海鳴市での、なつやすみ   作:あおい安室

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アリサちゃんメイン回。ツンデレって難しい。


8/6

今になって思えばあの吸血鬼の本で読書感想文を書こうと思った自分がよく分からないね。

先生どころじゃない、同級生皆になんでそんな本で書いたんだって驚かれた。

まあ、内容は結構面白く、それでいて切なくて良かったけど。

後日それを電話で話したら横にいたバニングスさんが笑ったそうで。

作品のファンでもあった月村さんが説教したそうです。

さて、次は8/6だ。あの日は学生の本分、勉強を頑張ってたっけな。

 

 

 

「あ、その計算間違ってるわよ。2段目の計算見直しなさい」

 

「え?……本当だ。よく気づいたね」

 

「付け加えるとその前の回答の記述、ちょっとわかりにくいわよ。ほら、こんな感じに書き直してみたら?」

 

「なるほど。ありがとね」

 

僕の宿題のアドバイスをしてくれるのはありがたいんだけどさ……。

 

「なんでバニングスさんがここにいるのかなぁ。高町ちゃんを誘ったはずなんだけど」

 

で、ちょっとお店が忙しいからって断られたんだけど。

 

「そのなのはから行ってあげてって、頼まれたから、仕方なく来ただけよ。ありがたく思いなさい」

 

どうしてそういう考えになった高町ちゃんよ。

 

「というか昨日すずかとお出かけしたって聞いたけど?なのはも聞いてなくて、自分も行きたかったって言ってるんだけど」

 

年下の女の子と二人だけで本屋に行ったことを誰かに言うわけが無いでしょうが恥ずかしい。

 

「というかお出かけと言っても単純に読書感想文用の本を買いに行っただけだって」

 

「私もなのはもすずかと一緒に本屋に行ったこと無いんだけど」

 

「二人とも本を読みそうなイメージが無いからじゃない?少なくとも僕にそんなイメージはないなぁ」

 

「どういう意味よ。じゃあ、あなたにとって私たちはどんなイメージなのかしら?」

 

うわ、怒ってる?……それはともかく、イメージか。

 

「とりあえずすずかちゃんは吸血鬼なのは確定かな」

 

「どうして吸血鬼なのよ?」

 

「吸血鬼みたいに人を魅了するのとミステリアスな雰囲気があるから」

 

「なんか納得してる自分がいる……なのはは?」

 

うーん……

 

「猫娘?『にゃっ!』ってたまに言ってるし」

 

高町ちゃんのくしゃみが聞こえたのはきっと気のせい。

 

「にゃっとく……ンンッ!納得ね。じゃあ私は?」

 

「狼男!」

 

即答。第一印象から決めてました!……冗談。

 

「ちょっと、女ですらないじゃないの!喧嘩売ってんのアンタ!?」

 

「あ、飛びかかってくるなって痛い痛い痛い!やめてよバーニングスちゃん!?」

 

「私はバニングスよ!!」

 

「ぬわぁぁぁ!!」

 

ほ、本当に容赦ないって!だ、誰か助けて!?それに喧嘩売ってるのはバニングスちゃんだし!!

 

 

「……女の子に喧嘩で負けた」

 

「ふんっ!人を馬鹿にするのが悪いのよ!……まあ、やりすぎたけど」

 

悔しい以上に情けない……まあ、女の子に手を挙げる訳にはいかないから、こっちからは手出ししてないんだけど。

 

「痛っ!口の中どっか切れたかな……」

 

「……悪かったわね」

 

「何か言った?」

 

「別に。とりあえずそろそろ時間も遅いから私はもう帰るわね」

 

「そんなに経ってる?……うわ、もう4時半か」

 

「うちの門限は5時くらいだからね。それじゃ、私もそろそろ鮫島を呼ぼうかしら」

 

「鮫島?バニングスさんの家族の人?」

 

「私の執事よ」

 

お嬢様二人目ですかそうですか。

……月村ちゃんといいなんで高町ちゃんこういう人と知り合いなんだ?

 

 

「そういえば一つ気になってたんだけどいい?」

 

「月村ちゃんに続いてバニングスちゃんからも質問ですか……やっぱり呼び方?」

 

「いや、それは別に気にしてないんだけど、あなたの付けてる腕時計よ。見たことの無いデザインだから気になったのよ。どこのメーカーのものなの?」

 

僕の付けている腕時計。デザイン的には最近の腕時計らしい流線を多用したデザインのアナログ時計だ。

青色の本体に水色の時計盤。銀色の針と刻印がある、時間を見る機能しかないシンプルな腕時計。お気に入りだ。

 

「あー……これ実はメーカーの作ったものじゃないみたいなんだよね」

 

「メーカーの作ったものじゃない?ってことは……もしかして手作り?」

 

「たぶん」

 

「たぶんって……さっきから曖昧な答えね」

 

「ちょっと変わった経緯で手に入れたんだよ。前に僕の住んでたところには展望台があったんだけどね?そこに行った時にそこにいた博士みたいな人から貰ったんだ」

 

紫色の髪の……おじさん、というには若いけどお兄さんというには老けてる感じの人から。

もしかして髪の色的に月村ちゃんの親戚なのかな。今度聞いてみようか。

 

「それは確かに変わった経緯ね……爆弾が仕込んであったり、スパイとかが使いそうな道具が入ったりしてないの?」

 

「まさか。それは僕も最初は思ったけどそんな機能はさすが無かったよ。というかあったらおかしいって」

 

「ふうん……まあ、いいわ。なかなか良いデザインじゃないかしら」

 

「それは僕も思ってる。一生大切にするつもりだよ」

 

それから数分後、バニングスちゃんの迎えが来て、バニングスちゃんは家に帰っていった。

 

「……良いデザインだってさ、ナンバー?」

 

バニングスちゃんを見送った後。僕は周りに誰もいないのに、問いかけるように声を発した。

 

『うれしい言葉ですね』

 

しかし、その言葉に答える存在がいた。

僕の持っている青い腕時計……名前は『ナンバー』だ。

 

「ところで、本当に爆弾が仕込んであったり、スパイとかが使いそうな道具が入ったりしてないの?」

 

『仕込んで欲しいんですか?出来なくも無いですが材料が必要ですね。それに、今の私に不満でも?』

 

「……割と」

 

『マスター!?この世界におけるあこがれとも言える魔法の杖のような私が不満ですか!?』

 

……そう。もらった経緯はバニングスちゃんに話したとおりだけど、一部話していないこともある。

 

あの博士のような人は僕を見たときに「こんな世界でもそれなりに才能を持っている人がいるとはね。ああそうだ。君にこれをあげよう」、とかおかしなことを言っていたのだ。

 

もらえるものは一応貰う主義な僕はとりあえず貰っておいたけど、後で急にその腕時計がしゃべり出したから驚いた。その腕時計は自分をナンバーと名乗り、さらに自分は魔法の杖のような存在だとか言い出した。

 

後自分は基本機能はインテリジェントデバイスであり、メインの処理機能はストレージデバイスにも匹敵するデバイスとかどうのこうの。「つまり私はインテリジェントデバイスの中でも特別なデバイスなのです!すごいですよね、ね?」とかかわいく聞かれた。

インテリジェントもストレージも全く意味はわからないけど、とりあえず君が女の子の人格なのは分かった。

 

ちなみにナンバー曰くあの博士のような人は自分の生みの親で、魔法に関する博士のような存在らしい。

ナンバーに習って僕はあの人をドクターと呼んでる。医者なのか?

 

「や、だって魔法あんまり教えてくれないよね?」

 

『それはマスターの実力を見て安全なレベルのものしか教えてないだけですよ?

ですが、なんでバインドとフローターフィールドだけで空中に階段作ったりして空を飛ぶんですか。私の処理機能による術式の簡略化などの調整が無ければ魔力切れで落下死するところでしたよ?

それに普通に飛行魔法だって存在しますし、私も記憶しています。教えるまで待てとあれほど言ったのに……』

 

「この世界には結果オーライという言葉があってだね」

 

『マスターもその言葉も信用できません。一応あなたは私のマスターなので死なれては困ります』

 

これは手厳しいなぁ。さて、今日も魔法の特訓頑張らないとね。

……将来この魔法が何の役に立つかわからないけど。

ナンバーと相談して魔法が使えることは親にすら明かしてないし。

まあ、楽しいから特訓してるんだけどね。




博士みたいな人は皆さんの予想であってます。
で、地球にはたまたま訪れていただけで、主人公がそれなりの大きさのリンカーコアを持っていて興味を持ってたまたま持っていた試作型のデバイスを渡したようです。
元々2つのデバイスを一つにしたもののようで、魔法の調整をインテリジェントデバイスの部分が行い、使用はストレージデバイスの部分が行うという設計により、両方のいいとこ取りをした感じです(ぶっちゃけ適当)。
ちなみに主人公の魔力量のランクはC寄りのBくらいです。B-くらい?


2018年2月2日、ナンバーがまだまともなのに驚きつつ改稿。
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