真剣で私に恋しなさい!S~鳴く少女のマジ恋!~   作:Celtmyth

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 投稿です。内容は少し薄味かもしれませんが、どうか見ていってください。


あらすじ
『川神学園に新たな刺激が現れた。それは転校生、松永燕の登場だった。朝にて百代とやり合えた彼女はすでに学園で話題となった。
 そんな彼女が大和と健美と接触。小悪魔的に大和と会話する彼女だったが、健美が警戒したことで退散する。そして去った後、彼女はすでに健美の正体に感づいたようだった』


第七話「小さな活躍」

 

 

 

 義経たちの歓迎会の準備は滞りなく進んだ。多くの生徒たちが積極的に手伝ってくれた事もあるが、その皆に的確な指示を出していた大和のおかげとも言える。

 そして今日、その歓迎会の日となった。ただし、トラブルもあった。

 

 

 

「与一が参加したくないって?」

 

 弁慶からのメールで事態を知った大和は会場を抜け出し、義経たちと合流していた。

 

「すまない。何とか来てくれと頼んだんだが」

「それをあいつは無視して……。やっぱり殴ってでも連れてくるか」

「いや、それはダメだ。今回は三人が主賓なんだから一人でも機嫌が悪いと台無しになる」

 

 指をバキバキと鳴らして今にでもとっちめに行きそうな弁慶を諌め、大和はどうするべきか思案する。

 

「じゃあどうするんだ?」

 

 急かすように弁慶が代案を求める。義経の方は自身の不甲斐なさで少々落ち込んでいる状態だった。

 もうすぐ歓迎会が始まる。その時間が一刻一刻と迫る状況の中、大和は覚悟を決めた。

 

「俺が説得してみる」

「お前が?」

「ああ、だから少し待ってくれ」

 

 時間もない事もあって大和は返事も聞かず与一の所へ向かった。

 

「行ってしまった……」

「そうだね」

 

 大和に賭けてみるしかない。二人は同じことを考えて待つことにした。

 

 

 

 ――その事に意識していた為か、窓の外に映った影を見逃してしまった。

 

 

 

 

 

 与一の説得を買って出た大和は屋上にて彼と対面していた。

 

「よぉ、与一」

「……直江大和か。確かお前、歓迎会の幹事だったな。説教でもしに来たか?」

 

 どうやら歓迎会についてはある程度把握していたようであり、大和が来た理由もすぐに理解していた。なら話は早いと、大和は説得に入った。

 

「説教じゃなくて説得だ。でないと弁慶にボコられるぞ」

「グッ……。だ、だがそんなことで俺は曲げねぇぞ。うん」

 

 体を震わせながら、芯のある事を言う。本人がいたら有無言わさずボコられそうだが。

 

「とりあえず、与一。素直に歓迎会に出てくれ」

 

 そこに大和が脈絡もなく、ストレートに参加を願いでいた。すると与一の体から震えがなくなり、弁慶の名前を出す前の状態に戻った。

 

「ハッ、偽善だな。正直に言ったらどうだ? 内申が欲しいだけだって」

「うんそうだよ」

 

 あっさり認めた。

 

「……素直じゃねぇか」

「誤魔化しても仕方がないからな。ただ勘違いしてくれ。俺は後輩の力になりたいだけなんだ。ただそれで下心がゼロって訳じゃない」

「いいな。見返りもなしに名前もしならい奴の為に頑張るなんて理解できねぇからな。俺が理解できるのはこっちだ」

 

 与一が見せたのは彼の携帯電話。しかも現在進行でイジっている。

 

「ネットか?」

「ああ。ネットはいい。学校の授業よりも掲示板の情報が役に立つ」

「俺もやってる。ハンドルネームは?」

堕天使ノ翼(ルシュファーズハンマー)だ」

 

 その名前に大和は確かな刺激を古傷から感じた。

 

(最初からわかっていたが……コイツは昔の俺並だ……!)

 

 羞恥とトラウマが大和を攻め立てる。しかしだからこそ与一を説得できる確証もあった。過去と現在の葛藤。しかしそれも一瞬だった。

 

(やるしか、ない!!)

 

 覚悟を決めた大和はすぐにスイッチを入れ――

 

 

 

 ようとして先に健美の姿を目撃した。

 

 

 

 

「ピュ」

「ん?」

 

 相変わらずの鳴き声を聞いて与一も彼女の存在に気付く。大和は中二スイッチを入れそこなった為に一時フリーズしており、数秒かけて再起動する。

 

「えっと、健美ちゃんも来たんだ」

「ピッ」

 

 返事をすると健美はある方向――階段ではなくフェンス――を指差した。大和はそれが何か読み取れず首を傾げるが、与一の方は合点が言ってそれを口にする。

 

「また壁に張り付いて登ってきたのか」

 

 それを聞いて大和も理解した。以前、健美が2-Sの教室の天井に張り付いた原理を尋ねており、今回もその方法で登ってきたのだ。その原理とは雷変換を磁力のように応用し、それを建物内の鉄骨に引きよせてくっついたと言うもの。本人曰く『5段階目の技』らしい。

 

「お前の歓迎会に参加しろってか?」

 

 与一が尋ねると健美はコクリと頷いた。

 

「……いや、お前の頼みでも聞けねぇな。だから」

「ピピ」

「何、『準備頑張った』?」

「ピッピ」

「『少しだけ料理手伝った』?」

 

 与一が健美の言いたい事と口にして復唱しながら会話する。それを見ていた大和は「相変わらず言っていることがよくわかるな」と改めて思った。

 そしてしばらく二人が会話をしていると与一が立ち上がった。

 

「与一?」

「お前、色々と健美の面倒を見てくれたみたいだな」

「まぁ、懐かれたらしくてね」

「懐かれた、か。そうか、お前も『特異点』だったのか……」

 

 最後はわざとらしく小声だったが大和にはバッチリ聞こえていた。再び羞恥とトラウマに攻め立てられたが、見方によっては与一に味方だと認識されたことだ。今後の付き合いを考えるならそれでよかったと、大和は思う事にした。

 

「参加してくれるか?」

「まぁな。だが今回は健美に免じてだ。俺はどうあっても闇の住人。光の住人たちと慣れ合うなんて事はしねぇからな」

「………」

「……だぁー。歓迎会はしっかり楽しんでやるから」

「ピィ♪」

 

 喜ぶ健美を、与一は不貞腐れながら彼女の頭を撫でる。それを眺めていた大和は無事に歓迎会を始められる事に安堵した。ついで、スイッチを入れる事がなくて本当に安堵していた。

 

 

 

 

 

 ――そして歓迎会は無事に成功した。

 

 

 

 

 




『中二のセリフって意外に難しい!!』

 そんなことを思いながら今回の話を書きました。結局、健美が割って入ったことでそんな場面は出なかっただけどね。

 まぁ前にもあったように与一は健美絡みが多くなります。なので彼の活躍も頑張って書きます。

 次で原作のプロローグ編が終わります。では、また。
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