転生したダカーポの世界で!!   作:若狭東

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第7話 グニルック競技会

08:00

 

『ただ今より、グニルック競技会を開催します』

 

「うおおおおー」

 

アナウンスによる開会宣言の直後、グニルック競技場は熱気に包まれた。俺たち出場選手は一足早く、自分の控え室に行っている。

 

これから開会式とトーナメント組み合わせ抽選会が行われ、その後に試合開始だ。

 

控え室にいても、外から声が聞こえる。まだ開会式前だっていうのに、本当にすごい盛り上がりだ。

 

これがグニルック競技会……

 

やはり魔法使い社会において伝統的な競技ということだけあって、注目度は段違いに高いんだろう。

 

 

 

『それでは只今より、グニルック競技会の開会式及び組み合わせ抽選会を始めます。出場選手の方はグラウンドに集合してください』

 

 

 

いよいよだ。アナウンスの声がかかり、俺は試合前だというのに緊張していた。俺は控え室から出て、グラウンドに向かう。

 

 

 

軽快なBGMにあわせて、入場ゲートから選手たちが入場した。

 

選手は軽く100人以上はいるだろう。エリート貴族、学園の制服的な物を着ている人、どこかの教師。

 

俺は今からこんな奴らを相手にするんだな……

 

入場者が整列すると

 

「それではこれより、トーナメント1回戦の組み合わせ抽選を行います。抽選はクジによって決定され、公平を期すため、私が代理としてすべてのクジを引かせていただきます」

 

俺はてっきり、順番に選手たちが引いていくと思っていたが、不正を防止するために開会者が引いてくれるようだ。

 

「それでは、さっそく抽選を開始します。まずAブロックから。Aブロックの1番はー」

 

開会者が抽選箱に手を入れると同時に、場内が静まりかえった。箱の中から紙を取り出して、

 

「リッカ・グリーンウッド!Aブロック1番はリッカ・グリーンウッドです!」

 

一番最初にリッカさんの名前が呼ばれた。リッカさんの名前が呼ばれたということは凄い歓声が……

 

と思っていたが、歓声は思っていたよりもなかった。いや、あんまり聞こえなかった。

 

何故だろうと思っていたが、理由はすぐにわかった。

 

そうか……まだこの頃のリッカさんはカテゴリー5ではなく、有名でもなかったんだった。

 

そんな感じで、組み合わせ抽選は続いていった。名前が発表されるたびに、観客席から歓声が上がったり、落胆の溜息が聞こえたりする。この抽選会も含めて、すでにお祭りが始まっているんだなってことが実感できた。

 

そして、まだ俺の名前は挙がっていない。

 

まだかな、まだかなと思っていると

 

「Zブロック、タツオ。Zブロック、タツオ」

 

最後の最後で俺は呼ばれた。すると

 

「ウオオオオオ!」

 

観客席から歓声が上がった。

 

あれ?この世界に俺の知り合いっていたっけ?

 

この世界に来てまだ1日。知り合いなんて到底いるはずがない。なら……

 

「あっ……」

 

俺はすっかり忘れていた。

 

そうだ。俺はカテゴリー5だったー

 

「……以上。それでは選手退場!」

 

開会者の声で周りにいた選手が歩き出した。その選手たちについていき、俺は控え室に戻った。

 

ちょっと、リッカさんのプレイでも見てくるかな。

 

そう思って、戻ったばかりだったが再び控え室を出たのだった。

 

 

 

グラウンドにつくと、今から試合が始まるようだった。

 

「只今より、グニルック競技会Aブロック1回戦を始めたいと思います」

 

司会者のアナウンスが響き渡ると、大歓声が湧き起こった。

 

リッカさんの相手は眼鏡をかけた若い男性だった。

 

選手同士で挨拶をして、握手を交わし、選手2人はシューティングエリアへと陣取った。

 

グニルックを昨日の勉強した結論から言うと、シューティングゾーンから(ロッド)(ブリット)を放ち、数ヤード(m)先に設置されたターゲットパネルを打ち抜くゲームだ。隣り合ったレーン同士の対戦形式で、全部で8フェーズを繰り返し、最終的に落としたパネルの合計枚数が多いほうの勝利となる。

 

シューティングゾーンからターゲットパネルまでの距離がフェーズのよって、10ヤードのショートレンジと20ヤードロングレンジの2種類で切り替わったり、ターゲットパネル自体もパネル4枚の『ダービー4』、パネル9枚の『ターゲット9』の2種類があったりと、フェーズ毎に状況が変化していく。

 

もちろん、ただショットをしてターゲットを打ち抜くだけではなく、フェーズ毎に決められた数のガードストーン

 

つまり相手のショットを邪魔するためのブロックを相手レーンに設置することができるため、ガードストーンをどのように設置するかなどの戦略性、設置されたガードストーンを回避するために、ブリットの軌道を大きく変化させる魔法技術の競い合いだった。

 

ゴルフのボウリング版のトラップあり、的な感じだ。

 

ピッ。ホイッスルの合図により試合が始まる。

 

リッカさんは落ち着いた状態で試合を進めていく。

 

そして、リッカさんが大差の得点で勝った。

 

流石、リッカさんだった。少しのミスもあったが、冷静に対処していく。そんなリッカさんが輝いていた。

 

試合が終わり、俺の元へリッカさんが駆け寄ってきた。

 

「どうだった、私の試合は?」

 

「いやー、試合になると何事にも冷静ですね」

 

「そりゃ、優勝を目指しているだから、当然でしょ」

 

流石リッカさん。この頃から強気だったようだ。

 

「あはは……」

 

「あはは……じゃないわよ。タツオは私にとっての決勝戦相手なんだから」

 

「えっ……俺がですか?俺、今回がグニルック初めてですよ」

 

「初めてでも、カテゴリー5でしょ。やり方とコツをマスターすれば、どんどん勝ち上がると思うわ」

 

「そ……そうですかね……」

 

「えぇ。絶対そうよ。1回戦頑張ってね」

 

リッカさんはそう言って、その場を立ち去った。

 

やり方とコツ……

 

俺は少し緊張しながら、控え室に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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