こんばんは、ボクだよ。
夜の時間だと少し落ち着くね。年を取ると午前中にこういう話をするのがどうもしんどくてね。
「まだ君20代前半やろ。何を言うとるん?」
とかやいてたら、隣の八神さんに言われた。失礼な。
「ほかの人と比べると経験したことの密度が濃すぎるんだって。魔法関係のことで僕もいろいろと苦労してるの」
「んー?それ自分知らんうちにとんでもないものを抱えてて、行く先で大抵犯罪者め……とかなんとか言われながら、頑張ってなりあがったわたしに対しての侮辱?」
八神さんの方がすごかった。というか、普通にすごすぎた。
時刻はもうすでに夜。みんな僕の家に集まっていた。元々誕生日が近いってことを八神さんから僕が聞いた時に、「せっかくだからうちに来る?」って言ったら本人があっさりOKを出したのがきっかけで、わざわざ休暇をとって八神さんが地球に帰ってきてくれたのだ。
ちなみに、高町さんとフェイトさんは仕事の予定があるらしく、参加できなかった。なんだか申し訳ない。今度誕生日祝うから。
……そういえば、フェイトさんの誕生日っていつなんだろう。真面目に知らないな。
「ま、まぁまぁ二人とも、喧嘩しないで、ね?」
それはともかく。見かねたシャマルさんが仲裁に入ってきた。
「むー。シャマルに免じてここは引いたるわ……ところでシャマルキッチンに入ってないよね?」
「大丈夫、アタシが全力で阻止した。安心してくれはやて」
「ヴィータちゃんとはやてちゃんが酷い……私だって頑張ってるのに……」
「頑張っても結果が出てなかったらどうにもならん」
間違ってはないんだけど、その言葉は今のシャマルさんには毒ですよ。まあ、否定はできないんだけど。
「はいはい、二人とも遊んでないでそこどいて。ケーキ持ってきたわよ」
「おおーっ。それ翠屋の新作ケーキやな?」
遊んでた僕らをジト目で見つつ、バニングスさんがケーキを持ってきた。
八神さんの予想通り、翠屋の新作ケーキだ。しかも、特注。なのはの親友だからって桃子さんが本気を出したのです。後、八神さんが料理得意だから八神さんへの挑戦状も兼ねているそうな。
大人げないですよ、桃子さん……
「別にええよ。本職のパティシエからの挑戦状……受けて立つっ!」
「はやてちゃんの本職は管理局員だから、受けて立っちゃだめだとリインは思います」
……ちょっとだけ見てみたいかもしれない、それ。僕もやれって?一人暮らしは長いけど、さすがにあの二人には太刀打ちすらできません。
「それにしてもやっぱ上手やなー桃子さん。あの人ってなんであんなにお菓子作り旨いんやろ」
「学校卒業した後海外で修行してたって聞いたことがあるから、多分それかな」
「その話、今度詳しく聞いて見たいわ。絶対何かあるはずやからな。ところでもうそろそろ食べてもええ?誰かさんにお昼食われたからお腹すいとるんよ」
「ほう?ボク、後で廊下に出ろ」
シグナムさん怖い。というか、あれは最初にあれはやってきたのが八神さんなのですが。僕は反撃しただけだし。
「あ、その話後で私も聞くから。それじゃ、はやてちゃん!」
「「「お誕生日、おめでとう!」」」
「あはは……みんな、ありがとな?」
そう言ってはにかむ八神さんはとっても嬉しそうで。今回のパーティを準備してよかったなーって僕は思うんだ。
「「じゃあ、行こうか」」
ただし、僕に笑ってない笑顔を向けて連行体制に入ってるシグナムさんと月村さんが恐ろしいんですが。というか、なんで月村さんも怒ったんだ。誰か助けて。
『美少女二人に説教されるってある意味男の夢じゃないですか、何言ってるんですか、マスター?……ああ、もしかして二人とも、年取って少女と言えない年齢だからダメなんですかね?』
「「……ボク(くん)?」」
「誤解だっ!!」
なんてことを言ってくれるのか、バカナンバー!!
「……で、それで説教の内容はなんやったん?」
「シグナムさんからは八神さんのごはんを奪ったことに対しての説教。月村さんはなんで私も連れて行ってくれなかったのかという説教だった。方向性の違いにシグナムさんも驚いてた」
リビング。食事を楽しみつつ、八神さんに言われて録画していたバラエティ番組を見ていると、さっきの説教の内容を質問された。
月村さんってたまーに説教というか、言ってる内容の方向性がずれてる気がする。
『ふむ。本命が本人が面白がって言っている、対抗が自分の感情に気づいていない、大穴が私の気持ちに気づいて、という遠回しの発言と見ました』
「ナンバー、その口を今すぐ閉じないと、このおいしいから揚げを揚げた油に沈めて揚げるよ」
本人が今トイレに行ってていないからよかったけど、聞かれてたらどうなっていたことか。え、何八神さん。後ろ?
「うわぁ、月村さん!?いるなら言ってよ!というか聞いてた!?」
そこには目と鼻の先の距離に月村さんがいた。いつの間に。
「ふふふ……聞いてたよ?あ、ちなみに正解は本命だよ。ボクくんからかうと面白いからね」
『やったぜ!』
やったぜ!じゃない!
「あ、ところでボクくんはプレゼントなにくれるん?わたし楽しみにしとるんやけど」
わくわくしながら言ってくる八神さん。ちなみに他の人はどんなプレゼントを渡したんだろうか。
「シグナムが調理器具セット。ザフィーラがマフラー。シャマルが服。ヴィータとヴィヴィオは二人で協力してつくったウサギのあみぐるみやな」
「え、シグナムさんたちはともかく、ヴィヴィオのは初耳なんだけど」
全くそういうことしてる素振りなかったし。
「えへへー。パパに隠れてこっそり作ってましたー!」
「パーツごとに分担して今日のパーティの準備中に組み合わせて完成させたんだ。結構いいだろ?」
そういってあみぐるみを見せてくるヴィータちゃん。結構いい出来だ。
「で、私はネックレスで、すずかは本のセットよね?」
「うん。本の量が多いからみんながパーティの準備をしている間に事前に渡してたんだよ」
なるほど。用事っていうのはそれだったのか。
「どのプレゼントも大満足やったわ。で、ボクくんは私になにくれるんかな?あ、被っとったらお仕置きで」
「なんで!?」
「面白そうやから。具体的にはこのシュークリームのクリームを抜いて中身をわさび満タンにしたものを一口で食べてもらう」
エグすぎるんですが。というかそれさっきのバラエティ番組でやってたやつ。何まねさせようとしてるんですか、この人。
「八神さんには残念だけど、被ってないから。僕が用意したのはこれだよ」
プレゼントを隠していた棚からとりだして、八神さんに渡す。
「んー?ただの瓶?……あ、これ中に植物入っとる!後なんか液体入っとるみたいやけど……これ、オイル?」
「へえー。最近はやりのハーバリウムじゃない。中身は緑のかすみ草と赤いバラね。いいじゃない。どこで買ったの?私もほしいわね」
バニングスさんが解説を入れる。結構詳しいんだな。
「あはは。気に入ってもらえたら何よりだよ。ちなみにそれ、自作したからお店では売ってないよ」
「え、パパそれいつの間に作ったの!?ヴィヴィオ作ってるところ見てない!」
「会社の休み時間にちまちまと作ってた。家に持って帰ったのは今日が初めてだね」
「お前は会社で何をやっているんだ」
ザフィーラさんに突っ込まれた。でもうちの会社の社員休み時間にプラモデル作ってたりとかかなり自由なんだけど。
「まあ、作った場所がどこでもこんなきれいなものくれてうれしいわ。ありがとな?」
「どういたしまして、八神さん」
「ちなみに中身の植物はどちらもメイドインドクターだよ」
「ファッ!?」
「主、離れて!私が一太刀で切り捨てます!」
なんでそうなるのか。
「あのな、あのドクターだぞ?前科がありすぎるっての!」
『わー、ドクターの信用のなさに涙が出ますねー』
その後。ドクターにわざわざ連絡して問い詰めたところ、中の植物は季節に応じて色が変わる機能しかないとのことで、なんとか処分は免れました。
というか色が変わる機能僕も初耳なんだけど。事前に教えてよ。
『教えていたら怪しいからと使わなかっただろう?しかしウケが悪いようだな。ここはやはり爆発する花を渡しておいた方が良かったか?』
「「「絶対にやめてください」」」
『つれないなぁ。ところで私の方でもプレゼントを用意した。おなじみ管理局汚職リストだ。別にミッドチルダのネットに公表してもかまわんのだろう?』
「私がかまうわ!そんなことされたら、絶対にすぐ帰って来いって言われて誕生日にも仕事せなあかんパターンになるわ!」
『なおさら公表したくなったのだが』
全力で止めた。
ちなみに執筆時点で後編の王様ゲームのアイデアはまだ来てません。後30分で締め切りますので、アイデアのある方は急いで!