私は化物だった。
幼い頃、とある山中で生まれ育った。
自分が化物だという事をいつ知ったのかは分からない。知ろうとも思わない。
だって、知ったところで変わらない。
山から下りれば化物と蔑まれ、暴力を振るわれ、罵倒された。
化物は人間とは相容れない。
だから頑張った。
知られないように人の身になることを覚えた。
そして、
誰も私のことを知らない地に行った。
この姿で学校に行っていないのは不自然だろうと学校にも通った。
けれど、
私は孤独だった。私は寂しかった。
私は、1人だった。
そんな時、みんなに出会った。
あの、チャットに。
楽しかった。自分もこんな感じの、女子高生らしいことが出来ているのだと錯覚した。
おかしいよね。私は化物、彼らは人の身なのに。
その時からだろうか、私の中にある感情が芽生えた。
「会いたい」
彼らに会って認めてもらいたい。
こんな私でも彼らと共にいたい。
全てをさらけ出せる、あのチャットで。
けど、もう遅いかな。
だって、死んじゃったから。
みんなに私の気持ちを伝えた。
リラちゃんは分かってくれた。
アルは同意の意を示してくれたけど何かを迷っていた。
カルマは全てを分かっているかのように見ていてくれた。
それが嬉しくもあり、恥ずかしくもあった。
照れ隠しに海で泳ごう、と言ったのは覚えている。
その後、何者かに貫かれた。
反応出来なかった。
いや、違うかな。
反応は出来た。認識は出来ていた、
それで?
元の姿に戻るのか?
戻ってそれで、彼らは私を認めてくれる?
私のことを化物ではなく見てくれる?
今まで通り、一緒にいてくれる?
それが不安だった。
けれど、それが命取りだった。
貫かれ、吹き飛び、撒き散らし、飛び散って、
私は倒れた。
けど、これで良かったのかもしれない。
だって彼らの中で人として死ねるから。
「本当にそれでいいの?」
いいよ。だってみんなきっと悲しんでくれる。化物の私の死を悲しんでくれる。
ほら、リラが泣いてる。
アルは、絶句してるね。まぁ無理もないか。
カルマが叫んでる。そんなカルマ、見たことないよ。
「いいの?悲しんでるよ?」
絶望されるよりは全然いいよ。
「みんなともっといたいとは思わないの?」
思うよ。
「だったら…」
でも、
「でも?」
昔みたいに、蔑まれて、忌避されて、暴力を振られ、暴言を吐かれる最期よりも、悲しんでくれる人達に囲まれて死にたいと私は思うよ。
そうして私の意識が遠くなる。
白い光に包まれる。
そうか、これが死か。
私は静かに目を閉じた