俺には憧れの男がいる。
その人は名は真島吾朗。
龍が如くで嶋野の狂犬の異名で知られる極道だ。
凶暴で狂ったところはあるが、真っ直ぐに自分の生き方を貫いていているところに、漢の生きざまに惚れたのだ……
さて、今の状況を説明する。
車に轢かれた。以上
…えっそれだけじゃわからない?
………OK、1から説明しよう。
バイトからの帰り道に和服の幼女が信号のない横断歩道をわたった。
そこにかなりスピードを出した車が迫ってきた。
俺は慌てて追いかけ、幼女を突き飛ばして反対の歩道へ。
そしてちょうど車がきて轢かれた。以上
朦朧としているが、自分でもビックリするくらい落ち着いているようだ。
身体の痛みはなくなっていき、身体は重くなっていく。
(あぁなにやってんだろ……)
(まだやりたいことあったのに…)
(あの幼女は無事か?)
(龍が如く6やってねぇのに……)
(レポート終わってねぇ)
(死にたくねぇ)
(まぶたが重いな)
(/(^o^)\)
様々な言葉が心の中に渦巻く。
「だい……で…か!?」
重いまぶたを開けて声の方を見るとさっき突き飛ばした幼女が潤んだ瞳でこちらを見ている。
(……無事だったのか)
身体がさらに重くなる。
(女の子泣かしちゃいけねぇって真島の兄貴もいってたな)
俺は幼女の方に首を動かし…
「ぶ……じ…でよ……かた」
笑顔を作ったつもりだが表情筋が動かない。
呂律どころか口すらうまく動かせなかった。
幼女は俺の横で泣き出した。
(……兄貴、やっぱムリや(´・ω・`))
(龍が如く0の久瀬さんはやはり化け物か……)
視界が狭くなっていき、呼吸もできなくなった。
苦しくはない。恐れもない。
視界は真っ暗になり、何も聞こえなくなった……
【○月×日―俺死亡―】
心地がいい暗闇の中で少し幼い声が聞こえる。
「ごめんなさい、私のせいで……」
綺麗な声だ。
「私が地上に降りなければ…」
ん?
「あなたには悪いことをしてしまいました。」
あれ?
何だか身体が軽いというよりもいつも通りだ。
「あっ!気がつきましたか?」
俺はゆっくりと身体を起こし目をあける……
「はじめまして、あなたに助けてもらった女神です。」
……綺麗だ、和服美人だ。
…ん?女神?助けた?
「はい。」
俺が?あんたを?
「はい。車に轢かれそうになったところを……」
車……あっ、あの和服幼女か!!
「は、はい」
えっ女神様?
「お恥ずかしながらそうです(照)」
カワイイ…俺は死んだのか?
「……はい。あなたの魂は肉体から離れました。」
そっか…俺はこのあとどうなるんだ?
「本来であるなら、輪廻の輪に帰ります。」
「ですが、今回は死の原因が私を助けるためでした。」
「なので、特別に転生という形にしようと考えています」
……えっ転生?ゲームとかでよくある?
「はい、その転生です。」
「さらに今回はあなたの好きな姿で、好きな能力で転生させられます(*´∇`*)」
…本当!?えっでもそれってチーt…
「大丈夫です。なんたって私の恩人なのですから。」
…そこまでいうなら、ありがたく。
「はい!あっ一つだけ注意です。」
ん?なんだ?
「転生される世界は私にもわかりません。そこだけは注意してください。」
わかったよ、なるべくきおつける。
「では決まりましたら、おっしゃってくださいね。」
……なぁ、何でもいいんだよな?
「はい。」
…ゲームのキャラでも?
「はい、可能です。」
………決まった。
「えっ、早いですね。」
「ではどんな方か教えてください。」
…龍が如くに登場する真島吾朗の姿と能力で。
「……大丈夫です転生可能です。」
「能力はあなたの龍が如く0というゲームのプレイデータをベースに作りますね。」
あぁ、わかっt……えっ
「それでは、短い間でしてだかこれでお別れです。」
全身を白い光が包んでいく。
「助けていただいてありがとうございました。」
「次の世界で死んでしまったらまた会いましょう。」
彼女の姿が光にのまれる。
「さようなら。格好いいお兄さん…」
……さようなら。美しい女神様…
光の中で、俺は……
(あのデータ全クリのだ。)
~川神院~
「ん?なんじゃ……この恐ろしく荒々しい気配は?」
川神鉄心は不穏な気配を感じた。
読んでくださりありがとうございました(*´∇`*)