真剣で私に恋しなさい!S~鳴く少女のマジ恋!~   作:Celtmyth

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こんばんは、第二話の投稿です。
それでは前回のあらすじ

「武士道プランが始動し、川神学園には英雄たちのクローンがやってくる。クローンは全員で五名。しかし一年に転入する最後の一人がまだ現れず、紋白が彼女の事を伝える。
 大和はそれを聞きながらどんな英雄なのか予想してると、目の前のそのクローンが自分のことを見つめていた。その直後、改めて生徒の前であいさつをする。彼女が告げたのは、『英雄になる』と言うものだった」

それでは第二話、始まりです。


第二話「2-Sでご挨拶」

 ~~~時間は飛んで放課後~~~

 

 大和たちは義経たちが転入した日の放課後。彼女たちと改めて挨拶する為に2-Sへと訪れていた。そこで義経、弁慶、与一と人となりを知る事が出来た。

 そして今、弁慶に怒られそうになった与一が逃げ出した! しかし榊原小雪に回り込まれてしまい、結局は捕まってしまった!

 

「与一、ちょっと頭冷やそうか」

「う、うおあああああっ――――――――――――――!!!!!」

 

 与一は窓から教室の外へ投げ飛ばされ、ザッパーンと言う着水音がプールに投げ込まれたことを示唆していた。そして彼を心配した義経は手拭いを持って走って行った。

 弁慶が片手で見せたその光景は大和たちと2-Sの面々にその怪力の凄さを見せつける事にもなった。

 

「よっしつねちゃーん、たったかおーう☆」

 

 そんな時に武神・川神百代が上機嫌に決闘の申し込みに現れた。しかし残念ながら義経は先ほど教室から出ていってしまったところだった。

 

「ああ、武神だね。悪いけど主はいま不在だよ」

「じゃあ弁慶、お前が私と戦ってくれ」

「メンドーだからやめとく」

「え~、や~ろ~う~よ~」

 

 義経がいないから弁慶としたが断られてしまい、百代は子供のように駄々を捏ねた。

 

(さすがにこのままはマズイかな)

 

 その様子を見ていた大和はこの状態を放っておくと面倒な事が起きると考え、何らかの手を打とうと考えた。そしてそれはどういった手にしようかと顔を上げると、

 

 

 

 

 

 

 少女が天井逆立ちで自分を見上げていた。

 

 

 

 

 

 

「ぶっ!?」

 

 二度目は噴き出す反応だった。それに気付いて風間ファミリーの皆も上を見上げ、そして一人残らず驚いたのだった。

 

「ああ健美、来てたのか」

 

 弁慶はこの奇天烈な事態に驚かず、ただ普通に気付く。その後に健美は天井から降りて彼女に抱き着く。

 

「ピ」

「おー、よしよし。お前は相変わらずだな」

 

 弁慶は健美の頭を撫でながら愛でる。姉妹愛、と言うよりペットと戯れているような光景だった。

 

「来てるなら都合が良いな。健美ちゃん、私と――」

「はい、失礼しますよ川神百代さま」

 

 健美の出現に百代が決闘を仕掛けようとするとクラウディオ・ネエロが割って入った。

 

「クラウ爺、いたなら早く出ておいてくれよ」

「申し訳ございません。健美さまがおかしな事をしないか見張っていましたもので」

「それはご苦労。じゃああとはよろしく」

「お任せください。――それで百代さま、義経様たちに決闘を申し込む際に提案があるのですが」

「なんですかそれ? まぁ聞きますけど」

 

 そのまま二人は話し合いをする為、皆とは少し離れた場所に移動する。これだけで色々な物が治まった。その後、改めて風間ファミリーの面々は健美に注目したのだった。

 

「こんにちは。ワタシ、川神一子」

「……つぐみ。やきょう、つぐみ」

 

 一子が名乗ると健美は抱き付いたままそれに返事をする。しかしその反応は動物的と言うか、どこか人間味が欠けた物だった。その後に他の皆も自己紹介をする。その中で健美は大和をジッと見つめており、それに京は更なるライバルを予感していた。

 

「で、早速で悪いんだけどお前って何の英雄なんだ」

「早速過ぎるよ、それ」

 

 卓也はいつも通りツッコミを入れるが彼を含め、その質問は皆も気になるものだった。健美は清楚と同じく歴史上にない名前を名乗っている。理由があっての事だろうが、それでも正体を伝えられている可能性はあった。

 

「残念だけど、健美は答えないよ。それに健美は英雄じゃないんだよ」

 

 しかしそれを弁慶が否定し、そして意味深な事を告げた。

 

「へ、なんで? てか英雄じゃないって?」

「そのまんまだよ。正確には英雄じゃないモノのクローン。それが健美なのさ」

「えっと、もしかして『歴史上では英雄として扱われていない人物』ってことか?」

「察しがいいね。その通りだよ、直江大和」

 

 理由が的中し、大和は弁慶から褒められた。他にもいくつかの理由を思いついていたが、先ほどの情報で今の答えが出ただけであるが、当てた事は内心嬉しかった。そしてこれで大和は朝に健美が言っていた事も理解できた。

 

「つまり朝の『英雄になる』って言うのは、そのオリジナルが英雄になれなかったから自分がそれを果たすってことなのか?」

「正解。私から説明しなくて助かるよ」

「よくわかるな、大和」

「まぁ得た情報から一番の可能性を言ってるだけさ」

 

 大和は謙虚に言っているが、内心では結構自慢げにしていた。と、そんな彼の制服の端を誰かが引っ張った。

 

「ん?」

 

 大和が引っ張られた所に目を向けるとそこにはいつの間にか弁慶から離れ、自分の制服を掴む健美がいた。

 

「えっと、なに?」

 

 用があるのかと尋ねてみるが健美は答えず、ただ大和を見つめていた。

 

「ああ、それは懐かれてるんだよ」

「懐かれてる? それはどういうことなんだ?」

 

 思わずクリスことクリスティアーネ・フリードリヒが尋ねる。

 弁慶はその質問に答える前に一度、川神水を一献。その後に懐かれていると言う意味を答える。

 

「健美は本能的に相手が自分にとっていい存在か悪い存在かを感じ取る。恐らく直江大和には自分にとっていい存在だって認識してるのさ」

「大和が普段からワン子を躾けてるからか?」

 

 思わず島津岳人が冗談交じりで答えたが、ある意味で納得できるものだったので誰1人否定しなかった。

 

「まぁ何にせよ健美が直江大和に懐いたならこれからよろしくって事で」

「まぁ悪い気はしないけど」

 

 大和としてはクローンたちと仲良くしておきたいと考えていたのでむしろ好都合でもあった。そう思って自分より身長が低い健美を見下ろして観察する。彼女は何も言わず、黙って自分を見上げている。

 ……可愛いと思うと同時、ワン子のように躾けたいSっ気にかられた。

 それと同時に京は健美を完全にライバルだと認識して油断しないと心に決めた。

 

「お前らー。私を差し置いて盛り上がるんじゃなーい」

 

 と、ここでクラウディオと話していた百代が戻っていた。彼女が来た方向を見ているとクラウディの姿はなく、すでにこの教室から退出したようだった。

 

「お姉さま。何の話だったの?」

「義経ちゃんたちに挑戦者する奴らの選別を任された」

「ああ、なるほど。だから姉さん、そんなにウキウキなんだ」

「そりゃあ戦いを提供して貰っているからな。ただ選別は外部からの挑戦者だ。川神学園の生徒なら普通に申し込んでいいらしい」

「ホント!」

 

 一子が川神学園の生徒優先で挑戦できると知って興奮していた。クリスも同じようであり、その瞳には闘志が宿っていた。

 

「それよりも弟、私が話している間に健美ちゃんと親しくなったみたいだな」

「いや、どちらかと言うと懐かれてる方だけど」

「じゃあ私も愛でる権利はあるな」

 

 百代はそう言いながら近づき、そのまま健美を捕まえようとした。

 しかし健美はそれをスッと避けた。

 

「ん?」

 

 なんで? と言わんばかりに呆けた顔をする百代だったがまた捕まえようとする。しかしまた避けられてしまう。

 しかし諦めず三度目。これもまた避けられる。

 

「ああ、それ。きっと本能的に危ないと思ってるからから避けてるんだよ。特に良からぬ事を考えている相手に多いかな」

「へ?」

 

 弁慶が避ける理由を口にして百代が呆けると、健美はコクリと頷いたのだった。

 どこか気まずい空気が漂う。そして風間ファミリーは何とコメントしたらいいかわからず沈黙する。

 

「……よーし、弟を弄ろう」

「ってなんで俺!?」

「だって健美ちゃん、お前に懐いて私は避けるだろ。だからこれは正統なる報復だ」

「理不尽だ!」

「そんな言葉に対する聞く耳は持ち合わせてないな!」

 

 大和はそのままとばっちりを受け、百代が満足するまで弄られてしまうのだった。

 

「……ピィ」

 

 そんな二人を健美は「大和を助けたいけど百代がいるから行けない」と板挟みになり、ただ眺めているしかしなかったのでした。

 




 今回はプロフィール通りの場面でしたね。健美は撫でられるのとか好きですが、セクハラ的なのはNGです。彼女と触れ合い時は下心なしでね。
 
 ちなみに健美が天井に張り付いていた原理は雷で磁気を起こし、その力で自分の体を建物内の金属に引き寄せてできた芸当です。
 
 それでは次回もお楽しみにしてください。
 
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