海鳴市での、なつやすみ   作:あおい安室

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魔法少女マジカルなのはさん、そろそろ出番ですよ。


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ナンバーは僕にとっては相棒みたいな存在で。あれから何年も経った今でも大切にしてる。

時々余計なこと言うけど。後に会うとある女の子には仲が悪いの?と聞かれたけど。

実際の所悪友みたいな感じなのかな。

ああ、そうそう。その翌日は初めて魔法使いの友人が出来た日だったね。

……あの出会いは一生忘れることは無いだろう。

付け加えると僕のやってる飛行方法。あれ今でも時々やってる。楽しいしね。

 

 

 

「うーん……やっぱり朝だとそこそこ涼しいね」

 

『……4時半だとさすがにそうですよ……私は眠いです』

 

時計が何を言っているのか。

早朝。僕は一人街を歩いていた。

夏目家の人にはカブトムシを捕りに行く、あるいは涼しいうちに運動をしたいからって言ってある。

かえでさんも一緒に行くとか言ってたけど、この時間帯に起きれなくて断念している。

ちなみにかえでさんが昔使っていたという伸縮式の虫取り編みも借りている。物持ち良いですね。

……まあ本音のところは。

 

「さて、そろそろはじめよっか。魔法の準備と周りの検査よろしく」

 

バニングスちゃんと話して、ひさびさに魔法を使いたくなったからだ。

やってきたのは海鳴市にある山だ。カブトムシもそれなりにいると思う。

 

『しょうがないですね……まあいいでしょう。デバイスらしい仕事も最近してないので。

人間と断定でき、活動している生命反応は付近に無し。飛行開始後の私は基本的に黙りますのであしからず。まあいつものことですが。

バインドの安全な使用数を本体でカウントしておきます。緊急時はフローターフィールドを展開する準備をしておきますのでご安心を』

 

その言葉の後、時計盤の表記が変わる。

アナログ式からデジタル式の表記になり、バインドの使用できる回数が表記された。

10000回は超える数だけどね。

形状をある程度なら変える機能がナンバーには備わっており、それを活かした方法だ。

 

「いつもありがとね、ナンバー」

 

『いえいえ。では、よい飛行を……私まで癖になっちゃったじゃないですか、あの飛行っ』

 

「何か言った?」

 

『いえ、別に?何も言っておりません』

 

「それならいいけど……それじゃ、行こうか!」

 

そして、僕は手を上げ、手から適当な高さの木の枝までチェーンバインドを伸ばす。

それを木の枝と体を結びつけ、バインドを縮めることで体を空中に移す。

そして片方の手から、別の木の枝にバインドを伸ばし、先ほどまで使っていたバインドを解除し、まるでターザンのように移動する……

この動作をだんだんスピードを上げていくことで、僕は空を飛んでいく!

 

「これだよ、これ!これが楽しいんだよ!!」

 

気分はまるで、スパイダーマン!僕にとって一番好きな運動!

 

「さいっこうに!ハイってやつだぁ!!いぃぃぃやっほぉぅ!!」

 

そして、これを堪能したら、カブトムシをのんびり探して家に帰る……そのつもりだったんだけどなぁ……

 

 

 

『マスター、緊急連絡です。一旦停止を』

 

「え、了解」

 

木の枝にバインドを付けたまま、揺れが収まってからバインドを伸ばして地面に着地する。

 

『お楽しみの所すみません。ですが気になる反応をキャッチしました』

 

「どんな反応?」

 

『……魔力の反応です』

 

え?

 

『しかも人間と思われる生命反応も確認できるのでおそらく魔導師ですね。デバイスも持っているかと思われます』

 

「本当!?もしかして僕と同じ感じかな?」

 

『どうでしょうか。距離はそこそこ離れていますが、マスターなら十分いける距離ですね。行きますか?

ですが万が一敵対する存在だった場合は面倒です。念のため私の記憶している幻術魔法で相手から確認されにくいようにしますが、音とバインドはどうにもならないので注意を。対象までの距離をこちらでのカウントに加えますが……本当に行きます?』

「もちろん!他の魔法使いも気になるしね」

 

『魔法使いではなく魔導師……いえ、なんでもありません』

 

こうして僕はもう一人の魔法使いに会いに行ったんだけど……

そこで見たのは驚きの光景だった。

 

 

 

「49、50!51、52……」

 

指先から桃色の光弾を飛ばして、空き缶を空中でリフティングさせる女の子がそこにいたのだ。

それだけでも十分すごいんだ……だけど……

 

「なんで高町ちゃんなんだ……」

 

『やっぱりかー』

 

僕の海鳴市初の友人、高町なのはちゃんだった。なんで?なんであの子が魔法使いなの?

ちなみに僕は木の上から高町ちゃんを眺めている。

 

「というか、なんなのさそのやっぱりかーって?」

 

『いえ、時々強力な魔力を感じたので、確認してみると彼女だったのです。ですが……魔導師だなんて想像できませんよ。この世界には魔法を習得している以前に使える存在は稀ですから』

 

だよねぇ……僕もそれなりにレアらしいし。

 

『しかもあの特訓、それなりにハイレベルですよ。あの子、よっぽど腕のある魔導師ですね』

 

「……ひょっとして僕よりも上手だったりする?」

 

『おそらくは』

 

僕はあの子に勝てる要素は年齢以外でないのか。

「63、6よにゃっ!?」

 

そんなことを話していると、まだ続いていた高町ちゃんのカウントが途切れた。

その瞬間。目の前にはあの空き缶があった。って高町ちゃんリフティングミスってこっちに飛ばしてきたのか!?

まずい、よけられない!

 

「ぐえっ!?」

 

『あっ、プロテクション忘れてました』

 

ナンバー後でぐつぐつ煮込む!とか考えてたけど。バランスを崩してしまい、僕は木の枝から落下する。

そして、フローターフィールドが展開されて落下は防げたけど……

 

「ふええっ!?だ、誰なの!?」

 

まあ、フィールドの魔方陣+幻惑魔法が衝撃で解除されてばっちり見つかる訳だよね……

 

 

 

「え、えーっと……その……魔法少女はじめてます、高町なのはです」

 

きっちり魔法使いであることがバレました。で、お互い混乱してるわけで。

 

「ナンバー、こういうときどう返答すれば良いのかわからないんだ」

 

『笑ってみるのはどうでしょうか』

 

というか笑うしか無いよ。

 

「あはは……まさか私以外にも魔法使える人が海鳴市にいるとは思わなかったの……」

 

「僕の場合は初めて会った他の魔法使いがまさかの友達でしかも魔法少女だなんて思わなかったよ。というかなんで魔法使えるのかな魔法少女マジカルなのはさん」

 

「そ、そう言われると急に恥ずかしくなってきちゃった……その、いろいろあったんだよ」

 

いろいろって返答が多いね、高町ちゃん……

 

「……とりあえず。この事はお互い内緒にしようか。高町ちゃんはこの事って家族に話してる?」

 

「ううん。心配されるだろうし……いつかは話さないとって思ってるんだけど」

 

「そうだよね。僕も同じ意見かな。今日のことはひとまず内緒にするってことで」

 

「わかった。あ、そうだ!まだ時間ある?良かったら私と一緒に魔法の特訓しない?」

 

特訓に年下から誘われるっておかしくないですか?

 

「残念ながら僕バインドくらいしか使えないしまた今度ね」

 

「そう……ああっ!?れ、レイジングハート、今って何時!?」

 

レイジングハート?高町ちゃんにとってのナンバーみたいな感じのやつかな?

 

『現在5時54分ですね』

 

高町ちゃんの声に答えるように女の人の声がした。レイジングハートとやらも女性の人格なのか……もしかして流行?

 

「やっぱりもうそんな時間!?急いで家に帰らなくちゃ!ごめん、また後でね!!」

 

「あ、うん。またね、高町ちゃん……」

 

高町ちゃんは急いで山を下りていくけど……

あ、転んだ。すぐに起き上がったけど……また転んだ。

 

『運動神経が悪いのでしょうか』

 

「かもね。さて、僕らもそろそろ帰ろっか」

 

『ところで虫取り網はどこですか?』

 

「え?……やばい、飛んでるときに落とした」

 

それから20分くらい後、網をなんとか見つけて家に帰れたけど。

当然ながらかえでさんに結構しかられた。ああ、疲れた……

 




そういえばいつも気になってるんだけど『魔法少女リリカルなのは』のリリカルって単語はどこから出てきたんだろうか。地味に気になる謎。
後スパイダーマンは東映版がそれなりに好きです。
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