海鳴市での、なつやすみ   作:あおい安室

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お待たせしました。ちょっぴり長くてなのはちゃんも出ます。
それとオリジナルロストロギア、オリジナル魔法が出ます。


8/13

8/12。海鳴市に一人の通り魔が現れ、人が殺された。

更に奇妙なことに、死体からは切られたあたりの血液が失われていたという。

そして誰一人として、その犯人の顔も、性別も何もかもを覚えていない。

ただ、そこにいたということだけを覚えていた。

しかし、目にした者が確かに覚えていることがあった。

通り魔は、真っ赤なナイフをもっていたということだ。

 

 

 

「海鳴市に通り魔、か……なんてことだ」

 

翌日。僕は朝刊の記事にデカデカと書かれた通り魔の記事を読んでいた。

その通り魔は死体から血液が減っていたことから吸血鬼と呼ばれているらしいが……

夏目家の人は実家に帰っているのだが、ちょっと用事ができたらしくしばらく家にいない。

 

「……少しよろしいでしょうか」

 

「何、ウーノさん?」

 

「この事件は……私の手で解決させてほしいのです」

 

『えっ?ウーノちゃん何言ってるんですか?』

 

「そうですよ、ナンバーの言う通りです。一体どうしたんですか?」

 

「……私は通り魔の持っていたナイフに見覚えがあります。あれは恐らくロストロギアでしょう」

 

「ロストロギア?」

 

『簡単に言えば遺跡などから発掘されたマジックアイテムですね。しかし、ナイフ型のロストロギアですか。私には聞き覚えがありませんね』

 

「はい。あれはドクターが最近探し始めたものですので。

仮称ですが……マギリンクブレイカー、と呼んでいます」

 

『「マギリンクブレイカー?」』

 

ウーノさんの話によると、マギリンクブレイカーというのは、魔法を無力化できる特殊なナイフらしい。

魔力の流れが見えるメガネであの事件のあったあたりを見ると少しおかしなことになっているのに気がついたそうだ。

そこから通り魔の使ったナイフがマギリングブレイカーではないかということらしい。

マギリングブレイカーには、血液を吸収する特性もあるという。

吸収した血液を対価に、魔法を無力化する特性があるらしい。

いわば、人の命を対価に魔法を無力化するということだ。恐ろしい武器じゃないか!!

「マギリンクブレイカーはドクターが欲しているロストロギアです。

この事件を解決するということに加えてそのナイフがほしい。

ですので、私はこの事件を解決したいのです」

 

「……事情はわかったよ。でも、ウーノさん一人じゃさすがに無理なんじゃ……」

 

「はい。それに、私がこの世界に存在したという事実はあまり残したくはないのです」

 

「この世界に存在した……?」

 

『あー……これは言ってもいいですかね。ドクターもウーノちゃんもこの世界の住人ではありません。他の世界に生きている存在です。ですのでなるべく痕跡を出したくはないんですよ』

 

なるほど、ね。

 

『それに私はどちらかと言えば戦闘向きではありませんし、使える手も少ない。

ドクターに頼る手もありますが、ドクターもドクターでやっていることがあります。

……むちゃなお願いだとはわかっています。ですが……』

 

 

「私に協力してもらえないでしょうか。それなりに楽しかったこの町を、私の手で。守りたいのです」

 

 

 

「……どうしようか」

 

今日中に答えを出してほしいと言われた僕はとりあえず町をうろつくことにした。

家にいるよりも体を動かしていた方が考えがまとまる。

 

『マスターの身を案じるなら、私としては反対です。ですが、ウーノちゃんのことはほうってはおけません。誰に似たのか頑固な性格ですし……』

 

確かにその通りだ。ウーノちゃ……んんっ!

ウーノさんのこともほうってはおけない。でも、僕はそこまで魔法が使える訳じゃない。

一体どうすればいいんだ……?

 

「ん?魔法?……あ、そうだ。高町ちゃんを頼るのはどうかな?」

 

『悪くはないとは思います。が……ちょっとマズイかもですね』

 

えっ?

 

『その……高町さんは管理局と関わりがありましたよね?ドクターは管理局とはあまり仲がよくないのです。ウーノちゃんも同様といいますか』

 

「……ねぇ、ナンバー。まさかとは思うけどドクターって悪人じゃないよね?それで仲がよくないとか言ってるんじゃ……」

 

ウーノさんの身分も偽造とか言ってたし。

 

『……難しいところですね。ドクターは悪人といえば悪人かもしれません。ですが。優しい時はとことん優しいですよ。犯罪行為は……多分、してません!』

 

多分とかちょっとマズくないかな!?

 

『……その、ごめん。聞こえてるかな?』

 

「ん?その声は高町ちゃん?」

 

いいタイミングで念話がかかってきた。

 

「ちょうどよかったよ。話したいこともあったし」

 

『えと、その……助けてほしいの』

 

はい?

 

 

 

「高町ちゃんって結構うっかりっていうかかなりうっかりだよね!」

 

「……ぷはっ。ご、ごめんねわざわざ山まで……」

 

高町ちゃんは相変わらず魔法の特訓してたんだけど、あろうことか水分持ってくるのを忘れてふらふらになってた。

で、携帯電話も家に忘れたという。

この暑い時期に何やってるんだか!

 

『付け加えるとマスターは最近少し風邪気味なのですが、訓練を止める気がなくて……何か言ってもらえませんか』

 

「いや、君が止めてよレイジングハート……というか、風邪気味ならしっかり休む!体を壊したら元も子もないんだよ?」

 

「で、でもお兄ちゃんとかお姉ちゃんも風邪気味でも剣道の特訓してるし……」

 

高町ちゃんが悪いのかお兄ちゃん達が悪いのか。

 

「本当にありがとね……もう大丈夫だよ。それじゃ、後少し特訓したら」

 

「ダメ!僕が許さないよ。縛ってでも絶対に連れて帰るから。

今日は家に帰ってゆっくり休む!明日もね!!」

 

「じ、じゃあ後少しだけ」

 

「絶対にダメッ!祭りに行く前に体壊したらどうするの!」

 

「……わかった。でも後ほんのすこ」

 

「ええい、このわからず屋っ!ナンバーッ!!」

 

『注文承りましたよマスター。催眠術?ラリホー?それともス•リ•プ•ル?』

 

「ふぇっ?……ふにゃぁ……」

 

……よし、眠った。

 

『お見事です。しかし何ですかその魔法。電撃などで気絶させる魔法ならともかくそんな魔法聞いたことがありません』

 

『ふっ。このナンバー、実は魔法もある程度なら自作できるのですよ。睡眠魔法も制作しました。まあ燃費が悪かったり欠点があるのですが』

 

「十分だよ。ありがとうナンバー。さて、高町ちゃんをおんぶして、と。

レイジングハート。高町ちゃんが目が冷めたら遊び疲れて寝ていたのを僕が届けたってことにしたって伝えてくれる?」

 

『わかりました。マスターのことをよろしくお願いします』

 

さて。ゆっくり帰るとしますか。

 

『っ!?プロテクション!!』

 

その時。ナンバーが勝手にプロテクションを作動させた。

何事かと思った瞬間。矢がどこかから飛んできて、プロテクションで跳ね返った。

 

「なぁっ!?い、一体何が起きてるんだ!?」

 

っ、もう一発飛んできた!プロテクションで跳ね返せたけど、僕の魔力がいつまで持つか!?

 

『わかりませんが、これはマズいでしょう。すみません、私のマスターを起こしてください!』

 

レイジングハートが焦ってそんなことを言うが……

 

「レイジングハート、それは無理だ!あの魔法使って2分はかなり深く眠ってるから本当にたくさん叩いたりしないと起きないしそんな時間は多分ない!」

 

この間にもまだ矢は来てるけど、高町ちゃんは起きないし!

 

『……っ!マスター、ウーノちゃんに連絡しました。救援に向かうとのことなので直ちに撤退します!

レイジングハート、プロテクションの使用とバリアジャケットの起動くらいはできますか!?

私のマスターは魔力が多くないので少しは節約します!』

 

『了解しました、その程度ならどうにかなります!ガードはお任せください!ついでにこちらのバインドでそちらのマスターとも体を繋げますので撤退はお任せします!』

 

デバイス2つが話をしつつ準備していると、急に矢がやんだ……

 

『生体反応もキャッチ……矢は意味がないと見て接近してきています!急いで撤退します!いつものアレの準備と……簡易版ですがバリアジャケットも起動します!ルートは指示しますので急いで!』

 

「了解!」

 

服が少し変わった気がするが、気にしている暇はない!

高町ちゃんを背負って僕はいつもあの飛行方法で逃げる!

 

『飛行魔法は使えないのですか!?』

 

「生憎と、ナンバーが教えてくれなかったからね!って危なっ!」

 

下にいたなんだか黒ずくめの人が僕を狙って撃ってきた!

プロテクションでどうにかなったけど!

 

『はあ!?何考えてるんですかナンバーは!?』

 

『今それを言っても仕方ないじゃないですか!そこを左に飛んでまっすぐです!』

 

「わかった!!」

 

そして、ナンバーの指示に従い続けてなんとか僕らは無傷で山を降りることができた。

そこに待機していた車に乗っていたウーノさん……車はレンタカーだとか……と合流して、なんとか助かった。

あの黒い服の連中は一体……

 

ただ……問題はそれだけには終わらなかった。

合流した直後のことだ。

 

「あ、ありがとねウーノさん」

 

「いえ。こちらも遅れて申し訳ありません。そちらの方は?」

 

「ああ、こっちは僕の知り合いの魔法使いの……ってあれ?まだ起きてない?」

 

隣に座らせたけどまだ起きてない高町ちゃんを揺さぶる。

 

「ふにゃあ?あ、おはよ……」

 

「うん、おはよ……大丈夫?」

 

……こころなしか普段より顔が赤いような気がする……

 

「えっ?うん、大丈夫だよ。なのはは大丈夫……」

 

そう言うと。パタッと。なのはちゃんは倒れた。

 

「っ!!なのはちゃん!」

 

とっさにシートベルトを外して体に触れる。すごい熱があるじゃないか!

 

「っ、ウーノさん、電話貸して!なのはちゃんの家に連絡する!」

 

起きた問題。それは、なのはちゃんの風邪が深刻化した、ということだ。




なのはちゃん、戦線離脱(戦ってないのに)です。
原因?過労からくる体調不良と風邪です。多分。
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