前回の続きです。どうぞ
俺は、怒りで我を忘れていた。
侑「お前、何考えてんだ!」
突然の大声で、彼女の肩がビクリと動く。そして、俺の顔を見た。
侑「一歩遅れてたら、死んでたんだぞ!」
その言葉で、目に涙を滲ませる彼女。俺の横では、サンダーが俺の胸を軽く叩いた。『少し落ち着け』と、いう意味で。それでも俺は、怒りが収まらない。俺の怒鳴り声で、彼女の友人達が部屋に物凄い勢いで入ってきた。
穂乃果「絵里ちゃん、起きたの!」
凛「心配したんだにゃ~!」
海未「無事なのですか!」
ことり「絵里ちゃ~ん、心配したんだよ。」
にこ「全く!心配したわよ!」
花陽「絵里ちゃん、ごめんなさい…。私」
みな、自分の気持ちを思い思いに話す。そんな中、二人だけ、彼女ではなく、俺を睨んでいた。
希「絵里ちを助けてくれたことには、感謝してる。でも」
真姫「貴方にそこまで怒られる理由は?」
彼女達の言い分は分かる。彼女達からしてみれば、俺はほぼ初対面なのだから。
侑「……そこの女とは、色々あって。顔見知り以上だ。」
俺は、顎で彼女を指す。すると、睨んでいた二人の表情が、少し和らいだ。
希「そうやったんや。うち、てっきり」
ニヤリと笑うエセ関西弁を話す女性。先程から、自分の髪を弄る女性は、まだ怪訝な表情が見え隠れしている。そして、他の友人達は俺を取り囲み。
穂乃果「絵里ちゃんとどこで知り合ったの?」
海未「穂乃果、不躾ですよ!」
凛「ええ!気になるにゃ~!」
ことり「私も」
花陽「その前に、自己紹介した方が…。」
にこ「もぅ~、あんた達は何やってんのよ。」
言葉の散弾銃に俺は尻込みし、身体ごと後退する。
絵里「みんな、待って。彼、女性に対してあまり免疫が無いから、いきなり同時に質問しないで」
彼女からのナイスフォロー。だったのだが。
穂乃果「ええ!そうなの?全然見えない!イケメンだし!彼女いそう!」
ことり「彼女いるんですか?」
海未「穂乃果、ことり、不躾ですよ!こう言う話は、もっと」
凛「何だか面白い事になってきたにゃ~。」
花陽「……みんな、待って。最初に自己紹介を」
にこ「まさか、二人付き合ってるんじゃないでしょうね?」
今の言葉で、その場にいた全員が俺と彼女を見る。俺はどう返したら良いか分からず黙り。彼女の方は、俺を横目でチラリと見ると、頬を染めた。
侑(おいおい、今のは、勘違いを生むだろ!)
内心、突っ込みを入れる俺。部屋がシンと静まり返り、間を置いて、友人達の黄色い悲鳴が響いた。
穂乃果「絵里ちゃん、本当に付き合ってるの!」
ことり「ほわぁ~」
海未「……は、破廉恥です!」
凛「凄いにゃ~!」
花陽「はわわわ……」
にこ「ま…負けた」
真姫「イミワカンナイ」
希「これは面白い事になってきたで~!」
部屋の中が一気に騒がしくなり、俺は、ブチキレた。
侑「……お前ら!うるさい!お前も、変な態度取るな!誤解されるだろ!」
言って、部屋を後にした。
数時間後、畳の上に布団を敷き、俺は、寝る準備をしていた。俺がいるこの家は、彼女の友人の持ち家らしく、部屋数だけでも多い上に、家自体もかなりの広さがある。その友人は、何でもお金持ちだと、他の友人達が言っていた。別荘も日本全国にあるらしい。今日は、彼女を助けたお礼にと、俺とサンダーは一晩泊めさせてくれる事になった。ふと、彼女に言った言葉を思い出し、俺は、彼女の寝ている部屋を訪ねた。
布団の中で、スヤスヤ寝息をたてる彼女。起きている時とは違い、少し幼い少女のあどけなさが見えた気がした。薄暗い部屋で、月明かりだけが、彼女を照らしている。俺は、無意識に彼女の唇を見つめた。プックリと膨らんだ彼女の唇。艶やかな唇が俺を誘惑する。息をする度に上下する胸元に視線が奪われた。気が付けば、生唾を飲み込んでいる俺。手が彼女の方に吸い寄せられた瞬間、彼女が目を覚ます。俺は、素早く手を引っ込めた。
絵里「いつからいたの?」
侑「……今、来た。その…、あのさ」
絵里「何?」
侑「昼間、じゃなくて。夕方の事なんだけど…。」
絵里「…うん」
彼女は真っ直ぐ俺を見る。
侑「あの時は、ちょっと言い過ぎた。」
その言葉に彼女は首を横に振る。
絵里「良いの。本当の事だもの。私、メンバーの事になると、向こう見ずのところがあるから、侑が言った事は間違ってないわ」
絵里は言って微笑む。俺は、赤くなる顔を見られないよう隠した。
絵里「そう言えば」
振り向く俺。
絵里「さっき、寝顔見てたでしょ?」
侑「…え」
絵里「あと、胸も」
侑「…み、見てない!断じて、絶対に」
声が裏返る俺。
絵里「…………エッチ」
絵里の一言に、俺は、耳まで真っ赤に染めた。
やっと、侑が絵里に意識しました。それまでは、まぁ~、気になる程度だったので、ここまでくるのに、大変でした!さてさて、これからどうなる?書いてる自分がドキドキしております!
皆さまの叱咤激励を宜しくお願いします。