ラノベと私とラブコメと。 作:厨学弍年生症候群
昔の私は⋯⋯ハッキリ言えば根暗で無気力でひたむきな性格の人間でした⋯⋯。
どれくらい暗かったかと言えば好きな文学作品は人間失格だとか、平気で言える位に鬱屈してたと言えば分かって貰えるでしょうか?
コホン⋯⋯とにかく私は下手をすると自殺しかねない位に精神面が病んでた訳です。
まぁそんなある日⋯⋯私は教室に明日提出の宿題を忘れてしまい⋯⋯憂鬱ながらも宿題を出した先生が屈強なまでのムキムキマッチで⋯⋯人殺ってませんか? ていう位に怖い顔と気迫を持ったリアルでThe鉄人と言った感じの人だった事もあり⋯⋯いやいやながら渋々取りに来た訳です。
そしたら教室の中で笑い声が聞こえ⋯⋯うわ人がいる嫌だなぁ⋯⋯とばかりに中にいる人が立ち去るまでやり過ごす事にしたのです。
それに声の主が生徒同士の間でも典型的なイジメっ子でしたし⋯⋯関わりたく無かった事もありました。
それで⋯⋯一旦立ち去ろうとして私は彼女達が他人の男子が忘れただろうカバンを、探って偶然にも見つけた原稿用紙をゴミ箱に捨てようぜ的な話を聞いてしまったのです⋯⋯。
その後は彼女達が立ち去ったのを見兼ねて荷物を撮って帰ろうとしました⋯⋯。
そこで多分ここが私にとっての人生の分岐点だったんだと思います。
私はふと彼女達がゴミ箱に捨てた原稿用紙が気になりゴミ箱から取り出したのです。
そして、試しに少しばかり読んでみることにしました。
ハッキリ言って私の感想はこれは酷いの一言でした。
文体は滅茶苦茶、展開だってあっちこっち無理矢理と言いますか嫌々御都合主義過ぎるでしょ的な内容⋯⋯あっちこっち無理に漢字を使って誤字脱字も多くて読みづらいのなんの⋯⋯。
でも⋯⋯だからでしょうか⋯⋯私の心には酷く響く
だってあんなに分厚く手書きで必死に字を詰める何て私なら途中で参っちゃう作業ですし、そこまで一つの事に必死に慣れてる事が嫌でも伝わります⋯⋯内容は酷くてもそれでも不器用ながらに必死に頑張っている⋯⋯だからこそ私は、そんな作品を書いた此処に居ない彼がとても眩しくて綺麗に見えたのです。
何せ⋯⋯気が付いたら涙を流してましたからね私⋯⋯。
とまあ何故そのような話をしたのかと言いますと⋯⋯実は私、奉仕部の一件から翌日⋯⋯友人の結衣から分厚い原稿用紙を頂いたんです。
勿論その後には疑問を抱きながら目を通しました。
まぁ⋯⋯そのお陰かすぐさまその原稿が誰が書いたのか理解しました。
だって文体や筆跡が、私が今の私になる切っ掛けとなった作品を書いた人⋯⋯私の人生に置いて恩人であり現在進行形で片思いの人⋯⋯。
材木座義輝さんその人の書いたものだったからです⋯⋯。
しかも当時の作品と見比べたら多少はましになってましたがそれでも誤字脱字が少し減った位でした。
そして私はそんな材木座さんの原稿用紙を、昔の思い出を懐かしみながら読んでいる訳です。
結衣が言うには材木座さんが明日この原稿用紙の感想を聞きに来るらしく、読むの難しくて自分には分からないだろうから、そう言った難しい本とか読んでそうな私にと⋯⋯まぁ正直に言うと少しばかり呆れましたが⋯⋯その後、材木座さんと話す場を作る切っ掛けにもなるんじゃないかなと言う言葉を聞いて、一応彼女なりに考えてくれたとばかりに少しばかり感動もしました。
まぁ⋯⋯それが比企谷さんの意見だと直ぐに言われたので全部台無しだった訳ですが⋯⋯。
まぁ⋯⋯とは言え教えて下さったのは感謝です。
それに、たしかに結衣さんでは材木座さんの書いた作品と言いますかこれは確かに読みづらいでしょう⋯⋯真剣に読むと間違いなく徹夜コースに成りかねない程分厚いですし、改行も少ないためか余計に読みづらいですし。
まぁそれでも私にとっては
何せこれのおかげで今の私がいると言っても言い訳ですし⋯⋯コレのおかげで目指したい将来の夢の目標が付いたのですから。
「あ、そうだついでに材木座さんの原稿も返却しましょう」
私はクローゼットにしまってある材木座さんの原稿用紙を取り出します。
実はあの後、材木座さんの鞄に戻そうとも思ったのですが⋯⋯見回りの先生が来てしまった事もあり、つい持って帰ってしまったんですよね⋯⋯。
その後、幾度か返そうと思ったのですが返すタイミングが掴めなかったと言いますか⋯⋯時間が経過するに連れて材木座さんの所に運ぶ足がどんどん重くなると言いますか⋯⋯むしろ逆に返しづらくなってしまい⋯⋯。
そんでしまいには思い出の品として何度も気付いたら読み返していて、そのお恥ずかしくて⋯⋯。
とまあ⋯⋯どうせお会いするならこれも何かの縁ですし、今回こそはこの原稿をお返ししましょう⋯⋯そうですね⋯⋯後は長い事返却出来なかったお詫びも兼ねて、次いでに部活の合間で製作したコレも一緒に持って行きましょう⋯⋯。
私はそう思いそれらを鞄にしまう。
「ふふっ材木座さん⋯⋯喜んでくれるといいなぁ⋯⋯」
私は楽しげに目を細めて微笑みながら、机の上に置いてある材木座さんの原稿に再び目を通すのでした。