れでぃ×ばと?   作:ガラフ

5 / 7
第一話之五

「そなたにぼでーがーどを頼んだのは実に単純な理由じゃ」

 

わかりやすいのはいいことだな

 

で?その理由って?

 

「そなたはこの環境にあってなお『普通』であるように見えたのじゃ」

 

「……は?」

 

いやいやいや、意味が分からないよ?

 

普通って当たり前じゃん

 

「それは彼には上流階級特有の家格に対する隔意のようなものがない……ということでよろしいでしょうか?」

 

あ、そういうことか

 

確かに下手に家格差の恐ろしさ知ってると口きくのも躊躇うとかありそうだしな

 

「そういうことじゃ。妾が何と言おうともそういう部分はなかなか変わらんのでな」

 

最初からそういう意識がない俺をそばに置けば緩衝材として使えるってことか

 

でもさっきの状況と合わなくね?

 

「ボディーガードというのは建前で、実際は緩衝材になってほしい……ということでしょうか?」

 

さっきの状況で何でそんな方向に転がるんだって疑問はあるが……

 

「ぼでーがーどもしてもらうぞ。主にサオリを近づかせんという方向でな」

 

どうやって止めろと?

 

変なところ触ったとかいちゃもんつけられたら嫌だから物理的に止めるのはちょっと……

 

「障害は大きい方が燃えますね?」

 

いやいや四季鏡先輩、こっちに振られても答えようがないっす

 

この人はこの人でやっぱ関わらない方がいい種類の人っぽいな

 

「どうしますか、藤原君?話を聞く限りでは今後の学院生活に大きな影を落とすようなことはないと思いますが」

 

受けても影が落ちないってことなんだろうけどさ

 

断ったら影落ちるよね?

 

間違いなく居心地悪くなるよね?

 

最悪この学院追い出されるまであるよね?

 

「一つ確かめたいことがあります」

 

ぶっちゃけ俺以外でお願いしたい

 

「何じゃ?」

 

「家格の違いに頓着しないという条件なら他の従育科生でもよいのではないでしょうか?」

 

従育科は一般人から公募したんだろ?

 

公的には難しくても私的には友達付き合いできるんじゃないの?

 

「うむ。妾もそう思うておったのじゃがな」

 

駄目だったのか……

 

まあ、華族とか貴族とか言われてもイマイチ凄い気はしないって人でも、王族となると話は別だよな

 

でもその辺は俺もあんまり変わらんと思うんだが

 

「何やら不思議そうにしておるが、そういうところも他の者とは違うぞ?」

 

そうなのか?

 

「藤原君はエストーさんとあまり関わりたくないようですが、その理由というか起因する感情が他の方とは違うということですよ」

 

あー、萎縮して避けるか面倒がって避けるかの違いな

 

「嫌がる相手に無理強いするつもりはないが、妾と仲良くしておればイロイロとお得じゃぞ?」

 

まあそりゃお得だろうな、いろいろと

 

「私も仲良くしてもらいたいですね」

 

「ええい寄るな!キヨヒラ!早速仕事じゃぞ!」

 

えー

 

俺を盾にするの止めてもらえませんかねー

 

二人とも大人しく座ってお茶飲めよ

 

「こんな状況でお茶が飲めるなんて、随分肝が据わっているようですね」

 

何笑ってんだこの野郎

 

こんなんどうしょうもないだろう

 

「何をしてのんびりおるか!」

 

「あらー、見放されてしまいましたねー」

 

これはウザい

 

編入の挨拶前に問題起こすのもどうかと思うが、ここはガツンといっとくか

 

「痛たたた!こら何をするか!」

 

「やかましい!耳元でわーきゃー騒ぐな!」

 

掴みやすい髪形してたからつい掴んじゃったけど、胸倉掴むのとどっちがマシだったかねぇ?

 

「あら、強引なのも嫌いじゃないですよ?」

 

こっちは掴めるものがないから問答無用で胸倉だな

 

胸がでかくて掴みにくいけど……

 

「……アンタも、無駄な面倒を振りまくな」

 

っていうか胸倉掴まれてその反応ってどうなんだ?

 

「ちょっ何をやっているんですか!」

 

まあ止めるよね

 

反応が遅かったのは予想外過ぎてついてこれなかったとかかな?

 

「物わかりの悪い人間は多少の脅しがないと話を聞きませんからね」

 

これは退学コースかな?まあ止めないけど

 

ちょっと勢いつけて突き放して、と

 

「おいピナ、髪引っ張られて怒鳴られた気分はどうだ?」

 

我ながらアホな質問だよな

 

「どうもこうもないわ!妾自慢の髪を粗末に扱いおって!」

 

え、そこ?

 

気にするとこそこなの?

 

「確かに先程の妾の行動は非難されても仕方ないやもしねぬ。しかし、しかしじゃ。髪は女の命!しかもこの長さでこのボリューム!ウィッグではなく地毛なのじゃぞ!」

 

何か語りだしたぞコイツ

 

「アニメキャラによくあるこの髪形じゃが、現実でこれをやるのは大変なんじゃぞ!」

 

知らんわ

 

何なのコイツ

 

思ってた方向とはだいぶ違う方に転がっちゃってるんだけど

 

「いや、もっとこう、……無いの?ねえ?」

 

思わず顔を見合わせちゃうよ

 

やっぱり彩京も同じような顔してるな

 

「髪を掴まれたのは許せんが、ようは友達を怒らせて小突かれたようなものじゃろう?」

 

おいおい、それでいいのか王女様

 

「おーけーわかった。お前はこれからただの友達だ。髪を掴んだりして悪かったな」

 

全然OKじゃないけども

 

「むふっただの友達か。まあ髪は次から気をつけてくれればそれでよい」

 

むふっって何だよむふって

 

彩京が凄い顔になってるぞ

 

まあいいか、もうどうにでもなれだ

 

……だいぶ放置しちゃったけどこっちはどうなっt

 

「何してんだアンタ」

 

俺の見間違いかな?

 

「こりゃサオリ!何をしておるか!」

 

「ボタンが飛んでしまいましたので―」

 

俺のせいか?俺のせいなのか!?

 

でもボタン飛んだだけで下着姿になるのはおかしいよな!?

 

「藤原君、少し外に出ていていただけますか?」

 

あ、はい

 

「そうさせていただきます」

 

そのまま逃げちゃ駄目ですかね?




そこは怒れよ!と思うけど、ピナってこういうのかなり寛容っぽいんだよね

そして沙織は平常運転……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。