らんま書きたくなって始めちゃいました。けど思いつきだったり気分だったりで更新はすごく波があると思います。
「がぼごぼがぼごぼ…」
私は唐突に思い出した。そうだ、私は確か死んだんだ。冬の寒い日、会社からの帰り道、信号無視した車に撥ねられて死んだんだ。
「しまった…手が滑ってしもうた。」
「がんばるね!こんじょうのみせどころある!」
「あいやー!」
ならば今この状況はなんなんだ…
ーーーーー
「呪泉郷…ですか?」
「うむ。」
「何なんです?それ。」
「呪泉郷という修行に適した場所があるのじゃ。そこの泉はちと訳ありでな。落ちたら色々とあれじゃから落ちないようにしながら修行を行うんじゃ。」
ニヤァと不気味に笑いながら話す師匠は正に妖怪そのものだ。しかもその話す内容は色々と胡散臭い上に面倒そうな雰囲気がありありと現れている。
「………お腹が痛いので遠慮します。 では!」
めんどくさいと感じたら即逃亡。これはどの世界にも共通する一般常識だと私は思う。
にも関わらず前に進めないのは何故だろう…それどころか襟が妙にしまって苦しい気さえしてくる。つか首に縄かかってないか、コレ?
「まあ待て。お主はそう言って逃げると思うてな、しっかりと縄を用意しておいた。修行を行うのは決定事項じゃしお主の両親の許しも得ておる。呪泉郷に着くまでお主は寝ておるがよい。」
「嫌な予感しかしないんですが、寝るってどういうk」
ガッ
私の記憶は1度ここで途切れる…
ーーーーー
「……きんか!起きんか!」
うるさい。とてもうるさい。人の眠りを妨げるのは非常識極まりないのではないか?しかも若い瑞々しい声のお嬢さんや、低くダンディなおじ様のボイスならともかく猿山の猿のような干物のような妖怪のような醜い声に起こされるというのは大変気分が悪い。
ボカッ
「痛いじゃないですか、なんて事するんですか!しわくちゃでこれ以上下がることは無いくらい下がりきった容姿のお師匠と違って私は美しくて若くて美しいんですよ!跡残ったらどうするんですか!」
「誰が下がりきった容姿じゃい!しかも何故美しい2回言った!お前のはせいぜい一回文じゃ!わしの若い頃の方が美しいわ!大体殴られたのは頭頂部じゃろうが!跡にのこりようがないわい!」
若い頃が美しい…?このミイラのような容姿からはとても想像がつかない。私はバリバリ疑っている。しかし本人は言い張っているわけだから?何だか哀れだし、今回は私が譲ろう。
「細かいことはいいんですよ。で、ここはどこなんです?まさか本当に呪泉郷とやらにつれてこられたんですか、私は。」
小さめの泉が見渡す限りにボコボコと点在している。竹が差してあり、奇妙な光景なことこの上ない。向こうの方には霧も出ている。
「お主は本当に慇懃無礼な態度が治らん…いや、むしろ隠そうともせん……。ハァ…うむ、お主の想像通りここが呪泉郷じゃ。」
「ここが…」
「なんかいんきくさいばしょね、はやくしゅぎょーおわらせるある。」
…うん?
「あのー、師匠。何故ここにシャンプーがいるんです?」
「わしがお主と修行に行くと言ったらついていきたいと言うんでな、見学させればシャンプーにも良いと思い連れてきた。」
「そうですか…」
シャンプーというのは私の2歳年下の5歳で私の従兄弟でもある。まだ小さいからとあまりにキツイ修行は行っておらず、ちょいちょい私と師匠の修行を見学している。ここで特筆すべきはシャンプーの可愛さだ。彼女はとにかく可愛い。ぱっちりした目、ふっくらした唇、艶やかな毛髪。全てにおいてパーフェクト。私の中の理想美幼女なのだ。そして何よりも驚きなのは目の前の猿の干物の孫なのだ。こんなに可愛いのに。本当に血が繋がっているのだろうか。
「さぁ、起きたならグズグズせんで始めるぞ。」
マジかよ…
ーーーーー
「この竹の上で修行を行う。決して泉に落ちるなよ。」
「竹の上で…ですか。落ちるなって…不穏すぎやしませんか。」
「では…はじめじゃ!」
「うわっ!?」
この干物、いきなり攻撃始めやがった!しかも杖使って人の急所狙いやがる。
「落ちたら大変ある…オススメしないよ…」そわそわ
「なんである?ただのみずにしかみえないね」
「ここの泉には悲劇的伝説に纏わる呪いが…」
「のろい?」
ちょっと向こうのシャンプーとガイドさんが不穏過ぎる会話してるんですけど!?
「落ちるなよとか言う割に急所狙いすぎでしょうが!」
「カカカッ!ほれほれ!スキだらけじゃぞ!」
「こんのっ!ミイラが!手加減せんかい!」
「誰がミイラじゃ!」
「うぐっ!?」
あの干物人の脳天に一発決めてきた…
バッシャーン
「がぼごぼがぼごぼ…」
冒頭へと戻る…
そのうち主人公の設定纏めたいです。