救う!」

「……その必要はないぜ、光太郎。死ぬのは俺だ。どうせ二回死んだ身だ、三回死んだって大して変わらない」

 

 光太郎は確信した。ここにいるのはゴルゴムの世紀王でも、記憶を失った戦士でもないと。今、この場にいるのは。光太郎の親友、秋月信彦であると。

 

「ダメだ信彦! その命を捨てるな! 生きろ、信彦!!」

「……光太郎。俺はあるところで、こんな言葉を貰った。『人は皆、生きて死んでいく。その想いは生きていようが死んでいようが関係ない』。安心しろ、光太郎。俺は……お前の親友だからな。じゃあな」

「行くな信彦、逝くな! 止めろ……信彦ぉぉぉぉぉ!!」

 

 信彦の腰のキングストーンが、虹色に光る。その光はさやかの心の壁を壊した。そして信彦は……地に倒れ伏した。

 

「……上条恭介、だったよな……。助けてやれ……親友と別れるのは、辛いから、よ……」

「……はい。僕は弾きます。このバイオリンを」

「へへっ、悪いな光太郎。ああ言っときながら、お前に先立つ、俺を、許せ……」

「……ダメだ……許さん。俺はお前を、絶対に許さん……! こんなのを、許せるか……!」

「……後は任せたぜ、この世界を頼んだ……。ああ……そうだ、サタンサーベルを渡さないとな……」

「何!?」

 

 最期の大仕事とばかりに、信彦は異空間から金の柄に紅い刃の魔剣・サタンサーベルを召還する。

 

「これで、お前は戻れる……終わらせてから、戻れ……。ありがとう、光太……郎……」

「信彦……? おい、しっかりしろぉ! 信彦! 信彦っ!! うわぁぁぁぁ―――――ッ!!」

 

 涙を流し、信彦の亡骸を抱える。彼の中に、今まででも最大の怒りが燃え上がった。

 

「……俺は。俺は、必ずインキュベーターを全滅させる! だがその前に、さやかを解き放ってやる!! ハァァァ……リボルケインッ!!」

「なっ、おい! さやかが死んじまうぞ!?」

 

 いつもよりも強く輝くリボルケインに、魔法少女は戦慄する。

 

「ま、待ちなさい! 南光太郎!」

「止めて、美樹さんが死んでしまう!」

「はぁぁぁっ!!」

 

 青白い刀身は、確かに貫いてみせた……さやかの裏にいた、白い悪魔を。

 

「インキュベーター!?」

「制御装置はフィールドだが、それをさらに制御していたのは本体であるこいつだ。これで、真に心残りはなくなったぞ! 心のままに弦を震わせるんだ、恭介!!」

「……さやか。君との思い出は、数えるほどしかないけど……君を思い出させるものは、数えきれないくらいある。このバイオリンだってそうさ。それに、何より僕は、まだ君にお礼も言えてないんだ。もう、遅いかもしれないけど……僕は、僕は……僕は君が好きだった! 君を大切に思っていた! だから今度は、僕が君を助ける! 君に、届け……!! さやかァァァァァーッ!!」

 

 恭介の弓を持つ手に、緑の光が宿った。

 ――光太郎がそう思った瞬間、魔女の身体が崩壊する。しかし、普通の魔女の散り際とは少し違った。まるで光に包まれたかのように粒子が煌めいてから、さやかの肉体に再構成されたのである。つまり……さやかは、戻ってきたのだ。ふわりと落ちる身体を、恭介が受け止めた。

 

「さやかっ!! 大丈夫かい、さや……か? ね、寝てる……」

「すぅ……すぅ……」

「はっはは……コンニャロ……人様に散々っぱら迷惑かけといて、おねんねかい? 調子狂うよな、ったく……」

 

 さやかは無事だった。寝顔は安らかで、まるで呪いから解放されたようだ。さらにグリーフシードまで持っており、至れり尽くせり。

 

(……さやか。今度は、友達を泣かせるなよ)

 

 

 

「皆、ごめんなさい!!」

 

 まどかと仁美も呼び、さやかの反省会が開かれた。目を覚ましたさやかは、魔女になる直前までの記憶を(幸か不幸か)しっかりと保っており、仲間達の姿を見て一気に罪悪感に駆られていた。

 

「あたし……あたし! 魔法少女が怖くて! 逃げたくて……だから、キュゥべえの思惑に乗せられて……。あたしって、ほんとバカ……」

「……美樹さやか。確かにあなたはバカだったかもしれないわ。でもね、私は……嬉しかった。あなたが戻ってきてくれて、嬉しい」

 

 頬を朱にして、ほむらは小さく言った。その衝撃がいかほどであったか……。

 

「……ぷ」

「な、何かしら?」

「あーっはっはっはっは!! ほむら、そんなこっ恥ずかしいこと言えたんだねぇ……」

「な! バカにしてるの!?」

「違うよ、ほむら。あたしもね、あんたとこうやって笑い合えるのが嬉しい」

 

 直球なさやかの言葉に、ほむらは参ってしまったようだ。よろよろと後ろに下がると、「後は任せた」と言わんばかりにどこかへ去ってしまった。

 

 

 さやかの無事を皆が祝う中、ほむらは鉄骨の最上階で月を見ていた。そこに光太郎が声をかける。

 

「ほむら。下に戻らないのか?」

「ええ。ちょっと、考えごとをしたいから。……多分、あなたにも関わってくることよ」

「……聞かせてくれ」

 

 逡巡してから、ほむらは口を開いた。

 

「南光太郎。私達は、あなたに頼らずにワルプルギスの夜を倒すわ。それに、シャドームーンがあなたに託した剣……あれがあれば、あなたは戻れるのだから。これ以上、あなたに心配をかけさせたくないもの」

「待ってくれほむら、俺は」

「いいの。インキュベーターは許せないけど、ワルプルギスの夜を倒せば手出しはしないはず。あなたにとっては心残りかもしれないけれど……」

「……信じて、いいんだな?」

 

 光太郎はあえて、躊躇を捨てて問う。ほむらの答えは決まっていた。

 

「ええ。当たり前よ」

「そう、か……。解った、ほむら。後は任せたぜ、君のステージだ」

 

 果たして、この世界での彼の役割はこれで終わりなのか?




サタンサーベルの力が、次元の壁を破りライドロンを呼び寄せた!
インキュベーターはこの期を逃さんとばかりに、ワルプルギスの夜の侵攻を前倒しする。
光太郎は、本当に帰ってしまうのか!?
変身、仮面ライダーBLACK RX!
『決戦!! ワルプルギスの夜』!
ぶっちぎるぜ!
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