海鳴市での、なつやすみ   作:あおい安室

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お待たせしました。
……はしょりまくったシーン多いけど、書くのがしんどい。


8/15.5

さて、次は夜の話だ。

あの夜は……すごかったなぁ。というか、人が多かった。

当初の予定を超えてたし。今思えばあのメンツに僕がいたのが不思議だ。

 

 

夜の夏目家。そこには怒っているウーノさんがいた。

 

「確かに仲間に入れるかどうかは好きにしろと言いました……好きにしろと言いましたが!!

なんで鉄鎚の騎士以外も連れてきたのですか!?」

 

ウ、ウーノさん怒らないで……

でもさ、僕にも悪気はなかったんだって。それに予想なんてできないし。

 

あの時、ヴィータちゃんははやてちゃんと部屋を暗くしてホラー映画を見ていたらしく。

それであんなに大騒ぎになったそうだ。

で、時間を置いて話したところ、大方同意。詳しい話を詰めるとかいってこっちに来たのだ。

……しかし。

 

「そうそう。怒鳴らなくてもいいだろ?戦力は多いに越したことはないし」

 

いつも通りの雰囲気なヴィータちゃんに加えて、僕の見覚えのない人がいた。

 

「どちらにせよ、あの通り魔のような存在は私も許せなかったからな。手を貸すことは別に構わない」

 

ピンク色の髪のまるで侍のような威厳のあるお姉さん、シグナムさんと。

 

「え、えっーと……とりあえず、お茶の準備をしましょうか?」

 

金髪のおっとりしたお姉さん、シャマルさん。

 

「やめろ。犠牲をここでも出す気か」

 

そして、犬耳の生えた男の人。ザフィーラさん。

みんなヴィータちゃんの仲間らしい。かつ、魔法使いなんだとか。正確には騎士らしいけど。

……で。

 

「ほほう?君、あんな綺麗なお姉ちゃんおったんやな」

 

なぜかはやてちゃんまでいる。というかはやてちゃんも魔法知ってたんだ。

魔法関係者多くないかな。海鳴市はいったいどうなっているんだ。

……いや待て待て。夏目家の人明日帰ってくるんだけど。

 

「それまでに帰ればええやろ?あるいは君が私のことを彼女として紹介してごまかすとか」

 

「十年早い!」

 

「同い年の癖に何を言っとるん?」

 

「僕は小学五年生だけど?」

 

「そのなりで?嘘つくんもたいがいにしぃ」

 

怒るよ?なんだこの不毛な争いは。

 

「それ以前に、お前本当に何やってんだよ。まさかお前も魔法使えるとか予想してなかったぞ」

 

「それはこっちのセリフだよ。なんでヴィータちゃんまで魔法使えるのさ。しかも仲間もいる。うらやましいよ」

 

「そうか?まあ、それは置いておくとして。アジトを見つけたっていうのはウーノ。お前なんだろ?」

 

そう言ったヴィータちゃんの目は、本題に入れ、と言っている感じだった。

 

「ええ……ああ、そうですね。先に皆さんに言うのを忘れていましたね。言っておくのがフェアでしょう。

私は皆さんの事情を知っています。何もかもを知っています」

 

「……だろう、な。それくらいは予想していた」

 

そう言ったのはシグナムさん。

ヴィータちゃんたちの事情って何なんだろう。ナンバーもウーノさんも教えてくれないし。

 

「ええ。ですが、約束しましょう。私は皆さんの事情を話さない。同時に。あなた達にも私達のことを話さないでもらいたいのです。私も彼も多少訳ありですので。

また、彼には皆さんの事情を話していません。知られていない方がやりやすいでしょう?」

 

「……その判断に感謝する。わかった、約束しよう。それに、あるz……んんっ。

はやてとヴィータ曰わくお前はともかくその少年は信頼できそうだからな」

 

……ありがたいと思うべきなのかな、これ。

 

「ですね。しかし、どうしてその少女……はやてを連れてきたのですか?見たところ足が不自由のようですが」

 

「そのことでは私たちも止めました。ですがどうしても聞いてくれなくて……」

 

そう言って申し訳なさそうにしたのはシャマルさん。はやてちゃん、何を考えているんだ?

 

「だって他の魔法使いに会いに行くってヴィータが言ったから私も興味がわいてきたんよ。

その魔法使いがこないだの君やったとは思わんかったけど。

……加えると、通り魔倒しにいくとは思わんかったけど」

 

そのことは少し前にウーノさんがサラッと言っちゃったんだっけ。

ヴィータちゃんたちがあちゃーって顔してたけど、まさか説明していなかったとは。

 

「……やっぱりはやてちゃんは反対?」

 

「当然……と言いたいんやけど。ヴィータがやる気やしなぁ。それに私が反対しても君は行くんやろ?」

 

「……もちろん」

 

「やと思った。それで君がもしも死んでしまったら、私の友達が減ってしまう。そんなんは嫌なんよ。

だから、反対はせんし、ヴィータ達を止めることもせん。

その代わり、絶対に生きて帰ってくること。わかった?」

 

「はやてちゃん……ありがとう」

 

「あ、お礼はええよ?いずれこの貸しは返してもらうから。利息付きやで」

 

「えー?」

 

「なんや、そのえー、は。ヴィータだけやなくてシグナム達に手伝ってもらえるのに不満か」

 

「ヴィータちゃんならともかくはやてちゃんへの貸しはなーんかとんでもないことになりそうだから」

 

「なんやとー!?」

 

わ、車椅子こっちに進めてくるな!!轢かれるっての!

 

「は、はやてちゃん……止めなくていいんでしょうか」

 

「別に大丈夫だろ。あれじゃれあってるだけだ。それにあいつを見ろ。全く手出ししてないから多分はやては怪我しねぇよ」

 

「そういう問題ではないかと思われますが。まあいいでしょう。今のうちに作戦を詰めましょう」

 

「わかった。まず最初の計画を教えてほしい」

 

なんで全員放置するのか!?助けてよ!?

 

「……すまない。はやてが楽しそうなのでな」

 

鬼ぃ!!悪魔っ!!

 

 

 

海鳴市はいくつかの市と隣接している。そこには山を通って向かうルートもある。

そのルートには既に使われなくなった空き家がある。

その中の一つに通り魔とナイトウカズマが入るのを見たらしい。

 

「……こっちは動きはないよ。シグナムさんの方はどう?」

 

僕はそのアジトを少し離れた森から見張っていた。ウーノさんとヴィータは別行動をしている。

また、僕のそばにはシャマルさんがいた。

なんでもシャマルさんはサポート専門らしい。状況の観察をしつつ、シャマルさんの護衛をする。

それが僕の役目だ……ヴィータちゃんが僕を戦わせないって言ったのもあるけど。

それと万が一に備えて、だとか。

ちなみにザフィーラさんは夏目家に残って念のためにはやてちゃんの護衛をしている。

 

『今のところはないな。車は一台もこっちの道を通ってないぞ』

 

そして、シグナムさんはここから離れた場所から見張りをしている。

ウーノさんが調べたところ、ナイトウカズマは普段あのアジトにはいないらしく、車で外出しているとのこと。

フリージャーナリストと偽っている身分が幸いしたとか言ってた。

もし今日彼が現れたら、彼も押さえたいので念のためこっちに車がこないか見張ってもらっているのだ。

わざわざシグナムさんが行く必要はないと思ったけど、不測の事態に備えて別の場所から動ける人が必要だろう、とのこと。

それに通り魔程度、ヴィータにサポートがついていれば十分だとか。

 

「……そろそろ時間だね。シャマルさん、お願いします」

 

「わかりました。それじゃ、いきます!」

 

シャマルさんはそう言って指輪型のデバイスを起動して、結界魔法を起動する。

家を隔離して追い込む作戦らしい。

そんな便利な魔法があるのなら早く教えてよ、ナンバー。

 

『私は教えることは出来てもマスターは適正がからっきしなんですよ。燃費が最悪なので魔力をたくさん使えないマスターとは相性も当然最悪です。だから教えるだけ無駄です』

 

「し、辛辣な……」

 

『こちらウーノ。先行して突入、人数によって戦闘、あるいは攪乱します。逃げた対象の追撃はお任せしますよ、ヴィータさん』

 

『おし、任せろ。そっちも聞こえてるだろ?シャマルのこと、しっかり守れよ』

 

「了解。そっちも気をつけてね」

 

ウーノさん達からの報告に同意を示す。

……というか。

 

「なんでウーノさんあの格好で潜入役なんだろうか」

 

あの人体にぴっちりした青色のボディスーツ着てアジトに潜入してるんですよ?

あれプロテクター何カ所かついてるけど、なんかおかしいって。

 

「レアスキルが潜入向きだから任せて欲しいとか言ってましたけど……さすがにあの格好は無いですよね。はやてちゃんには好評でしたけど。予備があったらシグナムにも着せたかったとか言ってましたし」

 

「というか、はやてちゃん本当に女の子なの?視線が思いっきり胸に行ってて手わきわきさせてたような……」

 

「お、女の子ですよ?でも、あれを迷わずに着て全く恥ずかしがらないウーノさんもどうかと……」

 

なんか両方とも手遅れ過ぎる。

 

『私はドクターの命令で着ているだけです。文句はこれを作ったドクターに言ってください。私に言われても困ります』

 

「そのドクターさんがこの子に悪影響を与えてないか私は心配です!」

 

シャマルさんの言葉には否定を示すけど、ちょっとドクターともウーノさんともつきあい方考えるべきかなと思った。その……変態っぽいし。

 

「というか会話してるってことはもう終わったの!?」

 

『……いえ、もう終わっていた、というべきですね』

 

え?どういうこと?

 

『あなたには見せるのには早すぎる光景です。いえ、見る必要の無い光景ですね。すみません。シャマルさんは治療魔法が得意でしたね。シャマルさんとヴィータさんを交代させてください。結界は念のために維持してください。シグナムさんは継続して偵察をお願いします』

 

『わかった。何か見つけたらすぐに報告する』

 

「あっ……わかりました。現場は部屋の中のみですか?」

 

『はい。私の見立てではほとんど手遅れですが』

 

「そうですか……すみません。ヴィータちゃんが来たら交代して向かいます」

 

本当にどういうことなんだろうか。手遅れ?何が?

 

 

 

それから少ししたらヴィータちゃんがこっちに来て交代してシャマルさんはウーノさんのところに行った。

何があったのかヴィータちゃんに聞いてみる。

 

「あー……言ってもいいのか?ちょっとエグいぞ。どうせ知ることになるだろうけど、後悔はしないか?」

 

「後悔は……しないよ。エグいって言ったよね。まさか、通り魔が死んでたの?」

 

「いや、通り魔らしきやつは生きていたぞ。聞いて驚け、かなりの実力の魔導士だ」

 

「やっぱり通り魔は魔道士だったのか。誰も姿を覚えてないのが不自然だってナンバーも言ってたし」

 

「ウーノがあいつの持ってたデバイスのデータを解析して判明したんだ。あいつ、割とすげえな。ただ、通り魔は傷がひどくて意識も無い。シャマル曰く命に別状は無いらしいぞ。

死んでいたのはおそらくだけどサイトウカズマの部下だ。死体の中にサイトウカズマからの命令を記している手記を持っているやつがいた」

 

「部下が死んでいた?」

 

なんで、死んでるんだ?

 

「わかんねぇ。口封じか、あるいはナイフに血を吸わせたんじゃないかってウーノは言ってる。血液も少ないらしいし。おまけに通り魔が持っていたというナイフは見つかってないし、死体の中にサイトウカズマもいねぇ」

 

「となると、サイトウカズマがナイフを持って逃げたのが妥当かな?」

 

ロストロギアは確か遺跡からの発掘品だ。で、サイトウカズマは密輸人。どこかに売るってことか。

 

「多分な。そうだとしたらヒントはある。サイトウカズマとやらは魔法は使えないらしい。だとすれば車とか徒歩とかで移動してるだろ?それでどこに向かったのかは調べる方法はあるってウーノは言ってたぞ」

 

「そっか。じゃあそれで追いかければ良いんだね」

 

「おう。追いかけるのはウーノがやるらしい。1日で済ませるから心配するなって言ってた。ただ、シグナムは最後までつきあうつもりらしいぞ。あいつ出番無かったし……まあ、アタシもだっけ?まあいいや。これでひとまずは終わりだな。お疲れさん。さて、早いとこ帰って明日の祭り、楽しもうぜ」

 

そうだ。そういえば明日は祭りだった。これでひとまずは通り魔は捕まったし。

サイトウカズマが不安だけど……まあ、大丈夫だろう。

 

それから。僕とヴィータは先に家に帰り、ヴィータちゃんとザフィーラさんにつれられてはやてちゃんは家に帰った。お疲れ様、というメモと一緒にささやかな食事をはやてちゃんが作ってくれていたのがうれしかった。

しばらくしてウーノさんも帰ってきたけど、なんか怒ってた。「チンクを動かしていたのなら先に連絡してくださいよドクターっ!」とか言ってた。どういう意味だ。




次回は……どうなんだろ。今日中にいけるかどうか未定です。
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