ダンジョンに駆逐艦を求めるのは間違っているだろうか 作:もんもんぐたーど
《ここに成長目標を設定》
ダンジョンに駆逐艦を求めるのは間違っているだろうか21
「……すぅ。」
少女はアイズの膝の上で眠る。さっきまで人集りの中心で姉とともに料理を作っていた彼女はとうとう眠気に耐えかねて姉の膝を借りることになった。妹は初め目をこすりながらフラフラとテントに戻ろうとしていたが、姉に見つかり速攻で快眠膝枕攻撃に屈しただけである。
まず可愛い。それだけでいなづまには相当の価値があると言えるがそれだけではない。膝枕を前に蕩ける表情や寝てしまった後も時々顔が緩むことを忘れてはいけない。
ほっぺを軽くつまむ。しっとりとしてぷにぷにな幼い肌はよく延びるがやりすぎると起きてしまうので要注意。指先でつんつんしても感触だけで1時間は軽く満足できると思う。
「アイズっていなづまのこと好きだよね。」
ティオナは隣に座ると、いなづまから視線を外さないアイズのーこれもまた中々柔らかいーほっぺをつつく。当然アイズといなづまとは違う意味合いだが信用度という意味では遜色ないものだ。アイズも気にしていないようで黙ってつつかれている。
「うん、妹だから。」
「……本当にそれだけ?」
ティオナは半ば思いつきで踏み込んでみることにした。長いこと同僚として同じ戦場を共にした
「……多分。」
ボソッと呟くような小さな声で返してきたアイズに踏み込む隙を見る。ただ、アイズも自覚しているのか隙とはいえどもガードが堅そうだ。
「それじゃあ、レフィーヤのことはどう思ってる?」
「後輩、かな。」
返ってきた答えはティオナを完全に満足させるものではなかったがアイズの状態を把握するのには十分だった。
「後輩として好きってこと?」
「うん。」
予想通り迷わずに答えが返ってくる。基本的にアイズ・ヴァレンシュタインは迷わない。モンスターを見たら斬るし困っている人が居たら助ける。じゃが丸君は買う。判断の早さもアイズの強みで勿論人間関係もアイズにとってはそれほど迷うようなものではなかったはずで。
「いなづまと比べたら?」
「……いなづま、かな。いや、レフィーヤがどうでも良い訳じゃないけど姉だし、ね?」
アイズが一瞬の葛藤と戦う瞬間が、いなづまが来る以前のアイズより今のアイズを人間らしくしている気がする。
アイズは気付いているかわからないけど以前のアイズはモンスターを斬ることしか知らない人形のように見えることも少なくなかった。私はこの葛藤の刹那がこんなに
でも結局は同じこと。私は思い悩みその中で前に進む人の姿が好きなんだよね。自分の悩みが胸のコンプレックスくらいしかないし、私とてアマゾネスだ。男性を誘惑する手段はエロティックなボディだけじゃない。親しみやすさから入って親身に相談を受けるうちに……。みたいな感じでやれるはず。多分、たぶん。
「そっか、まあいなづまちゃん可愛いからね。」
「……それに強い。強いんだ……いなづまは。」
強い
いなづまはレベル5。この幼さ、12歳でレベル5に到ったのは正直信じられないところがある。でもアイズが言うなら強いんだろうし、24階層にひとりで潜って素材を集めてる事を考えても実力が高いとわかる。
「今度いなづまと手合わせしたいなぁ……。」
「そうなるよね。ベートも同じ事言ってたし、対人だけならフィンとも引き分けたし。」
そうだ、いなづまはベートが名前を覚えていたんだった。レフィーヤですら覚えて貰ってないのに……。でも、フィンと引き分けたのかぁ。……え。
「え、フィンと引き分けたの?」
「うん。えっとね、結局いなづまはマインドダウンしちゃったんだけどフィンの槍を弾いて関節ロックしてたからフィン一人ではいなづまの拘束を抜け出せなくなったの。それで引き分け。」
……えぇ。思ったよりもガチンコで強い。私とアイズとかティオネとアイズとか、二人組で対峙しても下手打てばあっさり負けるフィンに完全拘束で引き分けを引き出すというのは流石にレベル5じゃないのでは?でもマインドダウンしてるからやっぱりレベル5相応なの?ねえ?
「マインドダウンするほどってどんな感じだったの?」
「えっと、中威力くらいの魔法を牽制代わりに数十発、足場を爆破して加速してたときの魔法が六発前後……かな?全部並行詠唱だったよ。」
「へ、並行詠唱……。ってそんなに魔法撃てるなんていなづまちゃん後衛魔導師だったの?」
並行詠唱ならマジックサークル出てるはずだし牽制代わりとはいってもマジックサークル出るくらいの魔法は詠唱を避けられない筈だし……。
「どっちかというと魔法剣士なんだって。いなづまの主武器は
「へぇ……。って
もしかして
「いなづまの身長よりちょっと短いくらいの斧だよ。あれ。」
アイズが指さした方にはアイズのテントが有り、その脇には長い柄にその半分近くを納める過分に大ぶりな刃を備え地面に刺さった
大変遅れてしまいました。申し訳ありません。