では、続きをどうぞ
侑の告白に、絵里を含めμ,sのメンバーは息を止めた。絵里が愕然とした表情を見せる。
侑「今まで黙っていて、すまなかった」
絵里「…ほ…本当……なの?」
震える声を抑え、絵里が聞く。侑はただ、無言で頷いた。泣き崩れる絵里。侑は絵里を抱き締めるしか出来ず、悔しかった。
絵里「……だから、1つの場所にとどまれないのね」
泣きながら絵里が呟く。そして、疑問を口にする。
絵里「その手は、誰かの血で染まってしまったの?」
その質問には横に振った侑。
侑「いや、まだ誰の命も奪ってはいない。俺はまだ、実験の途中なんだ」
絵里「どういう事?」
堕天使「ホンライ、ススムノジンカクハ、オレニキュウシュウサレルハズダッタ」
侑「人としての人格がある以上、人が人を殺す事は、道理に反するからだ。」
希「つまり、侑君がおる以上、殺人兵器としては、欠陥品ちゅうこと?」
頷く侑。
凛「でも、それっておかしくないかにゃ?」
花陽「凛ちゃん、何がおかしいの?」
凛「だって、殺人兵器を造る時点で、道理に反してるにゃ」
海未「それは言えています。恐らく、違うのではないでしょうか。」
昂「なら、組織の目的は違うって事か?」
海未「あくまで、可能性を言っているのです。」
そこまで話を聞いて、侑と昂は顔を見合わせた。
昂「俺達は、ずっとそう教えられてきた。殺人兵器として。でも、本来の目的が違うなら、俺達は何の為に産み出されたんだ?」
侑「分からない。でも、それを解決するには」
侑・昂「組織の長に直接会うしかない」
力強く頷く二人。絵里が侑の頬に触れる。侑が絵里の
身体を抱き締めた。
昂「俺も彼女作ろうかな」
羨ましい顔をして昂が愚痴る。そんな彼を見つめる一人のメンバー。昂は気付かずにいた。
絵里の住むマンションにて
亜里沙「侑さん、お久しぶりです。」
天使の様な笑顔で、絵里と侑を出迎える亜里沙。
侑「久しぶりだな。」
亜里沙「ちゃんと、お姉ちゃんと仲良くしてますか?」
侑「ああ、仲良くして」
亜里沙と話すと、絵里が後ろから背中を叩いた。振り向く侑。絵里は不貞腐れた顔でキッチンへ向かう。
亜里沙「お姉ちゃん、ヤキモチかな」
そんな事を、言いながら亜里沙は自分の部屋に入っていった。玄関に立ち尽くす侑。しばらくして、侑はそろりとキッチンへ向かった。
キッチンでは、不機嫌そうに朝食を作る絵里。
侑(寝ずに朝になったから、疲れているのか?)
そう思い、絵里の側に近付く。絵里はくるりと振り向き、侑に包丁を突き付けた。驚く侑。
絵里「さっき、亜里沙と仲良く話してたわね」
侑「ん?ああ、久しぶりだったからな。挨拶しただけだぞ?」
絵里「ふ~ん、そのわりに、ちょっと鼻の下が伸びてたわよね?」
侑は、絵里が何を言いたいのか分からない。
堕天使「エリ、オレハエリノコトダケミテル」
絵里「うん、ありがとう。貴方は私の事よく見てくれてるものね」
堕天使の時だけ、微笑む絵里。侑は訳が分からない。
侑「絵里、どうして怒っているんだ?」
絵里「知らないわよ。もう一人の貴方に聞いたら?」
そう言って、絵里は侑に背を向け、朝食作りを再開する。
堕天使『侑はもっと絵里の気持ちを考えた方が良い』
そう話しかけられる侑。侑は溜め息を付いた。
侑(考えているさ)
堕天使『考えているなら、絵里がどうしてあんな態度を取るのか分かっているんだな?』
侑(……)
堕天使『絵里は、俺だけじゃなくて、お前にもちゃんと自分を見て!って、思っている』
侑(我が儘か)
堕天使『侑、女はな。好きな人の前だと我が儘になるんだ。それがどういう事か、分かるか?』
侑(分かんねぇよ……)
堕天使『それはな。本当の自分を。全てをさらけ出した自分を、好きな人には知ってもらいたいって。お前だって、同じだろ?』
侑(……分かったよ。)
侑「絵里、俺は絵里しか愛せない。絵里だけがいれば、それだけで」
絵里「なら、約束して。私だけを見て」
絵里の言葉に侑は頷いた。
次回は、組織の長に会いに行きます。組織の目的は他にあるのか?お楽しみに!
さて、昨日お話した官能小説『絵里と侑、あの時二人はナニをしていたか』を投稿しました。興味がありましたら、是非ご覧下さい!本編の書ききれなかった絵里の気持ちが分かります。さらに、堕天使とのムフムフも書くので、宜しくお願いします。