ダンジョンに駆逐艦を求めるのは間違っているだろうか   作:もんもんぐたーど

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《ここに地下迷宮の息吹》


私の弟子は期待が持てる
第41話


ダンジョンに駆逐艦を求めるのは間違っているのだろうか41

 

「調整なのです?」

 

「うん。」

 

ホーム内にある緑豊かな小庭では帰ってきたばかりの愛剣を振るう剣姫の姿が有った。当然そのそばには妹が居る。

 

剣の調整で結果的に"余計に"かかってしまったのでお姉ちゃんといえどもすぐに誤差を吸収できるわけではないと言うことでしょうか。

 

そういえば諸々の元凶の先日のダンジョン深層の攻略時に出たモンスター。これは大変くせ者で聞いた話をまとめると食虫植物を大変やばい感じにしたモンスターさんみたいなのです。溶解液も進化の過程を考えると対象を捕食するためのものだったはずです。それであの"拾った"カドモスの皮膜、当然偶然だとは思えないわけで。当時のお姉ちゃんたちは事態の異常さを察知はしていたようですが結局それ以上のことはしていないようなのです。まずいですよね?

 

「調整、完了。」

 

「おお、すごいのです。」

 

ここでお姉ちゃん、葉っぱの賽の目切りを披露。本当に綺麗に切れていてぱらぱらと地面に落ちていく様子はなんとなく投げ損ねた紙吹雪みたいな、なんか褒めてるように聞こえないたとえになってしまったのです。いなづま()がものを例えることが下手でも、それでもお姉ちゃんがすごいのだけは本当なのです。本当ですよ?

 

「そう、そっか。」

 

「あ、アイズさん。」

 

「レフィーヤさん?」

 

あたふたしている間にレフィーヤさんが登場。木陰から出てきたと言うことはそこにずっと居たと疑われてしまうと思うのですが、多分テンパってる人はそんなこと考えないと思うのでそんな感じでしょうか。

 

「凄いですね。剣術、誰か師匠とか居るんですか?」

 

ん?お姉ちゃん……?というかリヴェリアさんが。はい、しーですね。

 

「師匠……は両親、かな。」

 

お姉ちゃんのご両親……。それは……。

 

「ご両親は、」

 

「レフィーヤ、本を取ってくるだけで随分と時間が掛かるな。どうしたんだ。」

 

「げっ、リヴェリア様っ。」

 

背後から迫っていた気配に気づかないほどお姉ちゃんのことしか見ていなかったレフィーヤさんもなかなかですよね。流石お姉ちゃん。魔性の女ですね(そうじゃないのです。)

 

「げっとはなんだ。まったく、自分の修練を忘れてどうする。時にアイズ。」

 

「なに?」

 

嫌な予感がしたのかお姉ちゃんの表情に影が落ちる。リヴェリアさんとお姉ちゃんの間になにか有りましたっけ?うぅ、微妙に疎外感なのです。

 

というかレフィーヤさんの足が地面から離れてるように見えるのですが片手で持ち上げてるとかですかね。流石レベルが高いとこんなパワープレーも可能ですよって感じなのです。魔導師としてはかなりパワーが強いほうだと思うのですが、気にしてはいけないんでしょうか。

 

「強くなるには肉体だけじゃなく精神も鍛えないとな。」

 

「ね、アイズさんやりましょう。」

 

突如ポエマーになったリヴェリアさん、キラキラを実装したレフィーヤさん、露骨に嫌そうな顔をするお姉ちゃん(アイズさん)。そこから導き出される答えは……。

 

「座学やだ。」

 

「えぇ……。」

 

キラキラから悲しみに満ちる表情に急転直下したエルフ魔導師と口をとがらせてお誘いを断るお姉ちゃん。正解は座学のお誘いでした。お姉ちゃんは魔法を発現しててかつ十全にそれを使いこなせる実力はあるので、確かにもう魔法学の授業はいらないといえばいらないのですが。

 

「だそうだ、残念だったな。」

 

「ちょっと待ってください。今は何をやってるんですか?」

 

「何とは、ああ、魔法における流体の制御理論の応用だ。」

 

流体制御というと水や風といった不定形のものを魔法で制御下におくというものですが、魔法においては非常に応用が利きその分難しいことで有名なのです。それを難なく直感でこなしているお姉ちゃんのすごさについては別の機会にするとして、お姉ちゃんの得意分野だと思うのです。

 

「風の奴?」

 

やっぱり聞き覚えがあったのかお姉ちゃんから反応があった。それにレフィーヤさんもリヴェリアさんも反応。レフィーヤさんは意外そうな、リヴェリアさんはまことしやかに囁かれている事実(自己矛盾)のママの表情になっておりここだけで全体の相関関係が見て取れるようなのです。私は?当然お姉ちゃんの良さを誇らしく思う表情ですよ?

 

「ああそうだ。案外覚えてるもんだな。」

 

「アイズさんも昔やったんですか?」

 

「うん、魔法発現したばかりのときかな。」

 

「お話聞きたいのです。」

 

少し気迫を乗せてお姉ちゃん昔話の流れを作ろうとする妹がここに一人。なのです。ちらちらとリヴェリアさんにも視線飛ばしつつお姉ちゃんの周りをうろちょろする作戦。レフィーヤさんのほうを見ないでおくのも大変重要なのです。や、多分見たらキラキラで飲まれるので、多分。

 

「まあいい、たまには人の話も役に立つだろう。」

 

このあと滅茶苦茶昔話をした。




急な案件で時間がとれず、大変遅れました、申し訳なさでいっぱいです。しばらく投稿が不安定になるかもしれませんがよろしくお願いします。
あと今回から新章がスタートです。もっとキャラにスポットを当てて話を書いていきたいと思う今日この頃です。
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