ダンジョンに駆逐艦を求めるのは間違っているだろうか   作:もんもんぐたーど

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第8話

ロキ、ガレス、リヴェリアと共に僕の部屋に入る。ファミリアの中で団長である僕の部屋は広い方になるが4人で座ると以外と圧迫感があるものだ。

 

「まず始めにいなづまはウチの盟友や。神格でいえば地上でファミリアを作っとる神々の7割くらいの力がある。ついでに新入団員やで。」

 

4人全員が座ったことを確かめるとロキが話し始める。

 

(ひまじん)か。それならまだわからなくもないのう。ん、新入団員と言ったがまさか神が団員として……?」

 

ガレスは僕とリヴェリアの疑問を代表した。僕も盟友関係にあるとまでしか聞いていないのだ。

 

「いや、正確には"信仰の対象になっていたいなづまと同じ名前の戦闘艦の概念を降ろし続けて(・・・・・・)一体化、更に経験値を溜め偉業を達成しランクアップのような形で神格化した"らしいんやけど……前半は言うてること難しいんよなぁ。まあ、強いだけの可愛い女の子やで。」

 

「信仰が生んだ()と融合した少女、か。」

 

「なんとも業の深そうな感じがするのう。」

 

「そうだね……謎が多いけどあの強さには納得かな。」

 

いなづまが戦闘艦"いなづま"から力を授かり、偉業を達成したことで"いなづま"が神格化したなら、それは神の恩恵(ファルナ)を受けていると見なせるんじゃないか?文字に起こすと混乱しそうだけど。

 

僕は若干彼女を誤解していたらしい。まあ僕が気になっていたことー信仰から生まれた神は神の恩恵(ファルナ)を与えられる神格になるかーについてはむしろ進展したので気にしないが。

 

「せやな。神としての力を行使した痕跡がないし、見た感じ力の制御は出来てるから実力の面ではうちは心配しとらんのよ。でもいなづまは……あれ?何歳やろか。聞き忘れてしもうた。かわいいからええんやけど。」

 

「ロキ……。」

 

哀れみの視線がロキに集中する。まさか出会ってから僕と手合わせする間に年齢すら聞いていないとか、"妹スキーだと判明したアイズ萌えるぅ。いなづまもつよかわいぃ"とかしか考えてなかったと思われても仕方ないだろう。。

 

「べ、別にただつよかわいい義姉妹丼期待とか義妹にデレデレなアイズたん萌えとか思うとったんちゃうで。ちゃんとステータス擬きも見せて貰うたし、あと、後は……ぅ。」

 

視線に耐えきれず捲し立てるように内心と戦果を暴露したロキ。前半がなければやり手の主神だが前半のせいでただの神《変態》になってしまっている。妙に予想が当たってしまったと言う意味では自分も毒されているような気持ちだ。

 

「ロキの性癖はさておき……ステータス擬きというのは何だ。」

 

「おう、これやで。写させてもらったやつや。っとその前に"スキル枠"も書いておくわ。始めは見えへんかったからなぁ……。」

 

主神の数少ない、いや唯一の戦果を見ようと意識を切り替えるが後に続いた言葉に硬直する。

 

「途中から見えるようになった……発現ではないのかい?」

 

「せや。突然見えるようになってな。もともと有ったのは間違いないから発現ではないで。」

 

ん……?スキルは有るのに見えないって事があるのか。ロキも気にしてないみたいだし神々の中では普通にあり得ることなのかもしれないけど……。

 

とりあえず呑み込んで紙に写されたステータス擬きを見る。

 

「ふむふむ……ん?」

 

練度が89と書かれており括弧の中に推定レベル4~5と書かれている。別の基準で計ったものをステータスに換算しているらしい。近くに小さくアイズの推定練度92と書かれているのでアイズを基準にしているのだろう。実際に手合わせした感じだと、いなづまはレベル5で間違いないと思うのでアイズをレベル5の平均として考えて換算したんだろう。

 

それ以外のステータスは耐性と俊敏は同等、魔力がアイズよりかなり高く、力はいくらか低く耐異常はほぼないと言ったところか。

 

ステータスもレベル5の中で普通に強い方だが、スキルの方はかなり特徴的だ。今発現している2つはどちらも見たことのないレアスキル。

 

「見ての通りいなづまはレアスキル、それも訳の分からないのを2つも抱えてるんや。もちろん本人は把握してるで。だからスキルについては幹部の間で"秘密"にするで。」

 

主神がニヤリと笑みをこぼしながら宣言する。もしかして……。

 

「確かにこの"秘密"は言外できんのう。」

 

「流石にこれは"秘密"だな。」

 

「本当に"秘密"としかいえないな。」

 

ガレス、リヴェリア、僕と続いて"秘密"を宣言する。その結果はすぐに分かった。

 

なるほど、これは秘密としか言えないな。ロキ・ファミリアの新人は確かに戦場の女神だった。

ーーーー

私はベッドに横たえた(いなづま)の頬を指でつつく。ぷにぷに。

診てもらったけど幸いにもいなづまの身体に異常はなくしばらく休めば起きるとのことなので一安心だ。それでもいろいろな思いが渦巻いて私は縛られたようにベッド脇のいすから離れられない。

 

まだ一日も経たないのにすごく濃厚な時間を過ごしたと思う。私にとっては成長が停滞して少し味気なくなっていた日常に一輪の可憐な花を添えられたような……。いなづまとダンジョンに潜ったらきっと昨日よりも楽しいんだろうなぁ。

 

「すぅ……。」

 

もう一度頬をつつく。マインドダウンしてるなら頬をつついたくらいでは起きないと思うので好きなだけぷにぷに出来る。今はできないけど膝枕も出来るハズ。いなづまの柔らかほっぺつつき放題。じゃが丸くんだと……換算できない。どっちも欲しい。

さらさらの髪さわり放題。これもセットで。

 

「んぅ……。」

 

私は早く起きて欲しい気持ちと頬をつつきたいがために寝ていてほしい気持ちに揺れる。結局現状に甘んじて、欲望の赴くままにいなづまの頬をつつき髪をすいていたそのとき医務室のドアが開いた。

 

「アイズ、ここにいたのか。」

 

「ベート?何かあったの?」

 

入ってきたのは同じレベル5で俊足自慢の狼人 ベート。つり目でちょっと厳しい言葉を掛けてくる事があって、あと……蹴りがすごい。

 

「特になにもねぇよ。んで、そのベッドで寝てるのは誰だ?」

 

この顔、多分私がいなづまを運んでいるのを聞いてきたんだと思う。根拠は直感。この手に限る。

 

「いなづま。新入団員の子。」

 

新入団員と聞いてなんともいえない表情になるベート。んー、あ。ベートにいなづまを見てて貰ってフィンの部屋に行こう。ベートは口は悪いけど信用出来るのでいなづまが起きるまで見ていて貰うくらいは頼める。

 

「新入団員ねぇ。商業系ファミリアならわからなくもねぇが何でこんな奴がロキ・ファミリアに……。」

 

「……ベート。ここに座って、いなづまの様子を見てて。フィンの部屋に行ってくる。」

 

色々言いたいことがありそうだったので遮っていすに座らせ、用件を伝えて医務室を出る。多分ベートなら放置しないから心配になって戻ったりはしない。

フィンの部屋まで早足で歩きながら他の幹部に伝えるべきいなづまの情報を自分の中で整理する。

 

まだ左手にはいなづまの髪のさらっとした感触が残っているような気がした。




説明的文章だけだと草臥れるのでお姉ちゃん要素を増量。ソード・オラトリア買わなきゃです。次回で第一章完結予定です。

おまけ
フィン達が見たいなづまのステータス
ーーーー
いなづま Lv5
〈スキル〉
海神の加護《□□□□□》
ー 水上においてすべてのステータス上昇
ー 水上・水中において取得経験値上昇
ー 主と同僚を守護する
ー 味方との位置関係でステータス上昇
ー 可能なら長をかばう
ー 水の扱いに長ける
ー 三大欲求と二大要求を混合できる。
ー 異常に対する耐性を持つ
ー 水陸を区別しない


戦場の女神(夜)≪ヤセンノミチビキテ≫
ー 暗所でのステータス上昇・取得経験値上昇
ー 見えない味方を把握する
ー 有利な戦場を引き寄せる
ー このスキルを含む何らかの"秘密"を共有した希有な存在に加護と幸運を与える。秘密が失われるとき加護は失われる。隣に立つ信じられる誰を見つけたとき女神は再び戦場に降り立つ。

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