転生したダカーポの世界で!!   作:若狭東

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リアルが落ち着いたので、再び連載をスタートします。


第16話 風見鶏へ

歩くこと十数分後……

 

俺たち3人は、大きな時計塔の前にいた。

 

「地図によれば、ここを指しているんだけど……」

 

最後に風見鶏に来たのは、数年前になるので、俺の記憶は当てにならない。そのため、地図を見ながら、やってきたのだが……

 

「こんなところに、本当に学校があるのか?」

 

「でも、ここが指定の場所だし……」

 

姫乃ちゃんが上を見上げる。

 

確かここは……

 

ウエストミンスター宮殿

 

そう呼ばれる建物で、英国議会が国会議事堂として使用しているものだ。

 

「確かここだったはず……」

 

俺はポリポリ頭をかきながら言う。

 

「ここだったはず……って覚えてないんですか?」

 

「…………」

 

だって……最後に来たのいつか覚えていないぐらいの時だもん。

 

「兄さん。タツオさんが困っているよ。まぁ、とりあえず考えてても仕方ないよ。中に入ろう」

 

「わかった」

 

「あははは……面目ない」

 

俺たち3人はとりあえず中に入ることにした。

 

 

 

 

 

「何か用かな?」

 

中に入った途端、当然のことながら、職員らしき人物に呼び止められた。力士のような体格の、国会議事堂には似つかわしくない人物だった。

 

この体格の男性……どこかで昔に会ったような

 

「ああ、こんにちは。はじめまして。私は日本から来た葛木という者です」

 

「……日本から?」

 

職員らしき人物が、あからさまに眉をひそめる。

 

「ビッグ・ベンじゃないか?」

 

俺は何とか思いだして、男性の名前を呼ぶ。

 

「もしかして……タツオさん?お久しぶりです。何年ぶりでしょうか…ああ、懐かしい」

 

ベンは何度も「あぁ…懐かしい」と言っている。

 

だが、本当にベンと会うのは懐かしい限りだ。最後にロンドンを旅立ったあの日。ベンは急用で持ち場にはいなかった。

 

「ですが、タツオさんがどうしてここに?あと、この日本人の方たちは?」

 

「あ、わたしたち、学校に用があってきたんです。えっと、ほら、これ。案内状…」

 

姫乃ちゃんが荷物の中から、封をしてある紙を取り出した。

 

「ああ、そうか!」

 

途端に満面の笑みのベン。

 

「君たちは風見鶏の新入生だね。でも、タツオさんは…」

 

「いや、俺も風見鶏の新入生だよ」

 

「またまた、あの有名なタツオさんが風見鶏の新入生??」

 

ベンは信じてないようだ。というか、ロンドンを旅立って数年となるのに、まだ俺は有名なのか。どのくらい、有名なのかはわからないが…

 

「ほらっこれ。案内状」

 

俺は荷物の中から、封をしてある紙を取り出した。

 

「えっ…マジですか?タツオさんって、確か、カテ…」

 

俺は慌ててベンの口を塞ぐ。清隆と姫乃ちゃんはじーと俺たちのやり取りを見ていたようだ。清隆と姫乃ちゃんになるべく、カテゴリー5ということは知られたくはない。

 

「おっと…失礼。自己紹介が遅れたね。私の名前はベン。皆は親しみをこめてビッグ・ベンと呼んでいる。以後、よろしくな」

 

「よろしく」

 

「よ、よろしくです」

 

「うむ、言い返事だ」

 

おじさんは上機嫌そうに頷くと、背後を振り返り、通路の先を指差した。

 

「ほれ、あっちに廊下があるだろう?風見鶏に用がある者はあの廊下を進みなさい」

 

「あの『関係者以外立ち入り禁止』って書いてあるとこですか?」

 

姫乃ちゃんが先の書いてある看板を見ながら言う。

 

「そーゆーこと。風見鶏の関係者だけが入ることが許されてるってわけ」

 

「じゃあ、行くわ。ベン」

 

「わかりました。失礼します」

 

「ありがとうございました、ベンさん」

 

「頑張りなよ~、おじさん応援してるからね~」

 

俺たちは、ベンに軽く会釈をすると、示された通路へ向かった。

 

 

 

「うわぁ…♪」

 

通路を抜けた俺たちは感嘆の声をあげた。気がつくと俺たちは、なかなかお目にかかることができないほどの高さのエスカレーターに乗って、地下に降りていたのだ。

 

エスカレーターから見る風見鶏の景色は何度見てもいい。

 

「話には聞いていたけど、すごいな…」

 

「あ、兄さん。あれ、見て見て」

 

姫乃ちゃんが下を指さす。その先には地底湖にぽっかりと浮かぶ島々があり、俺たちが目指している目的地と思しき建物が目視できた。

 

「あれは桜か?」

 

俺は葛木妹、兄の会話を聞きながらも、風見鶏の景色を見ていた。

 

俺がこの地でやるべきことを思い出しながら…

 

 

 

エスカレーターを降りた場所から、学校の入口までは、ほぼ一本道だった。

 

「…………」

 

校舎に近づくにつれ、先ほどまでハシャいでいた姫乃ちゃんの表情が強張っていく。

 

多分、緊張しているのだろう。

 

「緊張することないんだぞ」

 

清隆も俺と同じことを思っていたようだ。

 

「き、緊張なんて……してません」

 

そう言いながら姫乃ちゃんは清隆の手を掴んでいる。

 

「……くす」

 

清隆に笑みがこぼれる。

 

「ちょ、兄さんってば、タツオさんもいるのに、何笑ってるの?」

 

「ああ、いや、何でもない。何でもないよ」

 

「そういう笑い声の時の兄さんは、絶対、私のことバカにしてるんだよなぁ」

 

あぁ…これが兄と妹。姫乃ちゃんと清隆の関係。

 

見ているこっちも笑ってしまいそうだった。

 

そんなことを話している間に、校舎の前までたどり着くことができた。

 

「へ~、立派な建物だね……」

 

姫乃ちゃんはマジマジと校舎を見つめている。

 

「さて、と……まずはどこに行けばいいのかな?」

 

「とりあえず、エリザ……学園長に挨拶しにいった方がいいかな」

 

そんな話をしていると

 

「くぴ、くぴぃ~~!!」

 

小さくて、角が生えている妙な生き物が近づいてきた。

 

あっ…これが噂の鹿のような動物。名前はエトだったはず。

 

「わぁ、かわいい」

 

「くぴ!」

 

「エト?エトー?どこにいったの?」

 

 

 

うん?この声は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ここら辺の場面は長々と説明の文を入れていますが、後から楽になると思います。
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