「よくもやってくれたなぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
デーモンが雄叫びをあげた。
「貴様ら…どこまで俺を侮辱すれば気が済むのだ!?俺は…俺はただジュリに会いたいだけなのにぃぃぃいいいいいいいい!!」
その雄叫びは天を裂き、大気を震わせ、地を揺るがした。
「俺の愛しのジュリは『生ける死者』どこかで生きていると聞いた!!だから…だから俺は悪魔に魂を売り払ってもジュリとともに逝くことを選んだ!!ジュリが望むならと思って『治癒の祈祷』を使って人の身に戻そうかとも考えた!!それを…それをお前達はァァァァァアアアアアアアアアアアアア!!」
デーモンの哭慟。
それは、どこか悲しい響きを含んでいた。
でも、
「あなたのそれはただの憂さ晴らしだ。恋人を探してるならこんなところで油を売ったりしない。」
「それは『治癒の祈祷』を…」
「それならなおさら見つけてからすればいいことだ。そもそも治るかどうかも分からないなら、見つけてからその力を持ってる人に頼めば良かったんだ。」
デーモンの顔から血の気が引いていく。
「だがっ…」
「もうなんと言ったところで、誰もあなたを信じない。」
もう諦めてください。そう僕は締めくくった。
「俺は、俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺はァあぁああああああああああああああぁぁぁ!!」
デーモンは狂ったように叫び出した。
同じことを繰り返し、繰り返し。そうでもしなければ自我を保てないかの如く、叫び続けた。
「俺は、俺はァあぁああああああああああああああぁぁぁ!!間違っていない!!俺はジュリの為を思って行動してきた!!だから…だから!!俺は間違ってはいない!!邪魔するものは殺す!!」
デーモンは血走った目でそう言った。
「邪魔するものには容赦しない、躪り捻り詰り嬲り千切り弾き摘み刈り取り挽き潰し引き焼き燻し炊き蒸し刻み飛ばし押し込め刺し轢き噛み捏ね挟み撥ね消し拒み絶ち裁ち断ち殴り蹴り飛ばし丸め握りつぶし落とし脅し威し堕とし貶め駁し離し薙ぎ猟り縛り拓いて開いて捌き卸して下ろして降ろして固め捕まえ閉じ込め留めて止め圧して焚き灼き燒き指して叫んで避けて裂け提げ蔑み吊るして塗って縫って捨て殺す!!」
ぐりん、と。デーモンは僕の方を向いた。
「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すぅぅぅぅぅぅぅぅううううううううァあぁああああああああああああああぁぁぁ!!」
デーモンは、跳躍した。岩を蹴った。否、岩を爆砕してロケットのようにこちらへ跳んできた。
当たる。そう確信した。せめて勢いを弱めようとバックステップを試みる。しかし、
「殺すぅぅぅぅ!!」
デーモンの方が速かった。
「グッ…!!」
見にまとわせた機械を使って防御をした。
しかし、そんなものに意味はなかった。
なぜなら
「止めるっさね。」
バチィ!!と音を立ててデーモンの攻撃は止められた。しかも片手で。
攻撃を止めた主は緑色の肌をしていてドレスのようなものを身にまとっていて…攻撃を止めなかった方の手に少女を抱えていた。
僕は叫んだ。
『メメさん!?』
僕とカルマの声が揃った。なんで?
「いや、こっちがなんで?だよ。メメさんは闘神仲間だから知ってるんだけど…アル、闘神じゃないじゃん。」
「いや…僕は【死を忘れることなかれ】仲間だから…」
僕とカルマはどちらも混乱していたが別のところでメメさんと接点があったらしい。
「そんなこと今はどうでもいいっさね…」
メメさんは言った。
「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
…デーモンの攻撃をいなしながら。
メメさん怖ぇ…
「ちょっと大人しくしなね。」
メメさんはデーモンの腹部を殴った。そして頭を地面に叩きつけた。
……メメさん、セリフと行動が一致してないよ…え!?マイク拾ってないの!?今のロードローラーとロードローラーが最高速度で正面衝突したみたいな音!!
「………」
デーモンは気絶していt…
「起きるっさね。」
メメさんが叩き起した。酷い…
「お前も俺の邪魔をするのか!?邪魔するものはころs…」
「いい加減落ち着きなね。…ほら、見つけたげたよ。何か言いたいことがあったんだろ?」
そう言ってメメさんは左腕に抱えた少女を下ろした。
「……ジュリ…?」
デーモンの声が空虚に響いた。