真剣で真島の兄さんになりました。   作:季境

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お久しぶりです。
……いや本当に、2年ほど空いてしまいましたが投稿再開です!
久しぶりに書いたので前のようにはいきませんが徐々にならしていくつもりです。
感想やメッセージをくれた皆様本当に感謝しております!


第六話 【ダンサー真島】

~百代side~

 

 構え…いや、『気』が変わった?

 

 真島さんから感じられる気配がさっきとはまるで違う…人にはそれぞれ気と言うものが存在する。大体は一人に一つの色を持ち、複数持つ人など私は見たことがない。

 

 「さぁ…盛り上がっていこやないかいッ!」

 

 『ダンスは好きか?』これの意味がようやく解ったのは、私の眼前に足が迫ったときだ。

 

 「!?」 

 眼前に迫った足をいなし、体勢を立て直す。

 (なるほど…ダンス、ブレイクダンスか!)

 テレビで見たことがある動きだが、今のは単なる踊りなどではないことはよくわかった。回転で繰り出される蹴りは、ガードなどすれば容易く剥がされ、ダメージをくらう。

 真島さんも逆立ちをやめ、構えた状態でこちらを見る。

 

 「どや?百代ちゃん、バッチリきまっとったやろ?」

 

 「えぇ、とても!」

 

 「俺も久々に使ってみたがなかなかや!いやぁ~試してみるもんやなぁ」

 

 真島さん楽しそうに言う。

 ……あの動きの攻略方はなんとなくわかるが、果たして通用するか?

 考えながら闘うなんて久々だ、気分が高揚する。

 

 「なんや、百代ちゃんも楽しんでるなぁ!」

 

 「え?」

 

 「そない笑顔やったら誰でも楽しいやろなぁってきずくわ」

 

 どうやら無意識に笑っていたようだ…少し恥ずかしい。

 

 「久々なんですよ、こんなに楽しい試合は」

 

 「ほぉ~そないなこといわれると、こっちまで嬉しいのぉ」

 「そんじゃ…続きといこかッ!」

 

 来るッ!さっきと同じ回転蹴り、それならッ!

 

 「!?」

 

 私はすかさず姿勢を低くして真島さんの蹴りをかわし、がら空きの腹部に拳をお見舞いした。 

 真島さんは体勢を崩し、その場に倒れた。

 

 「イヤッフォッ!」『ライズローター 発動』

 

 「な!?」

 ダウンから繰り出された足技は、私の足を強打しバランスを奪う。

 私はすぐにその場から離れ、呼吸を正す。

 …足へのダメージはなかなかである、真島さんが倒れ一瞬油断し、そこをつかれた…

 

 「ハァァッ!」『瞬間回復 発動』

 足のダメージはこれでよし。

 

 「いやぁ~効いたで、百代ちゃん!」

 

 「いえ、ダウンからの足技とても見事でした」

 

 「倒れた敵を見たら少し気が抜ける、そこをつくのが楽しいんや!」

 「油断は禁物…なんて百代ちゃんには必要ない言葉かも知れんけどなぁ」

 

 「そんなことはありません、私はあの一瞬油断しました。その結果があれです。…油断禁物、しっかりと学びましたよ?真島さん」

 

 「そら困ったなぁ…隙がなくなってしまうな」

 

 「困ってる顔じゃないですよ?それ」

 明らかに楽しんでいる顔、純粋に喜んでいる顔だ。

 ……やはりアタリだ、本当になんて良い日なんだろう

 

 「ククク、ほな…いくでッ!」

 

 「こいッ!」

 できればこんな時間が永遠に続けば良いのに……

 

 

~大和side~

 

 「なぁ……大和」

 

 「なんだ?ガクト」

 ガクトが真剣な顔をして声をかけてきた。

 

 「本当にあの人、何者なんだ?」

 

 「さぁ…わからないよ」

 ガクトの疑問はシンプルであり、難問である。

 実際、姉さんがあそこまで力を出しているのを見るのは久しぶりな気がする。

 

 「お姉さま、とても楽しそうよね?大和」

 

 一子の言う通り、姉さんはとても楽しそうだ。いつもどこか退屈そうだが、今は違うのだ。純粋に闘いを楽しんでいる。

 

 「で、でもそろそろ止めないとヤバくない!?」

 

 「あぁ、それは俺様も思うぜ…」

 

 二人の戦闘の衝撃は離れたところにいる俺達にも伝わる。どんどん大きくなってる気もする……

 

 「ブレイクダンスってあんな使い方もできるのね!とても勉強になるわ!」

 

 眼帯の人の技に感心している一子…慣れているからなのかまったく心配していない様子だ。

 

 

 「何事かと思って来てみれば……」

 

 後方から声がする。この声は……

 

 「あっ、おじいちゃん!」

 

 川神 鉄心その人だった。

 

 「あの気配はあの男からか……一子、あの男は誰じゃ?」

 

 「私も詳しいことはわからないの…」

 

 「そうか、ではなぜこうなっている?」

 

 「それはーーー」

 一子にかわり、これまでのことを説明する。

 

 「なるほど…ならばやめさせるとするかのぉ。」

 

 「で、でもお姉さま楽しそうよ?」

 

 「……駄目じゃ、あの男には何かある。それは危険なものかもしれん。」

 

 眼帯の人が危険?それはどういうことだろう?

 確かに戦闘能力は高く危険かもしれないが、姉さんが負けるとも思わない。

 

 「わからぬならよい、それでは…」

 

 「「「「!?」」」」

 

 その時、何かを感じた。何か嫌な気配を…

 

 嫌な気配は後ろから、そう姉さんと眼帯の人の方からである。

 

 




 次回 『黒の片鱗』

 のんびりと頑張っていきますので良ければまた見に来てください!感想お待ちしております(°▽°)

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