そして、クラス対抗戦まで一週間だった日
「はーい、皆さん、注目!」
休み時間、次の授業の支度をしようかと思ってたところへ、リッカさんが入ってきた。
ん‥‥?なんだろ?
「次の授業は体育ということでしたが、予定を変更して、来るべきクラス対抗戦に向けての強化練習時間とさせていただきます」
強化練習?体育‥‥楽しみにしてたんだが‥‥
「学園長に許可はもう取ってあるわ。なので、皆さん、次の時間は競技場に集合してください。待ってるからね」
リッカさんは言いたいことだけ言うと、教室から出ていってしまった。
「はりきってるなぁ、リッカさん。」
耕助が頭をかきながら言った。
「負けたくないんだろ」
清隆の言葉を最後に、俺たちはグラウンドに向かった。
「さ、次は清隆の番よ。やってみて」
「はい」
清隆は、競技用ロッドを手に取り、レーンに入った。クラスメイトたちは清隆に注目している。
「よっと‥‥」
ポンっ‥‥
清隆は、比較的リラックスした状態でブリッドを打った。
「うん、上達したじゃない」
「‥‥そうですか?」
「センスあると思うわ。初めてとは思えない感じよ。その調子で頑張りなさい」
「ありがとうございます」
清隆は元の位置に戻る。そして、
「皆に一つ、言うの忘れてたわ。今日から私と、もう一人の先生で皆さんを教えます」
もう一人の先生?誰?そんな人いたっけ?
俺は疑問に思いながら、リッカさんの話を聞いていた。
「その先生とは‥‥」
「タツオよ」
リッカさんは俺に指を指した。
人に向かって指を指したらダメなんだよじゃなくて、えっ!?
「そんな話‥‥聞いてないんですけど?」
「今日、決まったのよ。学園長のご指名よ」
エリザベスさんが?あの人‥‥
「だから、タツオは私のお手伝いをよろしくね。それがあなたの仕事なんだから」
「わかりました。でも、俺もクラス対抗戦に出れますよね?」
答えはわかっていたが、一応聞いてみた。まぁ、こうなると答えはわかってるんだけど。ワンちゃん、いけるかもしれないじゃん。
「あなた‥‥。先生がクラス対抗戦に出れるわけがないでしょ。出たい気持ちはわかるけど‥‥これも学園長から言われたわ」
わかってたよ。うん。わかってた。俺が出たら、試合にならずに圧勝してしまうぐらいわかってたよ。
「ですよね‥‥」
「じゃあ、皆。わからないことがあったら、私かタツオに聞いてね。じゃあ、次‥‥江戸川耕助」
「はいっ」
リッカさんの説明が終わると、クラスの皆が俺の周囲に集まった。
「タツオくん。すごいね。先生なんて‥‥」
「学園長に指名されるなんて、すごいよ」
「グニルックは上手だと思ってたけど、先生になるほど上手だなんて‥‥」
「ちょっと、教えてくれない?」
「私も私も」
「俺も俺も」
女子を中心に俺の周囲に集まり、いろんなことを言っている。
はぁ‥‥クラス対抗戦に出れずに、教えることしかないと‥‥。そうですか。
正直、面倒ごとはごめんなんだが
「じゃ、順番に並んで、並んで」
そして、俺の教員生活が始まった。
「はぁ‥‥疲れた」
授業の後、リッカさんに言われて、清隆と一緒に器具の片付けをしていた。
「お疲れ様です。タツオさん」
「初めて先生をやったけど、俺には一日が限界だわ。いや、一時間か‥‥」
「でも、タツオさんの教え方は上手でしたよ」
「そ、そうか?」
「はい。俺も勉強になりましたし」
「でも、グニルックに出れないのは、マジねーわ。無双することを楽しみにしてたのに」
「ははは‥‥きっと、その無双がダメなんですよ」
そんな話をしていると、いつの間にか片付けは終わっていた。
まぁ、次の強化練習も先生頑張るか
そう、俺は決意したのだった。
でも、グニルック出たかったよ~~
土日のどちらかに更新をします。