駄天使がオラリオに行くのは間違っているだろうか   作:梅無し

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○漆原半蔵
豊穣の女主人で働いている店員
ついにニートをやめた
○アイズ・ヴァレンシュタイン
ロキファミリアの団員
○レフィーヤ・ウィリディス
ロキファミリアの団員
漆原に惚れている
○ティオナ・ヒリュテ
ロキファミリアの団員
○ティオネ・ヒリュテ
ロキファミリアの団員
○リヴェリア・リヨス・アールヴ
ロキファミリアの副団長
○フィン・ディムナ
ロキファミリアの団長


漆原、警戒される

迷宮の孤王という地獄を抜けた者に待つのは18階層『迷宮の楽園』、ここはモンスターの生まれない階層であり、ダンジョンの中の数少ない安全階層である。そんな階層に漆原たちは到達していた。

 

「いつ来ても綺麗ですよね。この階層は」

「……ダンジョンなのに明るい?」

「もしかして知らないのかい?」

「え?」

 

漆原はなぜここはダンジョンなのに明るいのか疑問に思うがその疑問はフィンによって解消される。この階層では天井を埋め尽くす青水晶群、中心の白水晶が時間が経つにつれ光量を変化させていき地上とは違う時間軸で朝、昼、夜をつくり出すらしい。

 

「ねぇねぇ、どうする?このまま19階層に行っちゃう?」

「リヴィラに立ち寄る方が先よ。来るまでに集めたこのドッロプアイテムを売り払っておかないと、どうせすぐに荷物がいっぱいになるわ」

 

アマゾネスの姉妹が行き先を話し合っている中、漆原達は今いる南の森から西へと向かっていた。なぜ西に向かうかというとこのダンジョン内に存在する街へ通称、リヴィラに行くためだ。歩き始めてから数分、漆原はロキファミリアの後ろから着いていっているがこの世界の常識を知らない漆原はフィンたちがリヴィアに向かうことは分かっても何をするかまでは分からない。そのため漆原にとってこの中でも一番、話しやすいレフィーヤへ質問する。

 

「ねぇ、レフィーヤ」

「どうかされたんですか?」

「これからどうするの?」

「えっと、今からリヴィラっていう街に向かって魔石やドロップアイテムを買取り所で日引き取ってもらって、それから……」

 

レフィーヤが困っている漆原にいいところを見せようと得意げに話そうとするが突然ティオナが漆原の背中に飛びつく。

 

「今からねー、リヴィラで今日の寝る場所を探すんだよー」

「ちょ、ちょっと!?」

「テ、ティオナさん!漆原さんからは、離れてください!」

 

突然のことに漆原は驚いているがティオナは漆原の背中を掴んで離れない。それを見ていたレフィーヤは顔を真っ赤にしながらティオナの体をつかんで漆原から離そうとするがレフィーヤはLevel3、それに対してティオナはLevel5、どう頑張っても力ではかなわない。さすがに我慢できなくなった漆原はティオナを投げ飛ばす。投げられたティオナは空中で三回ほど体を回転させ地面に足をつけ受け身をとる。そうするとこの場にいるロキファミリアの面々は驚く。なぜなら自分らが先ほどまでは名前を知らなかった者がティオナを軽々と投げ飛ばしたからである。ある程度、実力のある人間ならば名前くらいは一度は聞いたことがあるはずであるが、漆原半蔵という名前はさっき自己紹介するときに初めて聞いた名前だ。つまりこの漆原という男はただのレフィーヤの友人ではなく、オラリオで異物の存在……警戒する人物へとレフィーヤ以外のロキファミリアの印象が変わった。シーンとなったこの空気を漆原は耐えられず言葉がのどからこぼれそうになるが受け身をとったティオナが目を輝かせて漆原の元へと走ってきて漆原の手をつかみぶんぶんと振り回しながら楽しそうに話す。

 

「凄―い!君って何者なのー?」

「……別にただの一流のニートだよ」

「にーと?にーとって何?一流ってことは凄いの?」

「そうだよ。一流のニートはニートを極めた者だけがもらえる称号だからね」

「よくわかんないけど凄そう!」

「テ、ティオナさん!さっきから漆原さんに近づきすぎです!」

「え~、そうかな~?……あ、もしかしてレフィーヤって漆原君のこと…」

「わーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」

 

ティオナが爆弾を投下しようとしたのでレフィーヤは叫ぶことで漆原にティオナがこれから言おうとしていることを聞こえないように防ぐ。その瞬間、パンパンと手をたたく音が聞こえる。レフィーヤの叫ぶ声に比べたら微々たる音だったが今のレフィーヤを落ち着かせるには丁度いいぐらいだった。レフィーヤが振り向くとそこには笑顔ながらも目は笑っていないリヴェリアがそこにいた。

 

 

 

★★★

 

 

レフィーヤとティオナがリヴェリアに説教された後、みんなで今日はどこに寝床をどうするか話し合っていた。森でキャンプをしようという案が出たが野営の装備を持って来ていないということで宿に泊まることになった。しかしリヴィラという街では恐ろしいほ物価が地上と比べ高い、それは宿屋も例外ではない。フィンが宿代をすべて自分が払おうと提案する。そんなフィンの太っ腹な言葉に漆原は小さくガッツポーズをした。リヴェリアは静かに街を見つめている。そして何かの気づいたのか唇をゆっくりと開く。

 

「街の雰囲気が、少々おかしいな」

「そういえば、いつもより人が少ないような……」

「へぇ~、いつもより少ないんだ?」

 

普通ならばリヴィラがこんなに静かなのは珍しいのである。この階層ではモンスターがわかないということもあり、19階層以下を探索する冒険者の中でここを拠点にする者はたくさんいるはずなのにその冒険者の姿は少ない。フィンは少し考えこれからの行動を漆原たちに話す。

 

「ひとまず、どこかお店に入ろうか。情報収集も兼ねて、街の住人と接触してみよう」

 

漆原たちはフィンに着いていきとりあえず当初の目的であった買取り所に入り中で座っていた店主へ、フィンは話しかける。

 

「今は大丈夫かい?」

「ん?おお、ロキファミリアじゃないか。客かい?」

 

ティオナとレフィーヤは魔石やドロップアイテムを店主に手渡しいく。

 

「あ、漆原さん。その魔石もいっしょに換金しましょうか?」

 

レフィーヤは漆原が持っていた少し大きめの鞄に詰まった魔石を見ながら言う。

 

「ううん。これは大丈夫」

「そ、そうですか?」

 

この魔石を換金するにはいかない、なぜならこの魔石は漆原の魔力がなくなったときのための魔力回復手段として取っていたものだからである。

 

「そういえば街の様子がいつもと違うようだけど、何かあったのかい?」

「ああ……あんた達、今街に入ったばかりなのか」

 

店主はレフィーヤたちが持ってきた魔石を鑑定しながらちらりとレフィーヤたちを見て、ため息をしながら

 

「殺しだよ。街の中で、冒険者の死体が出てきたみたいだよ」

 

この言葉にロキファミリアの面々は驚きをあらわにする。それに比べて漆原は目を細めながら小さな声で呟く。

 

「………ふ〜ん」

 

 




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