「「「王様だーれだ!」」」
「おっ、私や」
『いきなりヤバい人が当たりましたな!』
割りばしで作ったくじで王様を決めたところ、第一回は八神さん。普通にヤバいというか、質問がアウトなやつになりかねない。
「一応先に言っておくけど、明らかにアウトだったら止めるわよ」
「大丈夫やて。私もそこまでのことは言わんから。さて、誰にしよっかなー……」
「あ、ルールで個人の指名はできないからね?指名するのは番号だから。王様以外のくじに書いてるんだよ。ちなみに1番から9番までね」
僕がそういうと、何人かが割りばしを確認する。個人指名型だとヤバいことが起きかねないから番号指名型にさせてもらった。
「ふーん、そっか……じゃあ、命令や!6番はゲーム終了までにゃんをつけて喋ること!」
「地味にはやておばさんの命令がきつい……あ、ヴィヴィオは6番じゃないよ」
「同じく。というか、アウトだったら止めるって言ったばっかりなのに言うのがそれってどうなのよ」
「ふふーん。ゲームは楽しまんとな!と、いうわけで6番は誰かなー?」
見渡す八神さん。そして手を上げたのは……
「私です……」
シグナムさんだった。うわぁ。とんでもない人に当たっちゃったなぁ。本人もすっごく嫌そうな表情してるし。
「あ、主!お願いです!いくらなんでもその命令は無理です!」
「発言は受け付けん。王様の命令は絶対やからなー。ま、緩和して後3回命令が終わるまでにしといたるわ」
「主ぃ……」
……かわいそうに。というか、大丈夫なのかこの王様ゲーム。誕生日だからって許可出したけど下手したらとんでもないことになるのでは。注意しなくては。
「……」
「シャマル?何をしている?」
「にゃぁ」
「な、何をしている……にゃ?」
八神さんに言われて、慌ててにゃあをつけて喋るシグナムさん。すっごく赤面してるし。
なんというか、かわいいんだけどこう、背徳感がある。
「録画してなのはさんやフェイトさんに見せようかと」
「や、やめるにゃあっ!!」
本当にやめてあげてください。これ以上はかわいそうです。
……なのになんで不満そうなんですか、八神さん。
「ここはくっ、殺せ!とか言ってほしかったんよ……はぁー。次回に持ち越そっか」
やめてあげてください。シグナムさんのライフはもうゼロです。
「「「王様だーれだ!」」」
「また私や!」
「はあっ!?」
また八神さんか!
「ふふふ。今回は何をしよっかなー?」
「あ、主?また私をターゲットにしないでください……にゃ」
「それは番号次第やから無理やなー」
シグナムさんが崩れ落ちた。
「ねーねーパパー。シグナムさんにこの猫耳つけていい?」
「ヴィヴィオ、やめてあげなさい。というかどこから持ってきたのよ。まさか、ボクの私物じゃないでしょうね?」
ジト目を向けてくるバニングスさん。誤解です。というか本当にどこから持ってきた。
『私がこっそりと稼いだお金で買ってヴィヴィオさんの部屋に置かせていただきましたー。こんなこともあろうかと!猫耳とかコスプレグッズをコツコツとあつめているのですよ!』
「ヴィヴィオ、後でそれら全部処分しよっか」
「はーい」
『ああん、マスター親子が辛辣ぅ!というかヴィヴィオさん裏切ったな!?』
「ヴィヴィオはパパ第一なので。ナンバーははやておばさんの次だから」
さらっと酷いこと言ってるし。
「あ、猫耳はつけてええよ。……それにしても、ヴィヴィオちゃん指定できるんやったらおばさん呼びやめさせたいんやけどなぁ。ボクくん、どうにかならん?」
無理です。ヴィヴィオに何度も言ってるけど全然聞かないし。
「まあええか。それじゃ、命令!7番の人は8番を膝枕!」
「また私かにゃぁ!!」
うわぁ。またシグナムさんか。しかも律儀に猫耳装備。
「で、シグナムさんは何番なの?」
「……7番だにゃ」
おおう。じゃあ8番誰なんだろう。少なくとも僕じゃないな。
「私じゃないよ?というか、2連続ではやてちゃんが王様でシグナムさんがターゲットになるなんて、小説みたいだね」
「笑いごとじゃないと思うぞ、すずか。で、肝心の8番誰だ?」
「私です」
「8番シャマルやったんか。ボクくんじゃなかったのが残念やな」
「やめて、僕を狙うのは本当にやめて」
「……あれ?シャマルがシグナムに膝枕してもらう……?これすごい光景になるんじゃ」
さーて、そろそろトイレに行こっかな。
「あ、ボクくん。逃げたらあかんよ?」
「い、いや……男としてその光景は見てはいけないような……」
「逃げたらバインドの刑に処す」
「……目つむっていよっと」
「させるかぁ!」
うわ、八神さんが襲い掛かってきた!!
「よし、今の内だ!シャマル、早く済ませるぞ!」
「……にゃーは?」
「うぐっ!!」
「バツとして3分くらい堪能しようかしら」
「シャマル、貴様鬼にゃ!?というか楽しんでるにゃ!?」
……結論から言う。すごかった。それだけしか言わない。シグナムさんの名誉のためにも。
「「「王様だーれだ!」」」
「二度あることは三度ある!私や!」
「なんでさ!」
なんで!?なんで三連続で王様が八神さん!?
「くじに細工は……してないわね」
「単純な運で三連続で王様を引き当ててるのかよ、はやて……」
地味に恐ろしいんですが!次もまた王様だったりしないよね!?
「と、いうわけで!今度こそボクくんが当たりますように!4番は2番にいいところと悪いところを言う!」
「何がというわけだ、何が!まあ、番号は外れたんだけど」
ちらっとシグナムさんの方を見る。
「……良かった。ああ、大丈夫にゃ。やっとこの苦痛から解放される……」
なんというか、今にも成仏しそうなくらいのオーラを漂わせていた。番号は外れたらしい。
本当に大丈夫なんだろうか、シグナムさん。
「それはともかく。4番は私だけど、2番は誰なのかな?」
「あ、私です」
月村さんとシャマルさんか。中々接点のない人同士だけど、どうなるのか。
「えっと。シャマルさんのいいところは……やっぱりけがを治したりできることと、優しいところじゃないかな。昔からはやてちゃんと一緒にいるところを見るとそういうふうに感じてたし」
確かに。シャマルさんって結構優しいとは思う。ヴォルケンリッターのお姉さんって感じだし。
「で、悪いところは……やっぱり料理が下手なところ?」
「うう、やっぱりですか……」
「当たり前だとヴィヴィオは思います。もしヴィヴィオが将来勝手に倒れて死ぬことがあったら死因はシャマルさんの料理にするつもりだし」
「ヴィヴィオちゃん!?い、いくらなんでも私の料理で人は死なないわよ!!」
「……ザフィーラ。はやてが主になる前にシャマルが料理で人を仕留めたことがあった気がするんだけど……」
「奇遇だな、ヴィータ。私もだ」
「二人とも!?」
……人を殺す料理とはいったい……やっぱり警戒すべきだな、うん。
「「「王様だーれだ!」」」
「あ、僕だ」
「ええー?そっちで当たるん?」
ようやく王様が変わった。だけどよりにもよって僕か。どうすべきか。
『ふふふ……マスターの選択でこの場が大きく動くこと間違いなし!さぁ、どうしますかマスター!地味なのはナンバーが許しませんよ!』
「なんでさ」
「あ、私も許さへんよ」
……はぁ。
「じゃあもうヤケで。10番が3番を壁ドンで」
昔からの胸キュンって言われてるし。
「うわ、ボク、あんた割とすごい注文するわね……あ、私じゃないわよ」
「でも面白いからいいんじゃないかな?」
さて。誰が10番で誰が3番なのか。
「私が10番だ」
10番は猫耳外したシグナムさんだった。なんかごめん。後ヴィヴィオと八神さんはがっかりしないの。
「3番は私ですねー」
またシャマルさんか!…あれ?ちょっと待ってよ。これってシグナムさんがシャマルさんに壁ドンするってことだよね?
「ふふふ……シャマル?」
「え?し、シグナム?顔が怖いわy」
シグナム座っていたシャマルさんを掴み、無理やり壁に押し付けて。勢いよく壁を叩く。
というか殴ってない、あれ?音もおかしいし。壁えぐれてないよね?
「帰ったら覚悟しておけ。みっちりしごいてやる……いいな?」
「……えーと。私後方支援担当だからそういうのはいらないかなー、なんて……」
「ん?」
「なんでもないです、はい!」
うわぁ。後ろからしか見えないけど、シグナムさんどんな顔してるんだろうか。
すっごくシャマルさんおびえてるし。
「さて、続きをやるか」
そして何事もなかったかのように戻ってくるシグナムさん。後ろのシャマルさん足震えてるんですが。
その後、シグナムさんは全くターゲットに選ばれることなく王様ゲームは終了した。
……シグナムさんの怖さに王様ゲームの神か何かがおびえたんだろうか。
葉苗さんの提案から
語尾に「にゃん」をつける
膝枕をする
いいところと悪いところを言う
壁ドン
を採用しました。
なお、王様役と被害者は本当にランダムで選びました。
はやてとシグナムの登場率の高さには笑うしかなかった。