海鳴市での、なつやすみ   作:あおい安室

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なな(中の人)の日に何とか投稿!!疲れたぁ!!


もしも、フェイトさんと結婚したら

「そういえば、今日聖王教会の関係者の結婚式があったんよ」

 

夜遅くのミッドチルダ。珍しく仕事の終わりの時間が被ったということで、なのは、フェイト、はやてのお馴染み三人組は三人そろって夕食をとっていた。

ちなみに、場所はなぜかフェイトの部屋があることで有名ななのはの家である。本当、なぜあるのか。

 

「へえー。私たちの知ってる人?」

 

「いや、多分知らんと思う。正直私もあんまり知らんのやけど、関係者だからってことで出席するように言われてな?まあ、意外と楽しかったから良かったわ……ブーケ逃したけど」

 

「ブーケ?ああ、ブーケトス?」

 

「そう。手に入れたら結婚できるっていうやつや。まあ、手にしたところで相手もおらんのやけどなー」

 

「あはは、それもそうだね。結婚かぁ……いいなぁ。女の子の夢だよね。そういえば、私もずっと前に同僚の結婚式に出たけど、そもそもブーケトスに出させてもらえなかったなぁ。酷いよね。砲撃魔法使ってでも奪い取りそうだからって」

 

「あー……」

 

「ねえ、なんでそこで苦笑いするのかなはやてちゃん?」

 

じりじりと怒気を交えてはやてに詰め寄るなのは。そんななのはに対して、フェイトがある一言を言った。

 

「じゃあ、私今度結婚式やるから、その時のブーケトスにちゃんとなのはが出れるように言っておくね」

 

「うん、お願いねフェイトちゃん……ん?」

 

はやてに詰め寄るのをやめて、首をかしげるなのは。今とんでもないことを聞いた気がする。

 

「フェイトちゃん、今さっきなんて言ったん?私もなんかとんでもないこと聞いた気がするわ」

 

「ブーケトスになのはが出れるように言っておくねって。それがとんでもないことって……なのはに失礼だよ」

 

「違う、そうじゃないよ。その前」

 

「その前?私が今度結婚式やるから」

 

「「それだ」」

 

「えっ?」

 

そう、ようやく気付いた。フェイトが結婚式をやる、という発言だ。

 

「私その話初耳なんだけど。いつものフェイトちゃんのうっかりじゃないよね?」

 

「いつもって……私普段からそう見える?」

 

「見える。フェイトちゃんはシャマルと同じくらいのレベルのうっかりさんやで」

 

「酷いよはやて!」

 

抗議するフェイト。その姿はとても微笑ましく、大人の面を被った子供とでも言おうか。

だが、今重要なことはそれではない。

 

「それで、フェイトちゃんが結婚ってどういうこと?相手は?」

 

「そもそも私そのこと伝えるように頼んだのに……結婚といっても、少し前に告白したから承諾しただけだよ。相手はボクくん」

 

「ほほう。ついにボクくんが結婚かぁ……って。奥手で照れ屋でこの中で一番胸が大きいフェイトちゃんが自分から告白?何かの間違いじゃないん?」

 

「一番最後は余計だよはやて?……いや、全部余計だよ!!はやてちゃんは私を何だと思ってるの!?」

 

「フェイトちゃんの意見は聞いてないから。というか、聞かない」

 

「えっ」

 

すっくと立ちあがったなのは。目が座っており、迷わず冷蔵庫に向かい、あるものを取り出す。

お酒である。しかも、割とたくさん。

 

「……夜通しかけて何があったのか聞かせてもらうから。最悪前後不覚になるまで酔わせてでも聞くよ」

 

「な、なのは?そ、そこまでしなくてもちゃんというから……というか、なんで怒ってるの?」

 

「怒ってないよ。ただ、こういうことってフェイトちゃん意地になってでも言わないような気がするから念のために、ね?」

 

後にフェイトは当時のことをこう語る。

「一つでも隠したり、嘘の発言をしたら速攻で見抜いてきて延々と詰問してきそうだった。私の人生で一番恐ろしい瞬間だった」、と。

 

 

「えっ?ヴィヴィオいないの?」

 

5月頃。私はボクくんの家を訪れていた。

上の方から、休暇をとるように言われて取ったはいいものの、なのはもはやても仕事が忙しかったので、連絡したところ暇だと言っていたボクくんの家に遊びに来た。

久しぶりにヴィヴィオにママと呼ばれたい……もとい。ヴィヴィオに、会いたかったし。ところが。

 

「うん。ヴィヴィオ、今日は公民館の方でやってる七夕祭りに友達と行ってるんだよ。友達と一緒に行ってるんだったら、そこに保護者である僕が行くのはちょっとね。だから留守番してたんだ」

 

「そっか……ちょっと残念かな。せっかくお土産持ってきたのに……」

 

『フェイトさんは基本的に不幸というか、うっかりさんですから仕方ないですなー。自らが不幸になることを、強いられているんだっ!!』

 

それを聞いたボクくんが迷うことなくごみ箱へとシュート。思わずサムズアップしたのは悪くないと思う。

 

「全く、ナンバーは昔からあの調子なんだから。ごめんね、フェイトさん」

 

「ううん、大丈夫。気にしてないから……昔から、かぁ。私もボクくんも昔からあんまり変わってないよね」

 

「あー、確かに。でも周りのみんなもあんまり変わってないよね。ただ、フェイトさんは変わってなさ過ぎてかえって不安というか」

 

「えっ?ど、どういうこと?」

 

「高町さんもはやてさんも、昔から結構しっかりしてたから今の役職でも特に不安がないんだけど、フェイトさんこう見えて結構肝心なところでやらかすから不安なんだよなぁ」

 

「あーっ、酷い!私こう見えて敏腕執務官なんだよ?」

 

「うーん、どうなんだろうなぁ」

 

苦笑いするボクくん。どうしてみんな信じてくれないんだろうか。

 

「そういえばさ。少し前に高町さんと一緒に、また過去に行ってきたんだけどね」

 

自分に対しての評価について悩んでいたら、ボクくんが爆弾発言をした。過去に行った?

前に私も行ったことがあるけど、またボクくんとなのはは過去に行ったんだ……

 

「というか、私君が過去に行ったっていう話は今初めて聞いたんだけど?なんでそういうことは早く言ってくれないのかな?」

 

「今回はいろいろと事件がありすぎて。ちょっと他人に話すのを戸惑うレベルでね。だから内緒にしてたんだよ。高町さんにも頼んで黙ってもらってるくらいに」

 

「そうなんだ……それで、今私にそれを言ってくれたってことは、何があったのかって教えてくれるのかな?」

 

「全部が全部ってわけにはいかないけどね。要点だけまとめると、過去の世界ではやてさんの持ってるデバイスに封印されていた物を開放するって話かな」

 

「ざ、ざっくりしてるね……」

 

「詳しいことはまた後で話すよ。とりあえず今フェイトさんに話したいことは、その中でフェイトさんのお母さんに会ったってことなんだ」

 

「?私のお母さん?……まさか……」

 

「プレシアさん。あ、後リニスさんって人にも会ったよ」

 

……えっ?母さんと、リニスに?でも、あの二人は……

 

「……な、なんで?まさか、過去に行ったって言ってたけど、PT事件よりも前の時間に行ったの?でも、リニスに会ったってことは、私がまだ」

 

「落ち着いて、フェイトさん。僕が行ったのは前にフェイトさんが行った過去の時間から数か月後だよ。それで、プレシアさんとリニスさんも本人じゃなくて、正確にはそのコピーだから」

 

「こ、コピー?どういうこと?」

 

「それじゃあ、ちょうどいいからある程度事件について説明しておこっか」

 

それから、ボクくんは今回過去に行って経験したという事件について話してくれた。

結構複雑だから、どうして母さんとリニスのコピーが現れたのかってことだけ話すと、闇の書の機能の一部が今までにデータをとった魔導士のコピーを出現させていたらしくて、母さんとリニスは、前に私が闇の書に取り込まれたときに読み取った記憶からコピーが作られていたとのこと。

 

「どんな人なのかは資料で少しだけ知ってたけど、思ってたより優しかったっていうか、親バカというか。なんというか、フェイトさんにそのあたりが似てたかな」

 

「お、親バカ……しかも、私と似てる……」

 

なんだろう、この形容しがたい思い。

 

「まあ、フェイトさんのことを人形って言ったときは全力で殴ったけど」

 

「ええええええ」

 

母さんに何やってるの、ボクくん!?

 

「だってさ。いくらなんでも友達のことをそう呼ばれたら怒るから」

 

「う、うん……えっと、こういう時どういえばいいのかわからないかな……」

 

「あー。一応コピーとはいえフェイトさんのお母さんだもんねぇ。ごめん、あの時はついついかっとなっちゃっててさ……まあ、殴った瞬間吐血して倒れたのにはびっくりしたけど」

 

……母さん、結構体が弱かったからなぁ……コピーはオリジナルよりもある程度弱体化してるって言ってたけど、元々弱かった体がさらに弱くなったら、ボクくんのパンチでも致命傷になりかねないよね……

 

「でも、母さんのコピー、か……」

 

「やっぱり、聞いてるだけでも複雑?」

 

「……まあ、ね。いろいろなことがあって、つらい思い出もたくさんあるけど、それでも私にとっては大切な母さんだから」

 

私をちゃんと見てくれることはあまりなかったけど。私は、本当は母さんから生まれた子供じゃないけれど。

それでも。私にとっては大切な母さんなんだ。

 

「……それから、色々あってさ。フェイトさんを邪険に扱ってるのは本当に腹が立ったんだけど、最後はリニスさんから、「そちらのフェイトを不幸にしたら承知しませんよ」って言われて別れたんだよね」

 

「……そっか」

 

リニスは、なんというか相変わらずなんだね。私のことを心配してくれてるんだ。昔からリニスはそうだったなぁ。

 

「だけど、それと同じことをプレシアさんも言ってくれたんだよ?」

 

……えっ?あ、あの母さんが?

 

「しかも、わざわざ他には聞かれないようにしてまで言ってたんだよ、プレシアさん。後さ、伝言。ナンバー、再生よろしく」

 

『はいはーい、お任せあれ』

 

ゴミ箱の中にいたナンバーが、ふよふよと浮かび上がって録音していた音声を再生した。

 

『いい人を見つけたわね。大切にしなさい、フェイト』

 

それは、まぎれもなく母さんの声で。思わず涙がこぼれてしまった。

 

「……わざわざ録音してくれって言ってたけど、録音した僕が恥ずかしくなることを何でいうのかなぁ、あの人」

 

『テスタロッサだから、ですね』

 

 

「……それから、ちょっとずつだけど、私にとって初めての自分から作った友達のボクくんをそういう人として見るようになって。それで、告白されたのは6月のころだったかな」

 

 

「全く、あの王様ゲームは大変だったよ」

 

「あはは。でもなんていうか、はやてらしいかな」

 

その日も同じように休暇で地球に来ていて、ボクくんからはやての誕生日の話を聞いてたんだ。その時、ボクくnがあることを聞いてきた。

 

「そういえば、今まで一度も祝った記憶ないんだけど、フェイトさんの誕生日っていつなんですか?」

 

「私の誕生日?一月一日だったかな」

 

『ほほう、正月ですか。めでたいですな』

 

「……本当のところは、私の誕生日がわからないから書類上の処理が楽な一月一日にしただけなんだけどね」

 

「『えっ』」

 

そう。私は自分の誕生日がわからない。生まれが特殊だから、いつ生まれたのかは不明。だから、私は自分の誕生日がわからない。

それで、一時的にと一月一日を誕生日にして、そのまま放置しているのだ。

 

「あっ、心配しなくていいよ。私は特に気にしてないから大丈夫だから」

 

「でもなぁ……なんというか、可哀そうというかなんというか。フェイトさん何か好きな数字とかないの?それを誕生日にすればいいのに」

 

「特にないかな。さ、今日はどこに行こっか」

 

そして、今日もまたボクくんと一緒に過ごす普通の一日が始まると思ったそのとき。

 

『あ、マスター。私いいこと思いつきました。フェイトさんと結婚したらどうですか?』

 

ナンバーが、いつもの爆弾発言をしたのです。

 

「いつもに増して発言がおかしいよナンバー。大体、なんでそれがフェイトさんの誕生日につながるの?」

 

『フェイト・T・ハラウオンとしての誕生日は一月一日なのでしょう?でしたら、例えば今日結婚してフェイト・T・ハラウオンがフェイト・久保田になったとすれば、今日が「フェイト・久保田」の誕生日となるわけですよ。これでフェイトさんの誕生日を変えることができるというわけです』

 

「ナンバー、それもはやとんちの領域だから。というか、誕生日は結婚しても変わらないから」

 

「……でも、それいいかも。フェイト・久保田、かぁ……」

 

その時、私はボクくんと結婚することを考えていて、周りのことが目に入ってなくて。

 

「『……フェイトさん?』」

 

「えっ?な、何?」

 

声を掛けられるまで気が付かなかった。

 

「……いや、なんでもないよ。行こっかフェイトさん」

 

『おやおやぁ?今のってマスターと結婚したいってことを遠回しに言った告白ですよね?ですよね?ですよねぇ!?』

 

「な、ナンバー、そんなにネチネチ言わなくてもいいよね!それにそもそも告白はもっとこう、雰囲気のあるところでしたいというか!!」

 

ナンバーに対しての怒りと恥ずかしさで、いろいろとオーバーフローしちゃって。ついカッとなって言っちゃったんだけど。

 

「……えっ?」

 

当然、それはボクくんにも聞かれているわけで。

 

「……あうっ」

 

私は、羞恥心のあまり気絶してしまいました。

 

 

「……なんやろ、あまりにもフェイトちゃんらしくてロマンチックというか恋愛の甘い文字が全く見えへんのやけど」

 

「後ナンバーもいったい何やってるんだろ……」

 

なのはとはやての二人の言葉には反論の余地がありません。どうしてこうなったんだろう。

 

「それで、その後はどうなったの?」

 

「その後はね……」

 

 

「……羞恥心のあまり気絶するとか、フェイトさんらしくてある意味納得だよ」

 

「うう、言わないでよ……」

 

ボクくんが気絶した私を自宅に連れて帰ってきてくれていて。目覚めた私から事情を聞いたボクくんが呆れます。

なんというか。ごめんなさい。

 

「というかね。僕なんて、ついさっきまで事情を聴いたヴィヴィオに「ついに春が来たんだね、おめでとうパパ!」なんて言ってたんだよ?」

 

「ヴィヴィオ……どうしてあんな子に育っちゃったんだろう……」

 

二人して頭を抱えます。が。まだ話すべきことがありました。

 

「……ところでさ。フェイトさんのあれってそういう意味……プロポーズっていう意味でとっていいんだよね?」

 

「えっ?あ、うん……」

 

顔が熱くなるのがわかる。どうしよう。ついに聞かれちゃった……うう、もっと違う状況で言いたかったのに。

 

「……それで、いろいろと考えたんだけど、返事を聞いてもらえる?」

 

「……うん」

 

……私は、この時のことを忘れないだろう。いつもとは違う、真剣な表情で、ボクくんが言ったこの言葉を。

 

「とてもじゃないけど、フェイトさんに釣り合ってない僕でもいいのなら。こちらこそよろしくお願いします」

 

私が、フェイト・久保田となったこの日のことを。人生で、一番うれしかったこの瞬間を。

 

「……はい。よろしくお願いします」

 

私は、忘れない。

 

それから、私とボクくんの間には、さまざまな物語があったし、現在進行形で物語は生まれている。

だけど、それはまた別のお話だ。




七月七日=なな=フェイトの中の人
と、いうわけです。ツイッターにも書いてますが、麻雀で負けた友人にそれを言われて急遽投稿することになったので、かなり粗削りです。申し訳ない。
また、フェイトの誕生日関係の設定はオリジナル設定です。
実はリリカルなのは、誕生日が設定されているのははやてさんだけなんですよ。
はやてさんの誕生日回書いた後に他のキャラの誕生日を調べたら設定されていないことが判明して、ああ、これダメだと思っていた時に、元々誕生日が不明であるフェイトのことを思い出して、「結婚したら名前が変わる=名前が変わったフェイトさんにとってはある意味その日が誕生日」というよくわからない思考回路でこれのラフが誕生しました。
そのラフで主に描いていた終盤はほぼ改訂していません。時間がなかった。
まあ、その辺のめんどくさい事情は置いて置き。今言いたいのはこの一言。

フェイトさんは可愛い。特に何かやらかしちゃって赤面している姿!!異論は認めるが、フェイトさんが可愛いという事実は否定はさせない!!

……あかん。深夜テンションやからおかしなこと書いてる。

ちなみに。なのはは原典であるとらいあんぐるハートを準拠にするなら三月十五日だそうです。
……最(3)後(15)の日……やっぱり魔王じゃないk(ピンクの閃光
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