真剣で私に恋しなさい!S~鳴く少女のマジ恋!~   作:Celtmyth

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投稿です。自分としてはここまで来たな、の感想ヒトことです。ではどうぞ。




あらすじ

 鵺として本性をさらした健美。多くの者たちがその正体に驚く中、百代はただ戦いたくて仕方がなかった。
 そして二人の決闘は始まった。そして主導権は健美が取る予想外の展開、そして負けず劣らずの派手な戦い。互いに攻め、魅せて、戦う。しかし流れは百代へ傾き、決着は予想通りとなろうとした。
 しかし終わらなかった。二人が上空に飛んですぐに燕が復帰し、そして健美が瞬間回復を封じる。タッグの二人がはさむように大技を放った。
 その後に倒れていたのは、武神・百代だった。 



最終話「お世話します」

 

 ――武神・川神百代の敗北。

 

 

 

 この一報は瞬く間に世界中に広がり、人々の心を惹きつけた。

 

 曰く、あの武神が本当に負けたのか? と。

 曰く、その戦いはいったいどんなものだったんだ? と。

 曰く、いったいどこの誰が倒したのだ? と。

 曰く、倒した者はいったい何者だったのか? と。

 

 広がりすぎた故にその真実は極一部にしか成り得ない――そう思われたがそれはあっけなく知れ渡った。

 それは一人ではなく二人。しかもまだ学生と言う若い者たち。一人は川神学園三年の納豆小町・松永燕と川神学園一年にして武士道クローンの夜響健美。二人はこの時、全世界の注目を集めていた。

 

 

 

 

 

 そしてヒーローインタビュー。そこに健美の姿はなかった。

 

 

 

 

 

「義経、そっちは?」

『心当たりを探してはみたが見つからない。いったいどこに行ったんだ』

 

 大和は源氏組の義経と連絡を取りつつ健美の行方を捜していたが見つからない。まさに神出鬼没の鵺のようだった。

 

『本当にどこに行ったんだ……。やっぱり、ずっと付き添っていれば』

「義経が責任を感じる事じゃないよ。とにかくこの後も」

『ああ、任せてくれ』

 

 ここで電話の通話を切る。そして大和はここ、川神学園正門前で空を見上げる。こうなった経緯は言ったってシンプルだった。

 試合終了直後、燕はともかく健美は全身全霊で戦った為にダウン。すぐに義経たちの付き添いの下、医務室に運ばれたのだが目を離した隙に姿を眩ませたのだ。その理由は不明であり、捜索と言う現在に至る。ちなみに捜索には風間ファミリーにも手伝ってもらっており、その理由は敗北した百代が思いのほか前向きに立ち直った為に慰める時間が無くなった為である。

 

「従者部隊の人たちでも見つけられていないって言うし……」

 

 健美は武士道クローンである為、九鬼の従者部隊だって捜索に参加している。しかしそれでも見つからないと言う事はそれだけの隠れ蓑を持っていると言う事。大和が特にその確信を得ているのは忍者のあずみ、そして風間ファミリーの由紀恵でされ見つけ出せていない事実からだ。

 

「さすがは鵺、って事なのかな?」

 

 鵺は黒雲に身を隠し、夜な夜な鳴いていたと言う。そんな逸話が関係しているかわからないが健美は間違いなく隠密の心得がある。思えば最初はよくいつの間にか大和の目の前にいたのが懐かしい。

 懐かしむのはここまで。気配で見つけられない以上、心当たりを回ってその姿を目で見つけるしか他ないが芳しい報告は上がっていない。義経たちの話から健美は自分のテリトリーからはあまり出る事はないらしく、長浜もしくは川神にいる事は間違いなくいるらしい。

 大和は考える。自分が知る限りで健美が行きそうな場所に。正体を晒した後で行きそうな場所。

 

「……待てよ」

 

 すると大和の中に、ある“心当たり”が浮かんだ。

 

 

 

 

 

 

 大和は浮かんだ“心当たり”を目指して走った。その場所が浮かんだのは幸運と言えるだろう。何せその場所は何もない場所。過ごした時間もそんなにない。でもそこはある出来事があった場所。

 

「―――ここにいたんだね、健美ちゃん」

 

 大和がやってきた場所はタッグトーナメント前日、ヒュームが襲い掛かってきた場所。その場所に健美はいた。よく見てみれば彼女の周りには野良や野生の動物たちがいる。軽く戯れていたのだろう。それが風景との一体感を醸し出しており、これもまた見つからなかった一因なのだろう。

 

「ヒュウ」

 

 大和が来た事で健美が返事をした。しかしほのぼのとしたその姿とは反し、彼女はどこか寂しげだった。

 

「隣、いい?」

 

 返事はなかったが健美は自分の隣をポンポンと叩く。むしろ歓迎と言っているようだった。

 大和はお言葉(ジェスチャー?)に甘えて腰を下ろす。この瞬間で健美に集まっていた動物たちが散っていく。健美は気にした様子はないが大和はちょっどだ残念だった。

 と、のんびりした話題はここまでにして大和は躊躇わず本題を切り出した。

 

「なんで黙っていなくなったりしたんだ? みんな健美ちゃんを心配したんだよ」

「……ピィ」

「考えてったって、何を?」

「ピピ」

「これからの事を?」

 

 この言葉で大和が思い当たる物と言えば健美の正体が知れ渡った後、世間はどう見るかと言う事だが、それは違うと否定する。健美は決めたなら貫く子だ。今回の事も中傷覚悟で晒している筈。ならどんな『これからの事』を考えているのだろうか。

 

「これから、どうしようか」

 

 大和が答えを出そうと悩んでいるところに健美が言葉でそう告げた。その直接的な言葉でわからない大和ではない。

 

「もしかして、次の目標で悩んでる」

「ピ」

「でも健美ちゃんの目標って英雄になる事だよね?」

 

 大和が言うと健美はポケットからケータイを取り出し、軽く操作するとその画面を大和に見せる。

 

『これは十回に一回の勝利です。次に勝負したら勝てないでしょう。それにこの試合では健美ちゃんて言う相棒がいてくれたから勝てたんです』

 

 それは今日、それも先ほどと言えるくらいにあった試合後のヒーローインタビューの動画だった。映って言えるのはもちろん燕で、そしてこの後に何を言っていたのかもわかっていた。燕はこの後から健美の実力と人柄、そして鵺と言うオリジナルでありながら英雄として賞賛すべき言葉が並べられたのだ。それはまるで庇うかのように、それはまるで宗教家の言葉のように。

 と、健美は動画の途中で停止させた。

 

「あとは、すすむだけ」

 

 健美は武神を倒した事実から、この時点から英雄としての証明を得たのだ。むしろこの試合で認めない人間などいるのかと言いたいくらいだ。武神を倒したなら、その実力は認める物だ。

 つまり大和の言った『英雄になる』はほとんど達成したような物だった。ならそれで行き着く答えは。

 

「これからどんな何を目指していけばいいのかわからないの?」

 

 その言葉に健美は頷いた。健美はこれから英雄として見られる。それは健美がこれまでの歩みを終えた事。ならその先は、暗く何も見えていない状態だ。だから健美は一人で出て行ったのだ。目標が叶って、しかしこれからどうすればいいのかわからない不安から。

 何とかしてあげたい、と大和は思った。そう思ったが、彼はある疑問を持っていた。それはここに来るまでに抱いていた疑問で、健美の話を聞いてより大きくなったそれを。

 

「だったら健美ちゃん、なんでここに来たの?」

「……ここ?」

「だってここは……」

 

 そこまで言って言葉を濁すが、当たり前の事だ。なにせここはヒュームに襲われた意外に、燕に正体を看破された場所であり、そして何より大和が熱い宣言をした場所。

 

「……ヒュウ」

 

 そして健美は大和が言葉を濁した事でその事を思い出した。しかしこの様子を見る限り、この場所には無意識に来たようだった。しかし自覚したならその理由は単純だ。

 

「やまと、かんがえてた。すると、ここだった」

 

 それがここにいた理由。無意識に、そして大和の事を考えてここに来た。

 それを聞いて大和は顔が熱くなる感覚を得た。それは自分の気持ちを自覚した証拠でもあった。

 

「……健美ちゃん」

「ピュイ?」

 

 自覚して、そしてその気持ちは歯止めがきかなくなった。なら前に進むしかない。顔は合わせずとも、言葉は伝えた。

 

「何ならさ、俺とずっと一緒にいない?」

「いっしょ?」

「そう。学園生活や今までの協力だけじゃなくて何気ない日も卒業した後も……ああもう、これは俺らしくない。――――夜響健美」

「ピ?」

 

 

 

 

 

 

 

「俺の恋人になって下さいっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 告白の言葉は面と向かって、そして健美の肩を掴んでまでまっすぐに伝えた。

 そして長い沈黙。大和は目を閉じて健美の返事をただひたすら待っていたが何も反応がないので目を開けた。そして見たのは変わらぬ健美の表情―――ではなく、ニホンザルのように真っ赤な顔だった。

 

「えっ、と……」

 

 大和も今までにない反応でどう声をかけるべきか困ってしまう。しかし徐々に健美の顔の色が戻っていくと恐る恐る両頬に手を当てられる。

 

「ほん、と?」

 

 確認の言葉で、まるで信じられないと言わんばかりの問いだった。それに大和は迷わず答える。

 

「本当」

「ほんと?」

「本当の本当」

「ほんきの?」

「本気で、真剣(マジ)だよ」

 

 健美にしては珍しいほど饒舌で、疑り深く尋ねてきたが大和は自分の気持ちを伝える。そしてまたしばらく沈黙が続くと、健美が大和の手を離して抱き付いた。

 

「おっと」

 

 突然の抱擁に驚きはしたがそれでもしっかりと受け止め、優しく抱きしめる。

 

「……はなさない」

「それはこっちの台詞だよ」

 

 軽く返すと健美の腕が少し力強くなるのが感じる。

 

 出会ってまだ長くはない二人。しかし時間は関係はない。互いに真剣であることは変わりようがない。

 そして二人はこれから先、一緒に―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ピ」

「ん、どうか―――」

 

 健美が『あっ』と言ったので大和が声をかけようとした瞬間、彼女の体が爆発するように放電した。

 

「どわっ!?――――って、しびれない?」

 

 直接触れてるにも関わらず大和に何の痛みも感じない。見た目だけの激しさ。しかし、抱き合う感触が徐々に狭くなっていく感覚があった。

 そして放電が治まると―――

 

「…………え?」

「………ぴゅう」

 

 大和の腕の中に、獣人系ロリが納まっていた。

 

「誰!?」

 

 思わず叫んだ大和だったがよく見るとロリの姿はすごく見覚えがあった。

 尖った頭の耳。所どこの獣毛は猿・狸・虎模様、しかも蛇の尻尾付き。何よりトップだけの川神学園指定の制服。つまりこの子は

 

「健美なのっ!?」

「ひゅう」

 

 驚く大和に対し、ロリ獣化した健美は見た目相応の可愛らしさで返事をしたのだった。

 

 

 これが『妖獣雷来』を使った副作用であることを知るのはこの時から30分後の事である。

 

 

 

 なんだかんだ、大和は珍妙な恋人と一緒になるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    ※『健美との未来』が解放されました。

 

 

 

    ※新ルート、『弓腰少女のマジ恋!!』が解放されました。

 

 

 

 

 




 以上、夜夜健美こと『鳴く少女のマジ恋!!』√はここまで。イチャラブな『未来編』が始まり、以前に期間限定で投稿した『弓腰少女のマジ恋!!』始まります!!
 次の話も読んでくれればうれしいです!!」


 では!!


 追伸

 健美が若返った=雷に打たれると若返ったネタ

 生えた獣の部分=鉄心の技に似たもの。気が無意識に形作っている。
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