駄天使がオラリオに行くのは間違っているだろうか   作:梅無し

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○漆原半蔵
豊穣の女主人で働いている店員
ついにニートをやめた
○アイズ・ヴァレンシュタイン
ロキファミリアの団員
○レフィーヤ・ウィリディス
ロキファミリアの団員
漆原に惚れている
○ティオナ・ヒリュテ
ロキファミリアの団員
○ティオネ・ヒリュテ
ロキファミリアの団員
○リヴェリア・リヨス・アールヴ
ロキファミリアの副団長
○フィン・ディムナ
ロキファミリアの団長


自分のやったことぐらい覚えときなよ

 

 

 

 

漆原とレフィーヤとリヴェリアがバベルにたどり着くとそこにはフィン、ティオネ、ティオナ、アイズたち面々がレフィーヤたちを待っていた。ティオナはこちらに気づくと手を大きく振りながら「こっちだよー」と叫ぶ。

 

「えっと、君は?」

 

バベルで待っていたアイズたちが疑問に思ったことはなぜここに漆原がいることだったがそれは漆原が答える前にリヴェリアが答える。

 

「実は漆原はレフィーヤの友達でな。ダンジョンに行きたいと言うので一緒に同行することを許可した。別に構わないだろう?」

「うーん。リヴェリアがそう言うなら大丈夫なんだろうけど、僕らは少しだけ下まで行くつもりだけど、大丈夫なのかい?」

 

今、フィンが聞いているのは、下まで行くほどの実力があるのかと言うことだ。それについてはレフィーヤが自信満々に答える。

 

「それについては大丈夫だと思います。この前の怪物祭で食人花のモンスターと戦っていましたから」

「なら大丈夫だね。それじゃあ漆原くん、よろしく」

「別にそんな「くん」とかつけなくいいよ。ていうか君たちの名前を僕は聞いてないけど?」

 

この後、漆原たちはお互いに自己紹介をして、ダンジョンへと潜っていった。

 

 

 

★★★

 

 

漆原たちは順調に17階層まで来ていた、漆原はあるものを見つける。それは人が1人は余裕で入れるほどの穴であった。漆原は穴を覗き込むと先は真下に向かって真っ直ぐと穴は続いている。

 

「う、漆原さん。危ないですよ!離れてください」

「ねぇ、これってどこまで続いてるの?」

「え?どのくらいなんでしょうか?」

 

この2人の疑問にフィンは苦笑しながら答える。

 

「36階層まで繋がっているって聞いたよ。2週間ほど前に何者かが開けた穴らしい。ギルドが依頼してガネーシャファミリアに埋めていってもらっているみたいだね。確か、15階層までは埋めたってギルドの報告では言っていたね。」

「へぇ〜」

「でもすごいねー。こんな穴開けるなんて相当強いんだろうねー」

 

フィンの話を聞いた漆原は少しだけ興味を持ち、ティオナはこんな穴を開ける犯人の強さを予想する。そんなことをしていると前からミノタウロスの大群が走ってくる。しかしそんなものはティオナの武器の大双刃によってどんどん屠られていく。それを見たティオネはジトッと見つめながら

 

「危ないわね〜当たったら痛いじゃないの」

「い、痛いで済むんですか?」

 

レフィーヤがティオネの感想に驚き、ついミノタウロスから目を離しているとレフィーヤにミノタウロスが手を上に掲げ振り下ろすが

 

「はっ!?」

 

そんなミノタウロスの攻撃は漆原によって片手で止められる。

 

「レフィーヤ、よそ見したらダメだよ。」

「す、すみません!」

 

漆原は掴んでいるミノタウロスの手を上に軽く投げるとミノタウロスは後ろに倒れ尻もちをつく。漆原がミノタウロスの頭にデコピンをすると、ミノタウロスの頭は軽く10mほど飛んでいく。ミノタウロスからツノと魔石がドロップする。漆原は迷わず魔石を拾いカバンに入れる。それを見ておかしいと思ったアイズは漆原に質問する。

 

「……あのドロップアイテムはいらないの?」

「うん、いらない」

「……そう」

 

漆原にとってはドロップアイテムより自身の魔力を回復できる魔石の方が圧倒的に必要なためいくらになるかもわからないドロップアイテムなどいらないと判断しているのため拾わないのである。

 

「そういえば漆原さん。なんでいつもはしてないのに今日は手袋をしてるんですか?」

「………………まぁ、モンスターに触れなくていいからね」

 

嘘である。漆原は別にモンスターに触れても後で洗えばいいと思っているが重要なのは魔石を触れた場合、勝手に魔力となり漆原の体内に入っていってしまうことだ。だから仕方なく手袋をつけることで魔石に触れないため魔力にならず後から好きな時に魔力を補給できるのである。

 

「それだったら武器を使えばいいのではないか?なぜ素手で戦う?」

「えー、だって僕、武器使ったことないからなぁ」

「そうなのか?ならば今度、使ってみるといい」

「…そうだね。そうしようかな」

 

★★★

 

「迷宮の孤王?」

「はい、普通のモンスターとは違ってすごく強いんですよ。上級冒険者でも大規模なパーティで戦わないと倒すのは超難関なんです。しかも1度倒したら次に湧いてくるのは2週間もかかるらしいです」

「へぇ、そんなに強いんだ」

「でもさー最近、なんか誰かがウダイオスを倒したって聞いたよー」

「しかもドロップアイテムを残していたみたいね。あのドロップアイテムはなんでもウダイオスを単独で倒さないと発現しないものらしいわよ。」

「そんなレアなもの置いていくなんで酔狂なやつもいたもんだね」

 

レフィーヤたちはもちろん、当の本人である漆原も気づいていない。2週間前にウダイオスを倒したのは漆原であり、ダンジョンに穴を開けたのも漆原であることに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




お読みいただきありがとうございました。
人数が多いと口調が大変で、疲れますね。でも頑張ります!

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