転生したダカーポの世界で!!   作:若狭東

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第17話 学園長との再会

うん?この声は……?

 

「あ、こんなところにいた……。もう、勝手に先に行っちゃ駄目でしょ?」

 

「く、くぴ?」

 

と、そこね物腰の柔らかそうな女性。そう、シャルルさんがやって来た。シャルルさんはその生き物を優しく抱き抱えると

 

驚いたことに、頭に乗せたのだった。

 

「「「………」」」

 

3人は無言だった。

 

「あら、新入生?」

 

そして、シャルルさんは俺たちに気がついて声をかけてくる。

 

「あ、はい」

 

清隆が答える。

 

「ごめんね、うちのエトが迷惑かけちゃったみたいで」

 

「いえ、別に迷惑はかけられてないですけど」

 

「可愛いですね。その子、エトって名前なんですか?」

 

「そうよ。ほら、エト。新入生の三人に挨拶して、って……」

 

シャルルさんが俺に近づいてくる。

 

「?何か俺の顔についてますか?」

 

「あなた……えっと…どこかで見たような…どこだったかな…」

 

シャルルさんは必死に思い出そうとしている。シャルルさんとは会うのは初めてだが、多分、何かの本などに載っていたのだろう。昔、自分が載っている本を見て、驚いたこともあった。

 

「えーと。多分、初対面だと思いますけど…」

 

俺は誤魔化そうとした。

 

「そうかな…うーん。それにしても、最近の新入生は進んでるなぁ。仲良く手なんて繋いじゃって。恋人同士?」

 

二人は握りあっている手を見て、みるみるうちに顔が赤くなっていく。

 

「あ、いえ、これは…」

 

「違います違います。恋人とかじゃありません!」

 

清隆が弁明する前に、姫乃ちゃんが慌てて清隆の手を振りほどいた。

 

「くぴぃ?」

 

「恋人じゃないなら…何?」

 

「ああ、俺たち兄妹なんですよ」

 

「ですです。ただの兄妹です」

 

「ただの兄妹ねぇ…。ところで、そのただの兄妹の二人は、どこの誰なのかな」

 

「ああ、申し遅れました。今年からこの王立ロンドン魔法学園にお世話になる、葛木清隆です。で、こっちがー」

 

「い、妹の葛木姫乃です。よろしくお願いします」

 

3人はシャルルさんに自己紹介をする。

 

「カツラギ…って、ああ。日本の?」

 

シャルルさんはくりっとした瞳をさらに大きく見開いた。その白肌は雪のようにきめ細かい。

 

「知ってるんですか?」

 

「ええ。有名でしょ?由緒ある家柄だって聞いたことあるし」

 

清隆と姫乃ちゃんはお互いに目を合わせ、頷きあった。

 

「あの…失礼ですけど…」

 

姫乃ちゃんがシャルルさんにおずおずと尋ねる。

 

「ああ、ごめんなさい。あたしはこの風見鶏の本科生よ。名前はシャルル。シャルル・マロースよ。一応新学期から生徒会長をやらせてもらうことになってるの」

 

「よろしくお願いします」

 

「よ、よろしくお願いします」

 

「で、あなたは…?」

 

やっと、俺に話を振ってくれた。いつ、話しかけてくるか、ドキドキしていたもんだ。

 

「タツオです。よろしくお願いします」

 

「た、タツオ?タツオって、あの本に載っていたタツオさん?あっ、そうだ。思い出した」

 

シャルルさんはうんうんと頷いている。名前を名乗っただけでこんなにも正体がバレルものなのだろうか?

 

「その…本に載っていた人とは人違いかもしれませんが、学園長室に手続きを…」

 

俺は何とか話をそらそうと試みる。

 

「って、話がそれちゃうね。いらっしゃい。学園長室まで連れてってあげる」

 

「くぴ、くぴぃ~」

 

何とか話をそらすことは出来たようだ。

 

はぁ…よかった。よかった。また、会ったときに何かと聞かれそうだが…

 

「こっちよ」

 

シャルルさんを合わせた4人で、いや…小動物も合わせた4人1匹で学園長室を目指した。

 

 

 

 

 

「到着~。ここが学園長室前よ」

 

シャルルさんの案内された所は俺も見覚えがある場所だった。

 

「ありがとうございます。え、えーと、ま、マロー…」

 

どうやら、清隆は名前をはっきり覚えてないようだ。

 

「マロースさんよ」

 

姫乃ちゃんが清隆に言う。

 

「マロースさん」

 

「シャルルでいいって」

 

そう言って微笑むと、シャルルさんは学園長室の扉をノックした。

 

『はい』

 

「本科1年のシャルル・マロースです。日本からの新入生を連れて来ました」

 

『ああ、ありがとう。通して頂戴』

 

「はい」

 

ガチャリ

 

「失礼します」

 

「くぴっぴ!」

 

「さ、三人とも。入りなさい」

 

シャルルさんに呼び込まれ、俺たちは学園長室に入る。清隆と姫乃ちゃんはおずおずと学園長室に入った。

 

「「し、失礼します…」」

 

「失礼します」

 

何か俺までかしこまってしまった。昔は気楽に入っていたのを思い出す。

 

「待っていたわ」

 

「では、あたしはこれで。学園長、あとはお願いします」

 

「ありがとう、シャルルさん。それにエト」

 

「じゃ、またね」

 

シャルルさんは軽くウインクすると、学園長室から出ていってしまった。

 

「遠路はるばるお疲れさまでした。疲れたでしょう?って、タツオさんも一緒だったの?」

 

「あははは……お久しぶりです。女王……学園長」

 

危な。昔みたいに女王陛下と言ってしまうとこだった。

 

「えぇ、お久しぶりです。タツオさん。私がこの王立ロンドン魔法学園の学園長、エリザベスよ。以後、よろしく」

 

「日本より来ました葛木清隆と申します」

 

「妹の姫乃です。よろしくお願いします」

 

清隆と姫乃ちゃんはあわててお辞儀をしている。

 

「そうかしこまらなくてもいいわ。あなた方のお父様には私も大変お世話になっているわけだし」

 

「そうなんですか?」

 

「ええ。葛木さんとは古くからの付き合いですからね。日本に行った際、小さい頃の姫乃さんに会ったこともあるのよ」

 

「そうだったんですか?」

 

姫乃ちゃんは目を丸くする。どうやら、覚えていないようだった。

 

「覚えてないのも無理はないわ。あなた、ホントにちっちゃかったし」

 

エリザベスさんも昔の姿と何も変わっていなかった。まぁ、魔法で加齢を抑えることもできる魔法使いに、見た目の年齢は関係ないか。現に俺はエリザベスさんよりも長く生きているわけだし。

 

「三人にはこれから、当学園で全寮制の生活を送ってもらうことになります。日本での暮らしとはいろいろ違う点が出てくるでしょう。魔法の行使に関しても、日本での常識とは違うところが出てくると思います。ですが、これも見識を深めるための修行だと思って、素晴らしい学園生活を送ってください」

 

「はい」

 

「頑張ります」

 

「了解っす」

 

「タツオさん以外のお二人は素敵な返事ね」

 

あはは……は

 

学園長はニコりと微笑んだ。そして机の引き出しを開け、鍵を3つ取り出す。

 

「はい、清隆くん、姫乃さん、タツオさん、これがあなた方の寮のカギです。寮は男子寮と女子寮に別れてるけど、エントランスは同じだから、すぐにわかると思うわ。すでに荷物は寮の方に届いているはずだから、早めに部屋に行って長旅の疲れを癒して頂戴」

 

俺たち3人は学園長から鍵を受けとると、寮の詳しい位置を聞いた。

 

「では、早速、部屋にいかせてもらいます。行こう、姫乃」

 

「ええ。じゃあ、学園長、これからよろしくお願いします」

 

「ええ。ふたりの活躍、期待してるわ。タツオさんはここに残ってもらえるかしら?」

 

「了解っす。じゃあ、二人とも」

 

俺は姫乃ちゃんと清隆に別れを告げて、学園長室に残った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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