忍術開発局。
初期のプレイヤーが一定のレベルになることで、里に建設できる施設である。
この施設はゲーム内でやり取りされる金と資源を払う事により欲しい忍術
開発。
開発した忍術は、覚えさせたいキャラクター、もしくはプレイヤーに覚え
させることが出来る。
覚えたのがプレイヤーだった場合、施設の中にある演習所で覚えた忍術を
試すことが可能。
忍術が自動ではないプレイヤーは演習所で何度も印の練習をする。
ちなみにこの演習所ではいくら忍術を使用しようともチャクラは減らず
何度でも練習できるため、手動プレイヤーにはとてもありがたい仕様となっている。
「……よし」
城から出て演習所に来た俺は忍術の標的として置いてある岩の前に立つ。
ちなみに演習所には大きな池や砂場とさまざまな環境が再現されており
全ての性質変化の忍術に対応できるようになっている。
巳!未!申!亥!午!寅!
バッババ!
記憶と体が覚えている印を素早く結んでいく俺。
印が終わると大きく息を吸い込み……
火遁・豪火球の術!!
岩に向かって思いっきり、大きな球状の炎の息を吐き出す。
俺の口から放たれた術はゴォォォオオ!!と大きな音を立てながら
岩に一直線に向かい直撃する。
直撃した岩は術によりどんどん抉れて、術が終わる頃には大きな穴を開けた
ような状態となった。
しかし、もうちょっと苦労すると思ったのに簡単に出来てしまったので少し
拍子抜けである。
だが、まだだ。
術は問題ないとして、もう試さないといけない事がある。
それは……写輪眼である。
ゲームでは写輪眼、白眼、輪廻眼を課金アイテムで手に入れると、キャラメイキングした
自分のキャラクターに移植することが出来る。
俺は写輪眼を移植し、万華鏡写輪眼までかなり苦労して開眼したのだが……。
写輪眼は忍術と違って印がなく、出来るのだろうか?
ゲームだと、力強く眼を閉じて……
開く!!
……。
周りを見渡してむるが特に景色が変わった様子はない。
それはそうだよな……。体術・幻術・忍術の仕組みを看破でき、
また視認することによりその技をコピーし、自分の技として使うことができる能力に
ずば抜けた動体視力や相手に幻術を見せる幻術眼は相手がいないと意味が無いし……。
どうしようかと視線をさまよわせていると……。
訓練用の池が目に入った。
アレで鏡みたいに目を確かめることが出来るかな……。
池に近づき覗き込む。
すると……。
「なってる。」
池の水にはしっかりと、俺の瞳には勾玉文様が浮かび、目は赤くなっている。
どうやら成功したようだ。
この様子なら万華鏡写輪眼も簡単に発動させることが出来るだろう。
ちなみに、万華鏡写輪眼は眼を瞑って十秒後以降に開くと発動する。
十秒以内に開けると写輪眼は解除されキャラメイク時の瞳に戻る。
瞳の確認を終えて、ばらく忍術の試し撃ちをした後、
ゲームの設定がそのまんまで在ることを確認した俺は、城に戻る事にして
演習場を出るとこっちに向かって走ってくる人影を発見した。
誰だろうか?
そう思って近づいてくる人物を見ていると、原作で有名な氷遁使いの男の娘。
白(ハク)であることが判明。
彼がわざわざ走って来ている事から、何かあったのかもしれない。
「火影様!たった今、調査小隊が調査兵団なる者達を連れて里に帰還しました!!」
なるほど…どうやらもう来たらしい。
「白。調査部隊の報告書によると客人達の中に怪我をしている者達が居るらしい。
すぐさま一番隊に治療をさせるように手配しろ。
治療が終わりしだい、客人たちを城に案内し、客間に待機してもらえ。
後、相手を不快にさせないよう丁重に頼む」
「了解しました。他の者にも客人を丁重に扱うように伝えておきます」
客人たちへの対応やすべき事を白に命じると、彼は了解の言葉を口にした後
音もなく姿を消した。
さて……こっちも準備をしますかね……。
キースは今、自分が見ている光景がとても信じられなかった。
巨人対策の為なのか、城壁が高いのは分かる。
彼が驚いているのは壁の中だ。
石や木材でもない、何かで出来ている家。
見た事の無い物を売っている店。
何もかもが新鮮で驚く事ばかりなのだ。
ただ、これは彼だけの話ではなく彼の部下も彼と同じような驚愕の表情を浮かべている。
「ここが私達の暮らす里で、『忍隠れの里』といいます」
町の様子に驚いていると、ここまで案内をしてくれたヒナタがこの国?の
名前を教えてくれる。
キースには聞きなれない単語がいくつも出てきた為、理解が難しい。
「すまないのだが…『さと』と『しのび』とは一体…?」
「忍とは私達のことで里というのは人の住まない山に対し、人家の集まっているところを里と
言うんです。まぁ、国みたいなものだと思ってください。
……あっ、どうやら迎えが来たようですね」
「ん?」
話をはぐらかされた様に感じるが、確かに彼女の視線の先には……。
見た事の無い衣服を身に纏った黒髪の美少女がいた。
この時、彼女の姿を見たキースの部下達の頬が赤く染まっていたりだらしない顔をしているが
彼女の容姿では仕方がないとキースは思い。
後で注意することにして、今は部下達を無視をすることにした。
「ヒナタ様。おかえりなさいませ。後は僕が引き継ぎますので
自由に休息してください。」
「わかりました。後はよろしくお願いします。」
黒髪の少女はヒナタと話をした後、こちらに近づいて来た。
「ヒナタ様に代わり、今から案内役をする事になった白と申します。」
白はキースの数歩手前で自己紹介をして頭を下げた。
「それでは、私達はこれにて失礼します。」
「ああ、わかった。
それと、しつこいかもしれないがもう一度お礼を言わせてくれ。
我々を助けてくれて、本当にありがとう」
キースが礼を言うと、調査小隊はコクリ頷き、調査兵団から離れていった。
「では、始めに病院で怪我の治療をしますので、僕に付いて来て下さい」
調査小隊をの後姿を見送った後、白の案内で病院に向かう事になったのだが……。
キースは病院を知らない。
何故なら、彼の国には医者は居るものの、病院や診療所と言った施設がないのだ。
「すまないが、『びょういん』とは何だ?」
「病院とは、病気や怪我をした時に診察や治療をしてもらう施設の事です。
皆さんの国には無いのですか?」
「ああ、医者は居るのだがそういった施設はない。
だいたいは患者の家族が医者を呼んで、患者の自宅で診察や治療をする」
「そうなんですか……僕等とは生活の基準が違うんですね」
「そうみたいだな」
キースが病院の事や自分達の生活について、しばらく白と話しながら進んでいると
大きくて目立つ、白い建物が見えて来た。
「あれが病院です」
ほう……まるで貴族の屋敷のような大きさだ
指をさされた白い建物を見て、昔に遠目で見たことがある貴族の屋敷を思い出す。
そして、この施設も貴族の屋敷のように金を掛けているのだとキースは思うのと同時に
自分達とは違い、医療の発展に力を入れているのが分かる。
一体どれほどの技術がこの国にあるのか……、
「では、皆さん。僕はここで待っているので順番に治療を受けてください」
中に入ると皮のような材質で作られたイスがいくつもあり、清潔感溢れる
空間が広がっていた。
「…分かった」
「では、皆さんは列となって治療室まで私についてきてください」
案内をしてくれた白に了解の意を伝えると部屋の奥から珍しいピンク色の
髪をした少女がやって来て、キース達調査兵団を治療室へと案内を始めた。
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