文章が拙いのは許して下さい。
その出会いは、春だった。
天気は快晴。気温も湿度も良し。
風は気持ちいいし、早めに咲いた桜の花が、いい具合に散って、花びらの道を作っている。
そんな春真っ盛りの中、
僕は鼻唄を歌いながら上機嫌に坂道を登っていた。
本来ならば、死にそうなぐらいの急な坂道ではあるが、僕は全くきつくない。
今、僕はとても気分がいい。
そう、なぜならば、今日は、
待ちに待った高校の入学式だからだ!!
ぼっちで過ごした悲しい中学生時代も終わり、いよいよ、やっと、ついに、高校生になれたのだ!
これが嬉しくないはずがない。
中学校では、いじめこそなかったものの、友達もおらず、ずっと一人で遊んでいた。全然寂しくなかったと言えば嘘になるが、僕は既にできていたグループの空気に入る勇気もなく、ただひたすらに一人だった。
だが!
それは今日でもうおしまいだ!
この"有村春馬《ありむら はるま》"は高校で真の勇気を発揮することをここに宣言する!
などと浮かれていたからか。
はたまたそれは運命だったのか。
ドスンッ
僕は坂道を登りきったと同時に何者かにぶっかって尻餅をついてしまった。
しまった。宣言した途端にこれだ。とにかく謝らないと。
もし、これで僕の印象が悪くなってしまったら、もう何もかもおしまいだ。幸い相手は倒れてないようだから、すぐに謝れば許してくれるだろう。
顔は下を向いてるから、相手の姿がわからない。たが、ぶつかった時に、相手からちょっぴりいい匂いがしたことから恐らく相手は女子生徒。
怪我をさせなくて良かった。ここで怪我なんてさせてしまったら、どんなことになるか想像もしたくない。しかし、相手が倒れてないのは良かったのだが、女子生徒にぶっかってこっちが倒れるって、男としてどうなのか。
まあいい、そんなことより早く謝ろう。
と顔を上げると、
バァーーーーーーーーーーーーーーーーン!!
と、そんな効果音が聞こえてきそうな、まるでモデルのようなポーズの女子生徒と目があってしまった。
やっぱり、女子生徒だったな。
とか、
そのポーズ何なの?
とか、そんなことを考える余裕はなかった。
だって、そのポーズが不自然じゃない、むしろ似合っていると思えるほど、彼女が美しかったから。
これは恋というやつだろうか。いや、違う。今の僕はただ彼女が美しいから目を反らすことができないだけだ。既に謝ろうという気持ちは吹き飛んでしまっていた。
そんな唖然としている僕に彼女は近寄って来た。
それでも、僕は動けなかった。なぜかはわからないが、動いてはいけない気がしたのだ。
そして、僕のすぐ目の前まで来た彼女は
「すみません。ボーッとしていて後ろからあなたが来たことに気がつきませんでした。お怪我は ありませんか?」
鈴が鳴るような美しい声でそう言って、
その綺麗な手を僕に差し出してきた。
この彼女との出会いが、
空条徐奈《くうじょう じょうな》との出会いが
僕のとても長くてとても奇妙な冒険の始まりだった。
例のポーズはみなさんの想像にお任せします。