転生したダカーポの世界で!!   作:若狭東

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ちょっとずつ話が進んできました。


第18話 陽ノ本葵

清隆と姫乃ちゃんに別れを告げて、学園長室に残った俺。

 

「改めてお久しぶりです。エリザベスさん。元気にしていましたか?」

 

「はい。タツオさんが突然日本に行ってしまって、私心配してたんですよ。何らかの事情があるとはいえ、挨拶だけでもして頂けないと」

 

「あはは……すいません」

 

俺は苦笑いしながら、謝る。

 

ロンドンを旅立つあの日、俺はエリザベスさんに挨拶をするのを忘れていた。忘れていたため、手紙を送ったのだが、やっぱり手紙だけで別れを告げたのは、ダメだったらしい。

 

「それで私の娘の……葵ちゃんは元気にしていますか?」

 

俺はエリザベスさんに一番聞きたかったことを聞いた。あの日、突然俺が家を出て行った、その後を知りたかった。

 

「葵さんですね。元気にしていますよ。毎日どこかで働いていて、勤労少女になってしまいましたが……くす」

 

エリザベスさんはそう言って、微笑んでいる。

 

元気そうならなりよりだ。

 

「それなら、良かった。すいません。葵ちゃんの面倒を見てもらって……」

 

俺はエリザベスさんに手紙を送った際に、葵ちゃんの面倒も見てほしいと無茶な頼みをしていた。

 

「タツオさんはあの時にはもう、ロンドンにはいなかったのですから、私に拒否権すらなくて、とても困りました。その分今日からずっと働いていてもらいますからね」

 

「かか勘弁してください……」

 

「冗談ですよ。時々私の頼み事を聞いてくださいね。それよりもタツオさんは何故風見鶏へいらっしゃったんですか?カテゴリー5の実力があれば、風見鶏へ入学する意味なんて……」

 

「そんなことを言ったら、孤高のカトレアも同じですよ」

 

「あら、そうですね」

 

エリートさんが入れた紅茶を飲みながら、エリザベスさんといろんな話をしたのだった。

 

 

 

 

 

エリザベスさんとの話を終わり、俺は学園長室を出る。

 

ついつい長話をしてしまった……

 

俺は辺りをキョロキョロ見る。

 

さて、これからどうしよっか……

 

考えても何もやることがないので、とりあえず寮の部屋に行くことにした。俺は外に出て、男子寮を目指す。すると

 

男子寮の入口で清隆と………

 

葵ちゃんがいた。あの最後に見た小さな姿はなく、立派に成長した葵ちゃんだった。

 

とりあえず、声をかけてみるか

 

「よっ清隆」

 

「あぁ……タツオさん」

 

「あ、ありがとうございました」

 

葵ちゃんは、すごく申し訳なさそうにお辞儀をした。

 

確かこのシーンはガス灯の手伝いをしたシーンだったけ?

 

「いやいや、俺は大したことしてないし」

 

「でも、お仕事、手伝ってくれたし……いい人なんですね。」

 

「ところで君、名前は?」

 

「わたしですか?わたしの名前は陽ノ本葵と申します。ってわわわ一人増えてる?」

 

葵ちゃんは俺を見て、驚いている。

 

そんなに驚かさなくても……

 

「陽ノ本さん、ね。こちらの方はタツオさん」

 

清隆に紹介されて、とりあえず俺は頭を下げる。娘に頭を下げるのはあれだと思うが、葵ちゃんの首にぶら下げている向日葵の首飾りを見る限り、記憶消去の魔法はかかっているくれてるみたいだ。もし、首飾りをしてなかったら、俺のことはかすかに覚えていたかもしれない。

 

「あの……お二人共、日本の方、ですよね?」

 

「ああ、自己紹介がまだだったね。俺は葛木清隆。明日からこの王立ロンドン魔法学園の新入生ってことにな……」

 

「やっぱり日本人だったんですね!うわ~、嬉しい」

 

葵ちゃんは清隆の言葉を終えるのを待たずに清隆の手を握った。葵ちゃんの笑顔はまるで太陽のように眩しかった。

 

それから、葵ちゃんが清隆にいきなり「お兄ちゃんになってほしい」という言葉から始まり、俺はその清隆と葵ちゃんのやり取りを見ていた。

 

エリザベスさんの言う通り、元気いっぱいそうで、なりよりだ。

 

清隆と葵ちゃんが「お兄ちゃん」のことを話していると

 

「へ~~~、兄さんはそういう妹が欲しかったんですねぇ………」

 

こ…この棒読み感がある声は

 

「ひ、姫乃……」

 

清隆と一緒に振り返ると、鬼の形相の姫乃ちゃんが立っていた。

 

「着いて早々、早速、ナンパですか?」

 

な、ナンパ……

 

「そういうわけじゃないって」

 

清隆は必死に言っていっている。

 

「どーだか……」

 

「???」

 

葵ちゃんは不思議そうな瞳で清隆を見つめていた。

 

「あ、えーと、葵ちゃん、こいつは葛木姫乃。日本から一緒にやって来た、俺の妹だ」

 

「あ、妹さんだったんですね」

 

「どうも、葛木清隆のいもーとの姫乃です、以後、よろしく」

 

姫乃ちゃんは妹の部分を強調して言った。姫乃ちゃんは機嫌が悪いみたいだ。

 

それよりも、俺はここで道草している場合ではなかった。いや道草してもいいんだけど……

 

「あっ、ごめん。俺、部屋を確認しに来たんだった」

 

「そうだったんですか、タツオさん」

 

「そうなんですね。タツオさん?タツオさん……タツオさん?うん?」

 

葵ちゃんは何か考えている。

 

もしかして、何か思い出そうとしている?

 

「どどうしたのかな?」

 

葵ちゃんは深く考えた後……

 

「どこかでお会いしたような気がしたんですけど、私の気のせいです」

 

ふぅ……何とか魔法の力が勝ったようだ。

 

俺は3人とお別れをして、寮の中に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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