さて、今回はちょっとシリアスな回になります。
では、続きをどうぞ
とある田舎の山奥
サンダーは、ある部屋に呼ばれた。この施設の最深部よりさらに下の階層。厳重なセキュリティを通過し、一番奥の部屋に入る。そこに、真っ黒なローブを身に纏い、フードを目深に被った者達が五人。サンダーより少し高めの位置に座り、見下ろしている。
幹部A「サンダーよ。報告を」
サンダーは、手に持っていた資料を、幹部達の横に控えているボディーガードに渡す。その資料に目を通す幹部達。大きな壁掛けのモニターにある人物が映し出される。そこに、映っていたのは、絵里だった。
幹部B「この女性は?」
サンダー「彼女が、絢瀬絵里です。」
幹部C「例の女か」
サンダー「はい、そうです。」
サンダーの言葉に、幹部達は唸る。
幹部A「それで?どうなのだ。この女、堕天使の正体を知っているのか?」
その質問に、サンダーは首を横に振る。
サンダー「その事に関しては、まだ調査中です。」
幹部D「今のところ、危険性はないのだな?」
サンダー「はい、現段階では」
幹部E「何にせよ。その者が危険因子となりうる場合は、サンダー。分かっているな?」
サンダー「はい、お任せ下さい。」
サンダーの言葉で、幹部達は席を立ち、部屋を退出する。サンダーは一人部屋に残り、溜め息を付き、天井を見つめた。
サンダー(……堕天使、悪く思うな)
侑の住むマンションにて
侑「本当に、毎日来るなよ」
溜め息混じりの言葉に、絵里がキッチンからニッコリと微笑む。
絵里「お帰りなさい」
スリッパをパタパタと音をさせながら、近付いてくる絵里。その姿に、侑の脳裏にある単語と妄想が出てくる。
侑(裸エプロン)
侑は鼻血を吹いた。絵里が慌てる。
絵里「ちょっと!侑、大丈夫?」
慌てふためく絵里を、手で制し。侑は、鼻を押さえた。そのまま、洗面所に向かう侑。一人っきりになると、汚れた手と顔を洗い、鏡に映る自分の姿を見る。
侑(最近、振り回されっぱなしだな)
しばらくして、洗面所から出てくると、絵里が心配そうに近付いてきた。
絵里「侑、もう大丈夫なの?」
侑「ああ、大丈夫だ」
絵里「どこか、調子が悪いなら、私と病院へ行く?」
首を横に振る侑。
侑「どこも悪くないから、心配するな。」
絵里「……もしかして侑、エッチな妄想したんでしょ」
絵里の的を射た言葉に、真っ赤に染まる侑。
絵里「侑になら、しても良いよ。」
耳元でそう告げる絵里。侑の鼻から再度鼻血が吹き出た事は、言うまでもない。
秋葉原周辺にて
いつもの様に出歩く。誰かから背中を叩かれた。振り向くと、サンダーだった。侑は背筋が凍り付く。
侑「どうして、お前が……。」
サンダー「堕天使、忠告だ。今後、行動には気を付けろ。」
侑「……な…に」
侑の問いに、サンダーは悲しげに見つめ、首を縦に動かす。
侑「まさか、あいつに何か。」
サンダー「大丈夫だ。今のところ、彼女に危険はないよ。ただし、お前の行動次第で、彼女は消させるかも知れない。俺は、幹部の命令に逆らえない。けど、お前の事は、大事な仲間だと思っている。」
侑「どうにかならないのか」
サンダーは、横に首を振る。
サンダー「俺にそんな権限はないよ。でも俺は、お前の監視役を引き受けた。分かるだろ?時間は少しは稼げるが、それ以外は無理だ。」
侑は天を仰いだ。
侑「分かった。サンダー、悪ぃな。」
サンダー「仲間の為だ。一肌脱ぐよ。それより、彼女はお前の事、何か知ってんの?」
侑「いや、俺の正体は知らない。」
侑の言葉に、サンダーは少し安堵する。
サンダー「なら、何でお前にご執心なんだ?」
サンダーの問いに、侑は頬を少し赤くする。
侑「俺に一目惚れしたらしい。」
侑の意外な告白に、サンダーは軽く転けた。侑も、苦笑する。
侑(……そろそろ、潮時かもな)
ふと、そう思った侑だった。
今回は、ドキドキ少々。ハラハラ多めでした。今後、侑と絵里の関係がどうなるのか。心配です……。(作者なのに)
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