リッカさんに渡したいものは、桜の花びらのキーホルダーがついている、ネックレスだ。だが、そのネックレスは普通のネックレスではない。ネックレスをはめた人が術者に関わった記憶を消す魔法がかかっている。
「記憶を消す?何故そのような魔法をかけたのか、教えてもらえませんか?リッカさんが私に昔話を話された時、タツオさんとの楽しい思い出をたくさん話してくれたのですが…
それに、タツオさんの話をしている時のリッカさんはとても楽しそうでした」
エリザベスさんは不思議そうにしている。そりゃそうだ。
リッカさんとの少しの間の旅は俺もとても楽しかった。
もちろん、記憶なんて消したくはない。だが、今後の1950年の展開を考えると、リッカさんと会ったことじたいを消した方が何かと怪しまれずに行動ができるのだ。
これは予想にしかすぎないが…
「どうしても、リッカさんに俺のことを忘れてもらいたいんです。俺は1950年にある目的のために風見鶏に入学します。そのある目的は言えないですが。そして、リッカさんは1年Aクラスの
ちょっと言葉が不十分だったが、俺は理由を伝えた。
「なるほど…ある目的というのは何か話せない事情があるということはわかりました。ですが、何故1950年にリッカさんが担任をしているとわかったのでしょうか?何か理由がありますよね?」
うーん。そこをついてくるか…
ゲームをプレイしてわかりました!なんて言える訳がない。
だが、俺は閃いた。
「実は私は未来が見える魔法を覚えているのです」
頼む。これで見逃してくれ…
「なんと!未来を見える魔法を…。流石カテゴリー5ですね。わかりました。条件3つを受けましょう」
こうして、エリザベスさんと俺の取引が終わった。
それから、数年後…
1948年 6月30日 早朝
俺はロンドンの家から娘を……葵ちゃんを置いて出ていった。
最後に書き手紙を残して……
葵ちゃんへ
私は仕事の関係で、家を出ていくことになりました。こんな身勝手な私を許してください。ここに今後暮らしいくために必要なお金とお守りのネックレスを置いておきます。そして、私の紹介で手に入れたバイト先も書いておきます。
どうか、お元気で……
パパより
俺は船の中で号泣していた。仕事の関係なんて全部嘘だ。
俺はあのことを知るまで、心に痛みを感じずに楽しく、毎日が天国のように葵ちゃんと暮らしていた。
そうあの日が来るまで……
1948年4月1日 朝
あの日、俺は家でゆったりと過ごしていた。女王陛下の依頼がこの頃、立て続けにあったため、体に疲労がたまっていた。
まだ、葵ちゃんはぐっすりと眠っている。
「zzz……zzz……もう……食べれません……」
葵ちゃんは何か夢を見ているようだ。
「ははは……可愛いなぁ……」
寝ている時の葵ちゃんも可愛い。葵ちゃんを引き取ってから、7年ほどたった。葵ちゃんは少しずつ成長して、今では中学生後半か高校生ぐらいに見える。
この太陽のような葵ちゃんを毎日見れると思うと、俺は幸せ者だ。
俺は新聞を取りに行くために、外を出た。
ポストを確認すると、新聞の他に紙で包まれた箱も入っていた。
「うん?なんだこれ?」
差出人はと……エリザベスさんからだ。
差出人はエリザベスさん。女王陛下からだった。
家の中に持っていき、中身を開ける。中には紙と小さな本が入っていた。紙には
立て続けの依頼ありがとうございました。昨日、渡そびれたものがあったため、送らせていただきました。何かお役にたてることがあったら、またお声をかけてください。エリザベス
と書いてあった。以前、俺はエリザベスさんに時間に関することがかかれている本を探していると言ったら、エリザベスさんの方でも探してくれたのだ。俺が見れない本でも、女王陛下なら見ることができる本はこの世にあるだろうと思って、相談してみた訳だ。
そうしたら、案の定。俺が一度も見たことがない本が送られてきた。俺はその本を読む……
1時間後…
「こここれは…」
これが本当だったら……
その本の出だしは作者に関することや時間についてどう思ってるか?とか、今までの本にもあったことだった。しかし、読み進めるにつれて、俺が求めているループに関する魔法と似たことが書かれていた。
そして、最後にわかったことは
術者と未来、魔法を使用する者が8年暮らすと術者にその魔法の耐性がついてしまい、たとえループに対する魔法を使ったとしても、無効になる。8年間暮らしてなくても、5年暮らしてしまった場合、術者と魔法を使用する者との関係を何らかの方法で、術者に忘れさせることをしないといけない。
もし、これが本当だったら、いずれ俺は葵ちゃんとお別れをしないといけない。今は1948年の4月1日。正式な8年がたつのは、あと3ヶ月後の7月1日だ。もちろん、書かれたことが嘘、間違いの可能性もある。しかし、作者は俺も知っている有名な魔法使いだった。昔にその人にあって、2つの魔法のことを聞いて、参考になったことがたくさんあった。そして、2つの魔法が仮完成した。ならば、この書いてあることは本当なのだろう。
葵ちゃんとお別れをするなんて、俺には考えられなかった。しかも、記憶を消さないといけないという、追い討ち。
しかし、あの笑顔を守るためなら、しょ…しょうがない。
俺は決心して、ネックレスにまた記憶忘れの魔法を使用した。
そして、その日から痛み感じながら、葵ちゃんと暮らした。
「うぅぅ……う」
俺の涙は止まることはなかった。
次回からアルティメットバトル編に突入できそうです。