ダンジョンに駆逐艦を求めるのは間違っているだろうか 作:もんもんぐたーど
ダンジョンに駆逐艦を求めるのはまちがっているのだろうか17
まあ、ぱっと見だけでもふつうの冒険者として整ってるのは少し気が楽やわ。ただ、どこから来たかはわからんし、正直聞く気もない。予感みたいなもんやけど聞かんといた方が良さそうやし、聞いても説明できるかどうか……。
下手なこと言って二つ名に変なの付けられても敵わんしなぁ。
「はあ……どないしょーか。」
うーん、このまま悩んでても思いつかない気がするし、気分転換にいなづまの部屋に行くのもええな。うちの部屋から幹部であるアイズと一緒に暮らすその部屋までの距離は近いのであっという間や。
「いなづまー、はいるで-。」
返事はない。でも入る。
部屋は二人で暮らすのに困らないほどに広く、キッチン、リビングダイニング、トイレ、奥にはベッドルーム、クローゼット等々充実している。そんな部屋のリビングに所狭しと置かれた道具はどこかで見たことがあるような……あぁ、思い出したで。ミアハの所のあれ、調薬の道具に似てるやん。
その道具類の近くのテーブルの上には一冊のノートと紙の束が置かれていた。
"低濃度・高濃度回復薬液 分析ノート"
表紙も日焼けしてそれなりにボロボロになっているそのノートを丁寧に取り上げページをめくる。
天然の回復薬……?なんやそれ……。妖精?艤装の自己修繕?標準的あるいは例外的な魔法による治療?
どんどん増える見たことのない言葉に理解が追いつかなかった。
"高濃度で適切な■■■■処理を行った回復薬は瞬時に傷をふさぎ強力な回復を促す。■■■■■でちゃんと治したいときは適宜必要な回復魔法と医学的治療を併用すること。でないと死ぬ。(未検証)"
"■■■■■原液は過回復による寿命減少が疑われているので要検証"
"■■■■■■■された低濃度回復薬は■■■■に働きかけるので殲滅攻撃以外では……とにかく身体だけでも生きたい時用"
"81-(11+5*12)=10年以内に死亡の可能性大"
いくつもの単語が鉛筆で黒く塗りつぶされ、隙間を縫うように不穏な文字列が並ぶ。急かされるようにページをめくっていくと一番最後のページから数ページに"正"がびっしりと書き連ねてある事に気付いた。
端には所々かすれて読めないが走り書きで"10■21 m■■ 10 Av■ 14 ■■ B+ R.I.■."と書いてあり集計したもののように見える。
なんとも言えない恐怖感に、極力音を立てないようにノートを閉じ元に戻す。
いなづまの過去に何かがあったのか、それとも
後ろに振り返ると、よくダンジョンで収集するクエストが出ている素材いっぱいいっぱいの陰から茶色い頭がこちらを覗いていた。
「い、いなづま?」
「あの……ロキさんはどうしてここに?あ……。」
気まずい。具体的には娘の部屋を漁っていたら娘の闇に突き当たって引き返すタイミングで娘が帰ってきてしまったときくらい……ってそのままやん。最早比喩になってないくらいそのままで思わず自分にツッコミを入れるが状況は変わらず。
「……えっと、ごめんなさい。」
「え……?」
なんか謝られたんやけど、どういうこと?
ーーーー
「え……?」
はわわ。はわわ。
えっとあのあああののの。ノートを見られてしまったっぽいのです?や、ゆ……。ま、まああのノートの内容は多分こっちじゃ分からないとは思うので問題ないとは思うのですが、海軍の闇が詰まっている部分は
「なんか謝られるような事あったんか?あ、ノートについてはウチは何も聞かんで。話せるときに話してな。」
覚悟を決めて目をつぶる。
「ありがとう……なのです。」
…………。
あったかい。
ロキさんは多分今私を抱きしめているだろう。密着してやっと分かるくらい極微に垂れ流される神威も今の私にとっては心強い。普段ぱっちりと開けることのな
ここの人たちは私よりずっと強くて、きっと優しすぎる。単純な力比べなら私に分があるかもしれないけど、それよりずっと強いものを持ってる。漠然とした予感はここでやっと確信に変わる。
アイズお姉ちゃんもそうなのです。私のお姉ちゃん達はお姉ちゃんに相応しい何かを持っていて、勿論アイズお姉ちゃんも……。今お姉ちゃんは力を渇望してて、その中でもお姉ちゃんがお姉ちゃんである何かを失っていない。
ダンジョンで無茶して
もっと安定して展開してどうぞ