ダンジョンに駆逐艦を求めるのは間違っているだろうか   作:もんもんぐたーど

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《ここに瑠璃溝隠を発見》


第32話

ダンジョンに駆逐艦を求めるのは間違っているのだろうか32

 

「これも似合いそうですよね。クールな感じにぴったりなのです。」

 

私の手には細身の男性が着るような装い一式がある。そう、男装なのです。私の知っている艦娘にもこういう服が似合うクールな方々はいらっしゃいますがお姉ちゃんもそれに勝るとも劣らぬクールさなのです。

 

「男装?」

 

(男装はしってるのですか……。)はい。ちょっと胸の辺りが苦しいかもしれないのですが多分このサイズが一番似合うと思うのです。」

 

手元のこれをお姉ちゃんに渡して更衣室に押し込んでいく。流されるままに更衣室に入って着替え始めるお姉ちゃん。お姉ちゃんのお着替えとか延々と眺めていたいですよね。あー、楽しみ過ぎるのです。レフィーヤさんとかだとお姉ちゃんの男装で新境地に目覚めちゃうのではないでしょうか。

 

「……。」

 

「……どう?」

 

「良いのです。お姉ちゃんは身長もあって姿勢もいいのでやっぱりこういう引き締まった格好は似合いますね。さっきの服とは対極的なのですがこれもお姉ちゃんなのです。」

 

あっ、あ。言ってしまった、言ってしまったのです。

はわわ、はわわ。照れがうっすらのった美青年(お姉ちゃん)がこっち見てるのです。お姉ちゃんはクールに決めるのです。イケメンだぁ。

 

「……ありがと。」

 

「はにゃぁ……。」

 

とりあえずお姉ちゃんに妹する。敵わないのです。

ね、レフィーヤさんにはさぞかし効いたでしょう。え、ここには居ない?はは、そうでしたね、ここにはいませんでしたね(棒読み)

あとで自慢してあげましょう。とりあえずこの服は後で買っておきます。それで良いでしょう。

 

「ど、どうしたの?」

 

「いえ、何でもないのです。それで、なにか着てみたい服とか思いつきました?」

 

お姉ちゃんを再び更衣室に詰め込みカーテン越しに会話を続ける。こういう姿は見えないけどそこにいる人と会話するシチュエーションもいいですよね。なんか、物理的にではなくて心でつながってるみたいな現象を可視化しているといえばいいんでしょうか。

 

「……なんとなく。次の店、いこう。」

 

「わかりました。そうしましょう。」

 

ふふ、お姉ちゃん女の子化計画進行中なのです。見た目はいいのでちょっとずつ仕込んでいけばじきに……。当然良い貰い手がいると良いのですがちゃんと釣り合う人が良いですよね。もしどうしてもと言うなら私が最後まで一緒に居ても良いのですが、一緒に居ても良いのですが、がが。

 

ここでサイレント服購入芸を決め、お姉ちゃん用フリル付の可愛い服&紳士服を艤装に放り込む。これは艤装様々なのです。重油と洋服を同時に放り込んでも混ざらない謎テクノロジーは完全にオーパーツですが。

 

「それじゃいこうか。」

 

「なのです。」

 

更衣室から出てきたお姉ちゃんの腕を確保し店を出る。お姉ちゃんとのウィンドウショッピング、良い響きなのです。

 

ーーーー

 

「」

 

「」

 

「」

 

期待を裏切らない最強の新人の齎した大惨事の結果が後を付ける三人に襲いかかった。紳士服アイズ。これ以上に危険な存在は今までオラリオに存在しなかっただろう。三人が死亡することは当然の流れであった。男装の麗人の流れる金髪は栄華の道、華奢な背中はしなりも強かな竹の様。芸術であった。

 

「いなづま、やってくれたね。」

 

「いなづま、おまえがナンバーワンだ。」

 

「はあはあ、お姉様、レフィーヤを踏んで下さいまし。」

 

故に誰も顔を赤らめるティオナやキャラの壊れたティオネ、超絶ヤバい顔と化した顔芸職人を咎めることは出来まい。事実周囲の人々の話題はアイズに似たイケメンについてで盛り上がっておりおまえ等の目は節穴かと問いたい。さっき剣姫が更衣室に入っていったことを見過ごしていたらしい。

 

まあ、実は剣姫がこんなところにいるはずがないという前提に始まっているので見ていようが見ていまいがそっくりさんで話が終わっているのだが……。

 

「うん、仲が良いのは仲が良いからなのね。わかったわ。」

 

三人は満足げにちょっと遠回りしてホームに戻った。ティオネがいい感じに締めたように見えるがアフリカでは一分に六〇秒が過ぎていますと言うのとさして変わらないことには最後まで誰も気づかなかった。いや、どうでも良くなっていたのだろう。アイズが幸せならそれで良い。世の至宝を垣間見た三人はそんな境地に達しているようであった。

 

このあとレフィーヤは散々いなづまに弄られた。

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