「えーっと…」
「黙って、集中出来ない。」
「はい…」
昨日のようにドアの破壊とともにドンさんに起こされ、今に至る。
そう、運転席でカナイさんとふたりきり。
どうしてこうなった…
「こっち。」
「え?」
「島見えたよ。」
は?
「島だ〜!!」
いの一番に飛び出したのは僕
…では無かった。
…うん、正直に言おうか、ドンさんだ。
「これドン、いい年こいて何をやっている…」
あぁ、望さんが常識人に見える…
「いいじゃねぇか、夏だぜ?海だぜ?泳ぐだろ!!」
「ダメな大人の手本じゃの…」
やれやれ、といったように望さんが首を振る。
「まずはリラに会わねばならんじゃろうに…」
ん?【リラ】?
「あー…まぁ、そのうち来るだろ、泳ぐぞ!!」
適当かって…
「ドン、仕事。」
空気から出てきたかのようにカナイさんがドンさんの後ろにいた。
だからカナイさん何もんだよ…
「嫌だ!俺は…俺はまだ海の楽しいことをしていない!!助けてくれぇ!!望!!お前は分かってくれるだろ!?カナイの恐ろしさを!!」
「自業自得じゃの。」
「カルマ!」
「ご愁傷さまです。」
「蓬莱!!」
「お世話になりました。」
「え〜…じゃあアルでいいや。助けて。」
「適当ですか…」
「ほら、ドン、行くよ。」
「いーやーだー」
連れていかれた…
「じゃあ、友達によろしくの。ワシもカナイのところに行くでな。」
けけけ、と、最後まで読めない人だった。
「で、どうする?」
「どうする、と言うと?」
「リラとどうやって会うか、だよ。詳しい連絡無かったでしょ?」
「そう言えばそうね。」
ちょっと…僕完全にのけ者じゃない?
「どうしようか?」
「皆さん!!」
白いノースリーブのワンピースと麦わら帽子の透き通る様な肌色の女の子がいた。
「もしかして…リラちゃん!?」
「はい!よくいらっしゃいました!!」
「どうやってここが分かったの?船を止める場所は毎回カナイさんの気分次第ってドンさんに聞いたんだけど?」
「ドンさんに直接聞いたのですよ♪」
蓬莱とカルマに質問責めにされるリラ。なんだよ、お前ら青春かよ。
「改めて、ようこそです!私の生まれ育った島へ!!」
「あぁ、お邪魔します。」
そう返すのが僕の精一杯だった。だって
「リラちゃんかわいい…」
蓬莱がぼそっとこぼした。そうなんだよ。いや、まぁ蓬莱も十分かわいいけどね、それがかわいいってぼそっとこぼしてるところを鑑みてほしい。
「へっ!?」
ただただ驚いてるよ…
「いや、リラは東京でも結構かわいい部類に入ると思うよ。」
カルマが答えた通りだと思う。
隣を見れば蓬莱も頷いている。
「もう、私がいないあいだに皆さんでからかおうと計画してましたね?」
騙されませんから。と少し顔を赤くして言った。
「さ、さぁ海で泳ぎましょうよ!」
とりあえずそうしようかな。
「こっちで着替えが出来ますよ!」
リラの先導で僕らは移動を始めた。
「分かるか?」
「うん。」
「ああ、分かるぞぃ。」
「ちょっとヤバいかもね…」
4人の話し声。
「秘密裏に何とか出来ないかね?」
1人がそういった。
「出来ないね。」
「出来ぬの。」
「ちょっと無理かな。」
即答された。
「リラにはしんどいところだな…」
そう締めくくられた。