ダンジョンに駆逐艦を求めるのは間違っているだろうか   作:もんもんぐたーど

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《ここに地下迷宮の息吹》


第45話

ダンジョンに駆逐艦を求めるのは間違っているのだろうか45

 

「あ、フィンとティオネがきた。」

 

「僕たちが最後みたいだね。待たせちゃったかな?」

 

魔女の隠れ家を後にしてバベル前の広場に私たちは集まっていた。団長(フィン)とティオネを除いて。

 

「ううん、さっき来たばかりだから。」

 

そこにちょうど二人がやってきた。私とティオナとベート、いなづまとレフィーヤとリヴェリアの2組が合流して間もないので実際にそうだった。フィンとティオネが二人の理由?それはうん、たぶん言わなくても分かると思う。

 

「あぁ、私たちもさっき合流したばかりでな。それにしてもこの面子でダンジョンに潜るのは久しぶりだな。」

 

「えへへ、あたし行く前からわくわくしちゃってるもん。」

 

「あんたはちょっと自重しなさいよ。ウルガを振り回さない。」

 

気分の高揚がそのままウルガの荒ぶりに出るティオナ、それを止めるティオネ。いつも通りの、少し前はよく見た光景のはずなのに今日は違う。わたしのとなりには妹が、後輩魔導士(レフィーヤ)が居る。

 

「アイズさん、私、その。」

 

「なに?」

 

「私、今回もアイズさんと一緒に冒険できてうれしい、です。」

 

後輩魔導士の笑顔がまぶしい。さっきよりもわずかに強くなる(いなづま)の拘束。こういうときはどう返せば良いんだろう。

 

「本当は今回一人で潜るつもりだったの。でも、」

 

でも、今は違う。妹が、後輩が、教えてくれたから。

 

「いまは、妹と後輩の好意に甘えても良いかなって。誰かに頼っても良いかなって思って。だから」

 

「今度こそ、アイズさんをお助けします。仲間として。」

 

「なのです。」

 

「うん、よろしくね。」

 

「アイズ、いなづま、レフィーヤ。行くよ〜?」

 

もう歩き出していたティオナ達が振り返って声をかけて来る。いつもより時が流れるのが早く、もう日は頂天から傾きつつあった。

 

----

-ダンジョン17階層

「やっほう。ウルガ絶好調っ。」

 

二代目大双剣(ウルガ)がモンスターを切り裂き、唸りを上げる。”ウルガ”の名に恥じない豪傑。使い手を選びすぎるきらいはあるが性能は第一級武器として十分すぎるほどに備わっている。ゴブニュ・ファミリアの力作でそれに相応するコスト(ねだん)も付随する名器。

 

……どうもティオナは気にせず最高性能で購入して借金を増やしてるみたいだけど……。

 

「ほんっと危なっかしいわね。当たったら痛いじゃないの。」

 

「えぇ、痛いで済むんですか?」

 

後衛のレフィーヤが比較的前に出てくるほどには、この階層のモンスターは強くない。決して油断できる理由にはならないし、ティオナの乱暴な戦闘スタイルに巻き込まれたら凄く痛いと思う。そう考えるとレベル3魔導士なら痛いでは済まないはずけど、どうなんだろう。って、あ。

 

「レフィーヤさん前を見て」

 

「レフィーヤ、よそ見するな。」

 

「は、はぃ。」

 

レベル3魔導士とはいえ、強大な魔導出力に耐えられるよう強固に設計された(といなづまが言っていた)魔導杖で殴られたら中層までのモンスターなら十分に怯みうる。そこからどうするかが生死を分けるんだけどね。

 

「急所、喉を突け。」

 

「ひぃ、はぃ。」

 

パワーの関係性としてはレフィーヤの方が強いのに対応が後手に回ってしまう……。レフィーヤにとって近接戦闘はまだ慣れないもの。先日のこともあって彼女自身大変かもしれない。

 

「レフィーヤ、おまえは魔導士だがダンジョンでの近接戦闘は免れないと思え。気を引き締めていけ。」

 

「はいっ。」

 

モンスターの死骸の山を築く凄腕魔導師とその弟子魔導士。背中を見て学べと言うことがあるけど、あの背中を追いかけるレフィーヤの精神力はすごいと思う。




またまた分割1話です。こうして人は負債を抱えていくんですね……。
次回から日曜日投稿にします。よろしくお願いします。
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