真剣で私に恋しなさい!S~鳴く少女のマジ恋!~   作:Celtmyth

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 どうも、衝動で始めたこの作品ですが頑張ってやってます。

 正直、前書きは苦手ですのでここはあいさつ程度の文と前回の簡単なあらすじを書くことにします。
 なので前回のあらすじ

『遠い昔からの手紙により、夜響健美と言うクローンが誕生した。他のクローンたちと育った彼女は川神学園へと転校することとなった』

 以上。それでは『鳴く少女のマジ恋!』、始まります。


第一話「武士道プラン、始動」

 

 

 週明けの川神学園。今日は全校集会で生徒たち全員が校庭にいた。いつもなら学長ある川神鉄心の話を聞かされるのだが、本日は違う。

 この学園に九鬼財閥の『武士道プラン』の申し子たちが転入する日なのだ。

 『武士道プラン』とは偉人たちのクローンによって現代に甦らせ、それにより更なる刺激を世界に与える計画であり、その先駆けとしてのクローンたちが川神学園に転入することとなったのだ。

 その一端を直江大和は先日の東西交流戦で出会った源義経で触れ、そして今朝のニュースでその詳細を知ったのだった。そして更に鉄心の説明でクローンたちを含めて7人の転入生となる事も。

 そして紹介は3年の葉桜清楚、2年の源義経と武蔵坊弁慶(※那須与一はボイコット)、そして1年の九鬼紋白とヒューム・ヘルシング(※この人は特別枠)が順に挨拶をする。しかしこの順番によりほとんどの生徒がこう考えていた。

 

(最後のクローンはどうしたんだ?)

 

 3年、2年とクローンたちが自己紹介し、どちらの学年も最後の1人が現れなかったので必然的に1年に転入することがわかる。流れとして最後の1人が現れると思われたが、実際には紋白とヒュームが現れた。

 多くの生徒たちは与一のようにボイコットしたのか、逆に特別扱いされる理由でもあるのかと考えていた。

 そんな思考がある中、自己紹介を終えた紋白がその答えを告げた。

 

[さて。そろそろ気になっておることだろう、最後のクローンについて伝えるぞ]

 

 皆の意識が紋白の声に傾く。ここまで焦らされたので誰もが興味津々であった。

 

[最後のクローンは我らと同じく1-Sに転入する。ただ少々性格に難があってな。例えるなら動物のように無邪気で自由奔放なのだ]

「ん、俺みたいな奴か?」

「そりゃあキャップは自由だしね」

 

 キャップこと風間翔一がそれを聞いて笑うと師岡卓也が納得する。

 

[今朝もどこかに姿を眩ませてしまったが、今日の事は伝えている。これも動物のように素直に守ってくれる。今こそ遅れてしまったがちゃんと学園には現れるゆえ、それまで――]

 

 どうやら紋白は最後の1人が皆から悪い印象を与えられない様に今ここで事情や敬意を正直に伝えるつもりのようだ。生徒たちもその真摯さは伝わったようでそれほど不快感はなかった。

 その中の1人でもある大和は最初から不快感は抱かず、逆にどんなクローンなのかを考えていた。

 

(動物のような英雄のクローン。いくつか当てはまりそうなのはいるけど、それだけじゃわからないか)

 

 『動物のような』と言う事で清楚のような文化人タイプではなく、義経たちのような武人タイプであることは予想できたが、それで個人を特定するには情報が少ない。とりあえずその一つだけである程度は絞り込もうと無意識に頭を下に向けた。

 

 

 

 するとその先に、自分を真正面から見る少女と目が合った。

 

 

 

「うわぁっ!?」

 

 思わず大和は声を挙げ、それが皆の注目を集めた。

 

「えっ、誰!?」

「と言うかいつの間に!?」

 

 京と一子も少女を見て驚くが、少女は気にせず大和だけを見ている。まるで興味を抱いた動物のように、真っ直ぐな目だった。

 

[あっ、健美!!]

「……ピュウ」

 

 皆と同じくこっちに目を向けた紋白が声を挙げると目の前にいる少女――健美は鳥のような声を出しながら彼女の方を向く。その直後、健美は紋白のとなりに移動した。ヒュームにぶら下げられた姿で。

 

[ほれ、マイクだ。ちゃんとあいさつをするのだぞ]

 

 紋白がマイクを健美に渡し、そのまま後ろに下がる。ヒュームも共に下がったので檀上には健美だけが残された。

 対する生徒たちはようやく登場した最後のクローン、健美に注目していた。そんな多くの視線中で健美は怖じけず、そして気にせずに口を開いた。

 

[やきょう、つぐみ。ふだんは、あまりしゃべらない。よろしく]

 

 それだけを伝え、腰を曲げて深々と頭を下げた。そのしゃべり方やお辞儀から見て先ほどの面々と比べ、健美は『幼い』の印象を与えた。そして顔を上げると一方的に告げる。

 

[しつもんは、こんど。でも、いっておきたいこと、いう]

 

 これで他の面々と違って質疑応答をする気はないと生徒たちに伝わったと同時、何を宣言するのかと意識する。そして生徒たちはその宣言を聞いた。

 

[ぶじんに、えいゆうに、なる]

 

 それは生徒たちに疑問を残させるものだった。しかし健美はその疑問に答える事も、その素振りを見せる事なく退場してしまった。

 

 

 

「まったく、あまり心配をかけるではないぞ」

「ピュウ」

 

 挨拶を終え、臨時集会が解散になるとクローンたちはそれぞれの教室に向かっていた。健美もクラスメートになる紋白、ヒュームと共に教室に向かっていた。

 

「それにあんな挨拶では皆に不信感を与えてしまうぞ。まぁお前が質問を今度にした事やクラウディオのフォローで何とかなったがな」

「ヒュウ……」

 

 健美は紋白が悩ましい表情をしているのを見て申し訳なさそうに落ち込んだ。その連鎖反応として獣耳の髪型が垂れ下がった。

 

「ああ、すまん。責めている訳ではないのだ。次からはしっかりすればよいのだ」

「……ピ」

 

 しかしすぐに元気を取り戻し、髪型も元通りになる。原理が気になる所だった。

 

「紋様、そろそろ教室に到着いたします」

「そうか。では共に頑張ろうぞ。ヒューム、健美」

「はい」

「ピュイ」

 

 何はともあれ、川神学園に新たな風が吹き始める。

 

 

 その先に健美が英雄になれるのか、それはまだわからない。しかし彼女は、そのきっかけをすでに掴んでいた。

 




 今回のお話はどうでしたでしょうか? 正直、健美のキャラはどこか薄いので他のキャラに負けしている気がして、彼女の立ち回りがすごく大変です。それでも彼女の魅力を引き出したいと頑張ってます。

 そして第一話を投稿しましたので健美の設定も一緒に投稿しています。まだ正体は明かせませんが、現時点での彼女の性格や立場が伝われば幸いです。

 それではまた次回にお会いしましょう。
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