流星と風の使徒   作:鏡面ライダー

7 / 7
評価に………色が………?

しかも………赤いだと………⁉︎


ありがとうございますm(_ _)m

張り切った結果これまでで一番長くなっています!

それではどうぞ!


私の作戦 その3

〜ハルカside〜

 

「………」

 

「キミは………」

 

私は凄まじく動揺していた。

 

(アイエエエ!?ツカサクン!?ツカサクンナンデ!?)

 

おい、ヤベェよヤベェよ。

直近で一番デカい火種に当たっちまったよ………。

 

双葉ツカサ。

FM星人ジェミニのパートナーであり、1におけるヒロインの一人………ではない、と思う。たしかにツカサくんの状態なら可愛いけど。

こら、寄ってくるなホモォども。

ちなみに1の本筋に関わるキャラたちで、主人公のスバルくんとヒロインのミソラちゃんを除いて唯一FM星人とちゃんとしたパートナー関係になっているキャラである。

まぁ、ジェミニの方は利用するだけ利用するつもりだったようだけど………。

 

さらにツカサくんは多重人格であり、ヒカル、という悪人格が存在する。そうなったきっかけがここ、ゴミ集積所に赤ん坊の頃に捨てられたから、だったはず、だっけ?

 

(いやそれくらいちゃんと考えとこうぜ私⁉︎)

 

いやだって今日月曜日だし、平日だし、まさか居るとは思わないじゃん?

 

(ただでさえこの暑さで頭が痛いって言うのに、更なる頭痛とついでに胃痛の種が湧いて来た………)

 

脳内で一人やりとりしながら、どうやって怪しまれずに切り抜けるか、暑さで機能の鈍った頭をフル回転させるけど………。

 

(たしかウォーロックがFM星人の匂いが云々って序盤に言ってたよね………)

 

あの時匂いの先にいたのはジャミンガーだった………。

 

そう考えるとここに来る前電波変換してた私にも何かしらの匂い的なものがついてるかもしれないわけで………。

 

(あれこれジェミニと接触済みだったら100%警戒されない?)

 

そうじゃなくても平日の昼間にゴミ集積所の片隅に佇む美s………小学生とか絶対怪しいよね。

 

つまりツカサくんと私は揃って怪しい小学生ってことに………。

 

「キミは………ここに何をしに?」

 

「………ただの………探し物………」

 

とりあえずちまちま会話しながらどうにかごまかそう。

 

できれば何かやらかす前にさっさと立ち去りたい………。

 

 

 

 

 

〜ツカサside〜

 

「………ただの………探し物………」

 

質問に対して、そう目の前の女の子は小さな声で答えた。

 

(なんなんだ………この子は………)

 

授業参観の振休日の月曜日。

 

いつものように、誰も来ない授業参観が終わって。

 

ふと、自分の両親の手がかりが少しでも無いか、探しに来ただけだった。

 

本当に偶然だった。

 

職員でさえほとんど来ることはないゴミ集積所の端の一角。

 

そこにしゃがみ込んだ、おそらく自分より少し年下であろう女の子を見つけたのは。

 

(この子は………)

 

立ち上がったのを見て、話しかけると、女の子は振り返ってこちらに顔を向けたが………。

 

(本当に何者なんだ………?)

 

この猛暑の中汗ひとつかいていない上に、照りつける炎天下にも関わらず全く日焼けしていない、とても白い肌。それに何よりも、まるで電源が入っていないテレビのような、無機質で光の無い目。

 

そして立ち上がる前に小さく呟いた言葉。

 

(「やっぱり………………見つからない」か………)

 

いったいこの子は何者なんだろうか。

 

「探し物?こんなところで?」

 

「………」

 

女の子はゆっくりと頷いた。

 

「いったい、こんなところに何を探しに来たんだい?」

 

人と話すのは好きではない。むしろ苦手だし、嫌いだ。

けれども何故か、この子からは話を聞いておかなければならないと、何かが警告しているように感じた。

 

「………過去の………物………」

 

「過去の物?」

 

「もう………あるかどうかも………わからないけど………」

 

途切れ途切れになりながら、少女は言葉を続ける。

 

「今の私に………必要な………物………」

 

「………それって………」

 

僕が口を開こうとしたその時だった。

少女が僕の後ろを一瞬見ると、僕に手招きしてゴミの山に隠れてしまった。

 

後ろを振り返ると、職員がこちらに歩いて来るのが見えた。

 

(まずいっ………)

 

急いで僕も近くにあったゴミの山に隠れて、職員の方を警戒した。

 

 

 

そのすぐ後に、彼女が何をするのかも知らずに。

 

 

 

 

 

〜ハルカside〜

 

(あっぶなっ!)

 

もう少しでせっかく忍び込んだのに見つかるところだった………。

 

見つかったら下手したら親呼ばれて説教だ。

説教はどうでもいいけど、まだ親に会うのはまずい………。

 

というかツカサくんもいるから早い所逃げたい………。

 

とりあえず彼からの質問は、痛む頭から絞り出した、嘘はついてないけど何を言ってるのかよくわからないような言い回しでどうにかごまかせたと願いたい。

 

ちょうど職員さんの方見てるから今なら逃げられるかな?

 

とにかく極力音を出さないようにそっと近くのPETの山の影に移動して………。

 

移動しようとした時だった。

 

 

 

 

 

移動しようとした先のPETの山の中に、わずかに光る何かを見つけたのは。

 

(⁉︎もしかして………)

 

急いでその光の元へと駆け寄り………。

 

「っ⁉︎」

 

途中で先ほど私が後方に投げたPETを思い切り蹴り飛ばした。

 

ガッ!っと音を立てて、勢いよく宙を舞ったPETは近くにあったショベルカーのアームに当たって跳ね返り………。

 

ちょうど職員さんが歩いていた近くのPETの山にぶち当たった。

 

その結果………。

 

「ん?………う、うわぁぁぁ!!」

 

PETの山が職員さんの方へと雪崩のように崩れ始めた。

 

「っ⁉︎」

 

(嘘でしょ⁉︎)

 

幸い職員さんはPETの山に飲まれてはいないようだが、驚いて尻餅をついてしまっている。

 

(ご、ごめんなさーい!)

 

急いで光の元を回収して出口の方へと駆け出す。

 

後々ひどいことになりそうだが、今はとにかくこの場から逃げ出したかった。

 

 

 

〜ドリーム公園〜

 

「はあっ………はあっ………うっ………うぇ………」

 

(き、気持ち悪い………)

 

予想通りひどいことになった。

 

ただでさえ地獄のような暑さに加えてこの貧弱ゥ!な身体で全力疾走である。

 

うん、余裕で死ねる。というか今まさに死にそう。

 

(あれ?なんかもう汗も出てなくない?)

 

これは本格的に不味そうだ。

 

急いで公園の自販機からスポーツドリンクを二本買って、一本で身体を冷やしながらもう一本で水分を補給する。

 

しばらく頭を冷やしていると、少しは楽になった。

 

(頭痛い………疲れた………もうさっさと帰ろう………)

 

冷えたペットボトルで痛む頭を冷やし、脇には飲みかけのペットボトルを抱え………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう片方の手にはチカチカとディスプレイが点滅するPETを持ち、私はバス停へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

〜ツカサside〜

 

(まずいな………)

 

元々僕はいつもここまで来るわけじゃない。今日は女の子を見かけたからここまで入り込んでしまっただけで、普段は入っても出入り口の近くまでだ。

 

だから、ここからどう逃げればいいか、わからない。

 

(やっぱり、上手く隠れてやりすごすしか………)

 

そう考えていた時だ。

 

後方から、ガッ!、という音が響いた。

 

(なんだ?)

 

音の方向を向こうとすると、視界の端を何かが横切り。

 

直後、職員の声が周囲に響いた。

 

「う、うわぁぁぁ!!」

 

すぐに職員の方へと視線を戻す。

 

ゴミの山が職員へ向かって崩れていく。

 

慌てて背後を見れば、みるみる小さくなっていく女の子の後ろ姿。

 

(あの子がやったのか⁉︎)

 

ゴミの山が崩れたのは後ろから飛んで来た何かが山に当たったからだ。

 

そして後ろから物音がしたのも聞こえた。

 

ということは恐らく彼女が何かをゴミの山へぶつけて職員の方へと崩したのだろう。

 

(くっ!今は悠長に考えてる暇はない!)

 

僕も急いで出口へと駆け出した。

 

 

 

〜ドリームアイランドバス停前〜

 

「はぁ………はぁ………」

 

後ろから職員が追ってくる気配はない。

 

どうにか気がつかれずに逃げることができたようだ。

 

(………あの子は?)

 

平日ということもあり、周囲に人影はない。

 

先ほど自分よりも早く逃げた、女の子の姿も、どこにもなかった。

 

(公園の方に逃げたのかな?)

 

そう思い、公園の方に向かおうとするが。

 

『待て、ツカサ』

 

横に現れた、二つの頭を持つ人魂のような物体が、ツカサを制止する。

 

「………どうしたんだい?ジェミニ。僕の時に君が出てくるなんて珍しいじゃないか」

 

少し間を置き、ツカサは、FM星人ジェミニに話しかける。

 

『さっきの小娘だが………何か妙だ』

 

「さっきの子がどうしたんだい?」

 

『わからない………ただ何か妙な………異常な電波をあいつから感じた』

 

「異常な電波?」

 

『ああ………後々調べさせる必要があるかもしれないな………』

 

「………あまり変な真似はしないでほしいな」

 

『何、お前が気にすることはない。ただ、今日はもうあいつと関わるのはやめておけ』

 

「君ともあろう奴が随分と警戒するね?そこまでする必要があるのかい?」

 

『………気になっているのはお前の方じゃないか?ツカサ』

 

「………何がだい?」

 

『大方あの小娘に親近感でもわいたんだろう。異常な電波を除けば、あいつの纏っていた空気は私と出会った頃のお前、いや、お前たちと似ていた。コドクの電波もな』

 

「………」

 

『だが似ているだけだ』

 

「………」

 

『期待するのはやめておけ。それに今はおとなしくしているが、ヒカルも許さんだろう』

 

「………わかってるさ」

 

『………それならいい』

 

そう言い残し、ジェミニは消えた。

 

「………」

 

(あの子は………あの目は………)

 

最初は少し、自分に似ていると思った。何かを探している後ろ姿を見て、自分に似ている、と。

過去のものを探していると聞き、よりそれは強くなった。

 

(だけど………)

 

あの子は職員に何をした?逃げるためなら、もっと何か気をそらす方法があっただろう。

 

その中で真っ先に行動に移したのが、下手をすれば職員が大怪我を負いかねない行為………。

 

(あの子は………ヒカルにも………似ている………)

 

自分に敵対するもの、気に触るもの、邪魔になるものには全く容赦しない、凶悪な、自分のもう一つの人格。

あの子の行動の早さに、迷いや躊躇は感じられなかった。

 

(あの子は………僕らに似ている………あの子は一体………)

 

ぐるぐると思考を巡らせるが、結論は出ない。

 

(………いつかまた会うことがあったら………その時は………)

 

ツカサはそこで考えるのをやめると、ちょうど停まったバスへと乗り込んだ。

 

 

 

 

 

彼が彼女の正体を知るのはもうしばらく先のことになる。

 

そして正体を知ったとしても、彼が彼女の本質を知るのは、さらに先のこととなるだろう………。




過去の物→まだ生きてるエグゼ時代のナビ

もうあるかどうかもわからないけど→いるかどうか確証はない

今の私に必要な物→いないと次の強化策探し

本質を知るのはさらに先のこととなるだろう→電波変換云々がバレても、少なくともしばらくはツカサくんからは同類扱いだよ!


7話目にしてようやっと勘違い要素が………こんな感じで大丈夫なのだろうか(´・ω・`)

他にもジェミニとツカサくん関連で時系列が怪しいけど………許してくださいなんでもs(ry

次の更新は速ければ来週の土曜日くらいかな?

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