なんで何回もミスるんだろ。本当に調子が悪いのかな……
こんばんは、ヴィヴィオです。
家……もとい、ラボに帰った私たちを待ち受けていたのは。
「や、やっと帰ってきた……なんで早く帰ってこなかったの?」
なんというか、満身創痍な感じでくたくたのキリエさんでした。
「だ、大丈夫?」
「これが大丈夫に見えるのならあなたはアミタ並みの頭脳ね……」
「アミタ?誰だそやつは」
「あ、口が滑っちゃった?今のはオフレコでお願い。でないと……」
その時。
「ふむ、君の兄弟機の名前かね?」
ぬっとキリエさんの後ろからドクターが現れました。
「うぇっ、スカリエッティ!?」
それに怯えてディアーチェの後ろにキリエさんは隠れます。
「……ドクター、キリエさんに何したの?」
「ふむ。彼女の全身を検査しただけだが?」
「検査?」
「ああ。彼女の体は面白い構造だからね。興味があったので眠っている間にいろいろとしたんだが」
「ドクター、それって犯罪だとヴィヴィオは思います!」
「そうよそうよ!デリカシーのない男は嫌われるって言うわよ!」
眠っている間に女性の体を調べるのは普通にいけないことだと思います!
「いやぁ、全身機械の存在に出会えるとは思わなくてね。ついやってしまうのさ。正直もっと調べたんだが……」
「ひぃぃ!!ちょ、王様ー!今からでも遅くないからあたしと一緒に逃げましょうよ!!」
キリエさんはすさまじい勢いで怯えます。ドクター、本当に何したんだろう……
「断る。ここは割りと居心地がよいのでな。それよりドクター、今面白いことを言わなかったか?全身機械、とな」
あ、確かに。
「……といったように。彼女は私の製作している戦闘機人の一種での到達点、あるいは究極型とでも言える存在なのだよ」
食事中に、ドクターが丁寧に調査結果を元にキリエさんの体について説明してくれました。
ちなみにキリエさんはドクターから一番離れた席で食事しています。
それで、ドクターいわく、キリエさんの体は肌や髪の毛など生体……生き物のパーツと、心臓などの臓器や骨格などが機械のパーツでできているそうです。。
ほぼサイボーグですが、脳や神経なども機械のためロボットに近いとか。
戦闘機人、つまりナンバーズはそのあたりは違うとのことだそうです。
「なにか怪しいとは思っていたが、貴様人体改造まで手を出していたとはな」
話が終わると、ディアーチェはドクターに怪訝そうな目を向けます。
話の過程で自分がそういうことをしている、とドクターは話したのですから。
私からしてみればもう慣れてますけど。
「おや、幻滅したかい、ディアーチェくん?」
「いや、ある程度予想はしておった。別に気にしてはおらん。おらんが……キリエ、貴様の方が問題だ。貴様、一体何者だ?」
そうです。キリエさんはロボットだといいますが、一体何者なんでしょうか。
「あはは……ミステリアスなお姉さん、じゃダメ?」
「ダメに決まっているだろう。ヴィヴィオとドクターはまだ信頼できるが、貴様の謎は解消されておらん。何故貴様が我に手を貸したのかも明かしておらんからな。ことと次第によっては、ここで叩きのめしてドクターに引き渡すぞ」
「うぇぇぇ!?ちょっと王様横暴すぎじゃないですか!?」
「ほほう、いいじゃないか。ディアーチェくん、叩きのめすのなら片手片足は潰しても構わないよ。片方残っていれば問題はない」
「ひぇぇっ、スカリエッティはもうあたしが叩きのめされる前提で話してるし!助けてヴィヴィオちゃーん!」
……えっと。こういうときは……
「すみません。怪しいお姉さんをかばう理由はないです」
「ですよねー。そうですよねー。あたしに味方はいませんよねー」
ヴィヴィオもキリエさんの正体が気になりますし。
「さぁ、全て吐けキリエ。今なら我もすぐに矛を納めてやるが、抵抗すれば容赦はせんぞ」
「その通りだよ、キリエくん。このラボにはいろいろと仕掛けがあるからね。私たちを倒せたとしても逃げ出せるとは思わない方がいい。いざというときはラボごと自爆させる用意もある」
「なんで自爆の用意があるの!?というかわかりました、話します話します!全部話しますからぁ!!」
……でも、ちょっとくらいはキリエさんに味方してあげてもよかったかなー、と思います。
なんというか、普通に強そうなディアーチェさんと、もはや語る必要もないくらいに強いドクター相手にしてますから、かわいそうですし。