真剣で私に恋しなさい!S~鳴く少女のマジ恋!~   作:Celtmyth

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 明確なイベントの話ほど、何を書いたらいいかわかりませんでした。他に要因を挙げるとするなら、ヒロインは学年が違うので必然的に競技中の絡みは不明瞭になりました。ごめんなさい。


あらすじ

 院長の話を聞いた後、大和は健美の事を知っているであろう与一に話を聞く。そこで聞いたのは特例として扱われた事と、心無い言葉を向けられた過去の話だった。この話をしたうえで、与一は大和に念を押す。泣かすなと、熱い言葉で伝えた。
 大和はその言葉を迷いなく受け止めるのであった。

 』


第十三話「水上体育祭!!(ただし熱い描写はカットされました)」

 

 

 

 夏だ! 海だ! 競争だ!!

 川神学園名物、水上体育祭の開始だ!!

 

 

 

 

 

「ピッ」

「ああ、頑張って。本当なら少しくらい手を貸したかったけどさすがに学年が違うからね」

「ビッビ」

「そうか。紋白……じゃない紋様が指揮してくれるなら安心だ」

 

 競技開始前、2-Fの大和の所に健美がやってきていた。お互いに川神学園指定のスクール水着、なのだが健美がそれを着るとどことなく似合ってる。たまにワッペンの『健美』が『つぐみ』に見えてしまうくらいに。

 

「そう言えば疑問なんだけど、健美ちゃんは雷を出せるよね。泳ぎとか大丈夫?」

「……ピュイイ」

「ヒュームの爺さんに徹底的に叩き込まれたんだ。よしよし、よく頑張った」

 

 告げて項垂れる健美の頭を慰めるように撫でる大和。すると気持ちいいのか嬉しいのか小動物を思わせる笑顔をしていた。

 

「……飼い主とペットね」

「いや、ブリーダーとペットだ」

「似ているようで違うよね、その二つ」

「え、違うの?」

「わからないなら教えても上げてもいいけど?」

「ヒィ、笑顔が怖い!」

「と言うかよく会話が出来ているな、あいつ」

「うーん、俺もあれくらい出来た方がいいかもな」

 

 そんな二人を2-Fの面々は共通の認識で観ていたのであった。

 

「でもそろそろ競技が始まる。健美ちゃんも自分のクラスに戻った方がいいよ」

「ピ、ピピ」

「ああ、そっちも頑張って」

 

 開始の時間が迫ってきたので二人はここでお別れとなる。しかし健美が大和から少し離れて一度、大きく手を振ってきたので大和も手を振り返した。

 

「ま、こっちもほどほどに頑張るか」

 

 そして大和も水上体育祭に少なからず熱意を持った。

 

 

 

 

 

 

 

〈午前中の競技消化中……〉

 

 

 

 

 

 

 

 そして午前の部終了後。

 

「おっしゃ、俺たち1位だ!」

「脅威のS組がやる気がないからね」

 

 スコアボート兼順位表を見て喜ぶ翔一を卓也が付け加える。そしてそのS組はその通りと言わんばかりにトップ3から外れていた。

 

「うーん、でも張り合いがないと面白くないわね」

「それもそうだがちゃんと勝っているんだ。それは喜ぶべきだろう」

「そだね」

 

 ファミリーの三人娘もおしゃべり程度に不満などを呟く。しかしそれでも勝利している事実には心躍っているようであった。

 その中、大和は自分たちのクラスとは別。1-Sの順位を確認していた。

 

「1位か。頑張ってるみたいだな」

 

 この結果はある意味予想通りだった大和。1-Sには紋白がおり、彼女が指揮を取っているのであるならある意味予想内である。それに健美の活躍も、口伝であったが聞いていた。出場した競技は個人成績トップとして成果を上げた。しかも集団競技においても協力し合っての勝利を得たとも聞いている。いい傾向だった。

 そして大和は午後も気を抜かず采配を決めて行こうとする。午前のS組はやる気がなくそれほど強敵に成り得ていなかったが、午後もそうとは限らない。

 

「一応、午後を警戒して皆の体力は温存させて置いたけどS組が活発になるなら配分を考え直さないとな」

 

 この独走を守るべく午後からのペースを組み立て直し始める。

 と、そんな時だった。

 

「1位でも気を抜いていないな、直江大和」

「えっ?」

 

 後ろからの声に大和はいったん考えを止めて振り返る。そこにいたのはちょうど考えの一つにあった1-Sの、競技を指揮して1位を勝ち取ったであろう九鬼紋白がいた。

 

「紋様」

「ああ、我だ。しかしこうして面と向かって話すのは初めてだな。学園では挨拶程度だったし」

「それはすみません」

「気にするな。それに我は礼を言いにきたのだ」

「お礼?」

「健美の事だ」

 

 その名前を聞いて大和は更に意識が高まり、しかし紋白の言葉を待った。

 

「お前のおかげで健美は随分と皆と打ち解けた。別に嫌われた訳ではないのだが、いかんせん動物を愛でるような形でな。良くも悪くも浮いていたのだ」

「はい、それについては知っていまいした。でも今はもう違うのでしょう?」

「ああ。まだ言葉がわかるものはおらぬが、ほぼ対等と言う関係を築いている。少しずつ皆から認められ、頼られてきている。英雄の道を一歩一歩進んでいるぞ」

「それは良かった」

 

 心の底から嬉しいと思える事だった。自分の目が届いていない時はどんな風に振る舞い、それを他人はどう認識しているのか少し気になっていたのでこの話を聞けただけでこれまでの事が報われる。

 しかし大和はその嬉しさと同時、紋白に聞きたいことがあった。

 

「紋様、一つだけ聞いてもいいですか?」

「ん、なんだ?」

「紋様は健美ちゃんのオリジナルがどんな物であっても庇ってくれますか?」

 

 遠慮なく答えると紋白は表情を険しくした。そして数秒の沈黙、彼女は堂々と答えた。

 

「健美のオリジナルは父上を含め、マープルと言った武士道プランの責任者たちしか知らされておらぬゆえ、我も知らぬ。が、我は健美のオリジナルが何であれ応援する。英雄になれるその日まで」

 

 紋白の言葉は王者のようでありながら、友のように熱い思いのあるものだった。それは、同じような思いを抱いていた大和にとって2度目の嬉しいものだった。

 

「……俺はこれからも健美ちゃんに協力します。でももし何かあったら、力を貸してください」

「ああ、もちろんだ。むしろこちらから頼む」

 

 大和は思わず、無意識に口にした申し出であったが紋白は一切の『拒み』を持たずに承った。

 今さらながらこの二人の会話は紋白に付き添っているヒュームとクライディオの二人に聞かれていることだろう。しかしその二人が干渉してこない今の状態は黙認していることだろう。

 

「そろそろ時間だ。我は行く」

「はい。お互い、午後も頑張りましょう」

「うむ。それではな」

 

 踵を返して紋白は去って行く。が、数歩ほど移動した後で彼女はまた振り返った。

 

「それと先ほど、兄上たちを激励に入ってきた。午後は気を引き締めて臨んだ方が良いぞ」

「そうですか。肝に銘じます」

 

 その後に紋白は再び踵を返して1-Sに戻っていった。

 

「……さて、これは気が抜けないな」

 

 激戦となる午後の競技に想い耽りながら、大和は改めて作戦を練り始めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして午後はS組も本気を出し、F組はそれに対抗するかのように競い合った。

 

 激戦に次ぐ激戦の果て、結果は3年・1年のトップはS組。2年はF組がトップをキープしつつ、S組は3位と言う快進撃を見せた体育祭となった。

 




 まずはじめに、ごめんなさい。体育祭なのに競技の描写がなく、『紋白とつながりができた瞬間』
と言った話でした。熱い戦いを期待してました皆様には申し訳ございません。これから精進いたします。

 それでは次回もどうかお願いします。
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