雑・音・襲・来
私立天ノ川学園高校。自由な校風が売りのこの学校には、少し前まで不思議な噂があった。
曰く、その学校には怪人がいた。
曰く、人知れずその怪人を倒しては、絆を紡いだ生徒がいた。
その生徒の名は、如月弦太朗。またの名を、
仮面ライダーフォーゼ。
彼は、天ノ川学園を卒業した後、教師となって今もこの学校にいた。
「…っと連絡事項は以上だ。最近、物騒な事件が多いから気をつけるように、それではHR終わり!」
「起立!礼!」
『如月先生(弦ちゃん)さようならー!』
生徒の頃から「宇宙の全てとダチになる」のが信条だった弦太朗は生徒にすぐ打ち解け、親身に寄り添ってくれる、いい先生になっていた。大杉先生も教え子がこんなに立派な先生になってくれて嬉しいと言っていた。
「さて、明日の授業の確認を…」
『何だ!?あのバケモノ!?』
『キャー!!』
突如、生徒の悲鳴が外から聞こえた。
「如月先生!今大丈夫ですか!?」
弦太朗が昔のことを考えていると、大杉先生が血相を変えて駆け込んできた。顔色を見る限り、ただ事ではないのは明らかだ。
「大杉先生!?何があったんですか!?」
「よく分からないバケモノみたいな奴が、校庭に…」
最後まで説明を聞かずに弦太朗は校庭を目指した。弦太朗に言わせれば生徒の安全が第一、と言うか、ダチを見捨てるのは彼の信条に反する。
校庭に出てきた弦太朗が目にしたのは信じ難い光景だった。バケモノが生き物に触れる。すると、そのバケモノと生き物が黒い砂になって崩れ去る。
バケモノは大群で押し寄せており形状も鳥型、人型など様々だった。そのうちの一体が生徒の1人を襲おうとした。
「危ねぇ!!」
弦太朗はその生徒を突き飛ばし、そして、
そのバケモノに触れられた。
その生徒はバケモノの正体を知っている。否、この現在殆どの人類が知っていると言っても過言ではない。
特異指定災害「ノイズ」。触れるだけで有機物をただの炭素に変える恐ろしい存在。故に、彼の行動は大きな波紋を呼ぶ。
「如月先生!!」
その生徒ーー天羽奏もその1人だった。ノイズに生身の人間が触れたが最後、その身体は跡形も無く黒い塵と化す。
(畜生!LiNKERを携帯していれば!!)
奏は現状ノイズに対抗できる唯一の手段、「シンフォギア」の奏者である。しかし、彼女のポテンシャルではLiNKERの補助が無いとそれすら纏えない状況だった。相棒とLiNKERの到着を待ちしだい如月先生の弔い合戦と洒落込むかと思っていたその矢先だった。
「何しやがるこの野郎!!」
死んだ筈の先生の声が聞こえた…?
恐る恐る顔を上げると、そこには
ノイズを素手で殴り飛ばしている弦太朗の姿があった。
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同時刻、特異災害対策機動部二課にて。
「司令!天ノ川学園高校にノイズの反応あり、至急翼さんと奏さんのLiNKERを現地に…」
「え?何これ!?」
研究員の1人である櫻井了子が驚愕の声を上げた。
「ノイズとシンフォギア以外の未知のエネルギーの存在を確認したわ。まさかこれは…」
「なるほど、やはりそうなるのか…。風鳴司令、翼さんにこれを」
もう1人の研究員が司令、風鳴弦十郎にあるものを渡す。それは1つのアタッシュケース、しかも、その研究員がいつも大事そうに持っていた代物だった。
「リーゼントの教師に渡してくれと伝えてください。もしかすると、新たな希望を見れるかも知れません」
「分かった、君を信じるよ。歌星博士」
彼の名は、歌星賢吾。弦太朗が天ノ川学園で知り合った最初のダチであり、彼にフォーゼの力を託した人物である。
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奏は目の前の光景を信じられなかった。生身の人間(の筈)の弦太朗が殴る蹴るの応酬でノイズを退けている。
その間に生徒教師(弦太朗除く)の全避難が完了したが、ノイズを倒す決定打に欠けるのは事実のようだった。
『奏!無事なら応答しろ!』
丁度よく弦十郎のおっちゃんからの通信が入った。
「おっちゃん!今目の前でノイズを素手であしらってるヤツがいるんだがどういう事だ!?」
『落ち着け天羽。今からそれを説明する』
通信から別の男性の声が聞こえた。確か名前は、歌星賢吾博士…だったか?
すると、上空からヘリの音が聞こえ、そして、
「Imyuteus amenohabakiri tron」
天羽々斬の起動聖詠と共に私の相棒、風鳴翼が降りてきた。何やらLiNKERが入ってるだけにしては大きなアタッシュケースを持って。
「歌星博士が、リーゼントの教師にこれを渡せと…」
翼も状況を飲み込めていないようである。まあ、私もだけど。
「如月先生!こっちに!!」
「っ!?何してんだお前ら!?とっとと逃げ…」
すると、弦太朗の顔が驚愕の色を示した。
「天羽!?そのアタッシュケース誰から!?」
「えっ!?歌星賢吾博士からですけど…」
すると、弦太朗はおもむろにアタッシュケースを開く。そこには4つのスロットに右側にレバーがついたベルトのバックルのような機械と六種類のスイッチが入っていた。
「よっしゃ!これなら負ける気はしねえぜ!!」
弦太朗がおもむろにベルトのバックルを腰に当てる。更に4つのスロットにそれぞれ異なるスイッチを装填した。そして、ベルトの右側からスイッチを順番に押していき、
『3』『2』『1』
「変身!!」
物凄い蒸気が辺りを包み、私は目を伏せてしまった。そして、私の目の前には、噂でしか聞いたことがない存在が佇んでいた。
「久し振りに、宇宙キターーーー!!」
宇宙服やロケットを彷彿とさせる白いボディ、そして、赤い複眼、あの姿はまるで、
「奏…?あれは、聖遺物…なのか?」
違う。私は、聞いたことがある。人知れず学校を守っていたヒーロー。天ノ川学園高校のOBが口を揃えてその名前を呼ぶ。そのヒーローの名前は、
「仮面ライダー…」
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「未知のエネルギー、増加。識別可能、名称出ます!」
二課の司令室のモニターにそれの正体があらわになった。
【Forze/Base States】
「フォーゼ…ベース…ステイツ?」
「そうです、櫻井博士。これが私が高校の頃、父が遺したアストロスイッチとフォーゼドライバー、そして彼、如月弦太朗こそが仮面ライダーフォーゼ。シンフォギアに代わるであろうもう1つのノイズ対策です」
シンフォギアの変更点
・翼と奏は同い年。奏は天ノ川学園高校の生徒。
フォーゼの変更点
・弦太朗、人間辞めてる。詳しくは次回。