【創造と破壊】の力で暴れまくる〜リメイク版すげ替え進行中〜   作:しのしのおしるこ

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遅くなりました。
申し訳ありません。

では、お楽しみ頂けましたら幸いです。


第15話〜〜告白〜〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「人として死にたい…か……お前がそれを望むなら……」

 

 

 

聞き慣れた声。大好きな兄。ナツメの声にリーシャは目を擦る。

薄暗く、視界がはっきりとしない…

 

少しの時が経ち、視界がゆっくりと晴れていく。

 

『何?ここ…どこ……?』

 

何処かの谷間に落ちたような薄暗い空間。

周りはドス黒い岩肌に囲まれている。

生気がまるで感じられない不気味な場所に佇むリーシャ。

 

そんな中、天蓋の隙間から一筋の光の柱が人影を照らしていた。

 

『……お…お兄ちゃん……?』

 

そこに居たのは、ナツメと見たこともない美しい女性の姿。

互いに胸を寄せ合いながら座って居る。

女性は全身血塗れであった。胸には穴が空いており、致命傷を負っている様に見える。

その表情は何故か幸せそうで……彼女の双眸はナツメを優しく見つめていた。

恐らく……彼女はもう長くない。

 

「ああ…分かってる…一人じゃ寂しいんだろ……俺も付き合おう…」

 

ナツメは優しい声でその女性に語り掛けると、女性を"左腕で"優しく抱き寄せた。

 

『う、嘘っ!そんな……』

 

よく見れば…ナツメの右腕は肩から先が無くなっており、所々が大怪我を負っている。

岩肌に寄りかかる二人は幸せそうな表情を見せながら……

そのまま力無くユックリと地に伏せていった。

 

『いや……嫌!お兄ちゃん!!お兄ちゃんっ!!!死んじゃやだよ!!』

 

リーシャはナツメに駆け寄ろうとするが…

動けないし声も出せない。ただ静かにその光景を見ていることしかできなかった。

無力な妹は涙を流しながらも、兄に駆け寄ろうと必死にもがく。

その時、視界は真っ白い光に飲み込まれていった。

 

 

……い!………しろ!!……おい!!!

 

 

「…うぅ……お、お兄ちゃん……」

 

「リーシャ!!大丈夫か!?……お、おい。お前…その眼……」

 

 

眼?

朦朧とする意識の中、目の前には心配そうにこちらを見る兄の姿。

その瞬間、大粒の涙がリーシャの頬を伝う。

そして思わず兄に抱きつき、泣き噦るリーシャ。

 

 

「お兄ちゃん……生きてる!良かった……良かったよぉ」

 

「リーシャ……今…お前の眼が俺と同じ龍眼に……何か見えたのか?」

 

「…うん……お兄ちゃん、今のって……」

 

「マジかよ……どうなってんだよ……」

 

そして同じく意識を取り戻したカリーナが口を開く。

 

「な…何……さっきの……」

 

カリーナも同じものを見た様だ。不思議そうな視線をナツメに送る。

それに続く様に皆意識を取り戻した。

 

 

「お前ら……良かった。俺が薔薇に触れた瞬間、いきなり全員が倒れたんだよ……」

 

 

リーシャと同時に意識を取り戻した一同。

ナツメは何があったのかを説明した。

道中は特に問題も無く薔薇の麓へ辿り着いた。

だが、ナツメが薔薇の幹に触れた瞬間の事だ。

ナツメの体内に蓄積されている氣が暴走し、凄王が発動。

氣は周囲に撒き散らされ、皆に影響を与えたという。

一瞬だったが、全員の瞳が龍眼へと変化していた様に見えたと語るナツメ。

 

顔を見合わせる一同。恐らく皆が同じ光景を見たのだろう。

カリーナが思った事をそのまま口に出した。

 

 

「その……ナツメが言う能力の話が本当だとしたら……さっき皆んなが見たのって」

 

カリーナからの不安を煽る一言に、たしぎとアインから反論する声が上がる。

 

「やめてください!!そんな事!ある訳が無いじゃないですか!!!」

 

「そうですよ…薔薇が見せた唯の幻覚なんだから……滅多な事言わないで」

 

「……だが、さっきのは間違い無く龍眼だった。…何が見えた…お前達が見た未来を話せ」

 

見た内容を聴かせろ。と詰め寄るナツメの間にハンコックが身を割り込ませ口を開く。

 

「……ナツメ、その龍眼という能力。それはそなたの力で他者にも使わせる事が出来るのか?」

 

「いや、そんな事は不可能なはずだが……少なくとも龍眼に譲渡の力なんか無い」

 

「ならばこの話は此処までじゃな。くだらぬ。アインの言う通り唯の幻覚じゃ」

 

なんでも無い様に振る舞うハンコック。

しかし、彼女の指先が震えているのをビビは見逃さなかった。

この眼の力はカリーナ以外の全員が知っている事。

龍眼で見た未来の的中率は100%。それは麦わらの一味の一件で証明されている。

 

「ハンコックさん…」と瞳を潤ませ不安げな表情を浮かべるビビ。

その様子を見て不安を吹き飛ばす様にナミも口を開く。

 

「あーあー、くっだらないわ!ロビン、薔薇の頂上にブーケがあるでしょ?確認して」

 

 

すると上空から青薔薇を束ねたブーケがナミの胸にストンと落ちてきた。

ロビンが能力で落とした様だ。

 

「皆!!ミッションコンプリートよ!船に戻りましょ!結晶化はそこで!!」

 

ブーケを確認すると、カリーナは元気一杯の声と共に笑顔を振り撒く。

重い空気を振り払う様に。何かを誤魔化す様に。

 

 

「リーシャ、大丈夫か!?」

 

「ご、ごめんなさい、お兄様。ちょっと腰が抜けちゃったみたい」

 

 

ナツメははぐらかされた未来が気になりつつも、妹を抱き抱える。

話は船に戻ってからだ。

 

(龍眼が発動してたのは間違いねぇ。皆は何を見た?あの様子から、良く無い未来だったのはお察しだが……一味に関わる事だったら後で聞いておかねーとな)

 

 

 

 

 

 

 

ラトゥール島〜〜第一コース地点〜〜

 

 

 

ウロボロス一味、カリーナを含めた合計九名は、目的である青薔薇のブーケを回収。

順調に帰路へと足を進めていた。

薔薇の甘い香りが鼻腔をくすぐる。

 

 

「街の終わりが見えて来た!あなた達の船までどのくらい?」

 

カリーナの声にアインが反応を返す。

 

「街から少し外れた西の海岸に止めた筈です。距離は此処から3キロも無いでしょう……それにしても……リーシャ!いつまでそうしてるつもりですか!?貴女ばっかりズルいっ!!」

 

「そなたばかり甘えすぎでは無いか!?そろそろ自分の足で走れるじゃろ!!くうっ…妾もしてもらった事がないというのに……」

 

「リーシャぁ…師匠から降りて下さいよぉ……私がおぶりますからぁ」

 

アインの言葉にハンコックとたしぎも続く様に頼み込んだ。

後方を走るナツメの胸の中で幸せそうなリーシャの表情が嫉妬の状況を作り出していた。

たしぎに至っては涙目である。

 

 

「見てくださいお兄様……薔薇に日没が照らされて……ロマンチックですねー」

 

「あ、ああ。そうだな。余り喋るな。舌噛むぞ……って!おい!腕を絡ませるな!!走りにくいだろ」

 

 

「「シカトすんな!!」」三人のツッコミを他所に、お姫様抱っこ中のリーシャの元へ、近づいて来たビビがボソボソと耳打ちをしてくる。

 

 

「リーシャ!"協定"は?キョウテイ!!」

 

「はっ!そ、そうでした。私とした事がつい……」

 

そのやり取りを見ていたカリーナはナミに疑問をぶつけた。

 

「ねえナミ。あ、あいつらって…兄妹じゃないの?」

 

「兄妹よ?でも少し特殊なのよ。一味じゃないアンタに詳しくは話せないけどー」

 

「えー?教えてよケチ!」

 

 

ナミは掻い摘んで、兄妹だけど血は繋がってないの。とだけ返答を返した。

 

 

「なぁ、その協定っての何なんだ?そろそろ教えてくれてもいいだろ」

 

「ふふっ。それはですね……「ナツメ。私達の船の方……」

 

 

リーシャが兄の疑問に応えようとした時だった。

ロビンがナツメに聞こえるギリギリの距離で異常を報告する。

どうやら"ドラゴン・ゲート号"付近に不審な動きを感じ取ったとの事。

 

 

「ドラゴンゲート号に侵入者ねぇ……おいカリーナ。今、俺らの船をいじくり回してる連中が居るらしいんだが。お前、心当たりは?」

 

「ギクッ!!……何?何の事!?と、特に心当たりはないかな〜」

 

「アンタ…分かり易すぎるわよ」

 

 

ナツメの問いかけに冷や汗を流し目線をそらすカリーナ。

ナミの呆れたような声に一同も同じくといった様子で頷く。

ナツメは立ち止まるとリーシャを地に下ろした。

 

「お兄様?」不思議そうな顔をするリーシャ。ナツメの行動に皆が足を止める。

 

「ヤバッ!なんか感づいちゃった?」と分かりやすく警戒するカリーナ。

 

 

「おい、カリーナ。本当にお前のお仲間じゃねぇんだな?」

 

「うっ…そ、そうよ!分かった!分かったてばー、正直に言うから!そんな怖い顔しないでよ!仲間じゃ無いわ。ぶっちゃけここまでの足に使わせてもらっただけ。彼奴ら私が宝石を手に入れたら奪い取る気満々だったみたいだし」

 

「ふーん…なぁロビン。俺らをウロボロスだと知ってて喧嘩売ってる様子なんだろ?……クククッ。骨がある奴だといいが……お前らちょっと離れてろ」(暗黒微笑)

 

 

右手を掲げ、掌を空に向けて開くナツメ。氣を練り上げると周囲の大地が震えだす。

ズァッ!!全長3メートルはあるだろうか。

劔を"屍の氣"で創り出した。その数、大凡300本。

無駄に装飾までこだわった逸品に、初めてナツメの力を見るカリーナは

「な、な、な…何なのよ…」と驚愕の声を漏らす。

 

 

「はあぁぁぁぁあ………ッオラァ!!」

 

 

ナツメは宙に浮く全ての劔を、空に向かって槍投げのように遠投した。

衝撃で足元の大地がヒビ割れ、爆風が空に捲き上る。

大剣は瞬時にその姿を彼方へと搔き消した。

30秒後。

 

「随分と趣味の悪い船ね……ふふっお見事。全弾命中したわ」

 

賊の声だろう。

ロビンの報告と同時に、少し離れた場所から悲鳴と破壊音が聴こえてくる。

 

「あ?全弾だと?んだよ拍子抜けだな。雑魚じゃねぇか」

 

能力で結果を見ていたロビンの報告に落胆の表情を見せるナツメ。

 

「カリーナ、アンタをここまで連れて来た連中って何者なの?」

 

「ナミもよく知ってる奴らよ……昔二人で忍び込んで捕まった……」

 

 

アンタまさか!声を荒げ、意外も意外といった様子のナミ。

 

 

「トレジャー海賊団・マッドトレジャー……」

 

「冗談でしょ!?昔彼奴らにされた事、忘れたの!?」

 

 

どうやら因縁があるらしい。ナミは皆んなに昔話を聞かせた。

カリーナとは昔宝を取り合った仲で、ある日、二人はトレジャーハンターの一味に忍び込みその宝を奪おうと奮闘したが、捕まってしまい酷い拷問を受けたらしい。

何故そんな奴らと組んだのか問い詰めるナミ。するとカリーナは

 

 

「実はね………ゴニョゴニョゴニョ」

 

「はあ!?嘘でしょ!?」

 

「ウシシッ!どうかしら船長さん。このまま私と組んで、根こそぎ奪ってみない?」

 

「ふむ…テゾーロ・マネーねぇ……」

 

 

 

 

 

〜〜ドラゴン・ゲート号〜〜

 

 

 

 

ウロボロスの海賊船。ドラゴンゲートを目視出来るところまで来たナツメ一同。

カリーナの話からすると、目的は薔薇の宝石のみだった筈だ。

取り敢えず、トレジャー海賊団の目的を知る為に木陰に隠れ様子を伺うことにした。

副船長でもあるたしぎはロビンへ状況の確認を指示する。

 

 

「ロビン、どうですか?彼奴ら、私達の船で一体何を……」

 

「何かを探してるみたい……あら。今金庫に…目的は私達のお金みたいね……」

 

「な!なんですってぇ!!!?いーい度胸してるじゃ無い……」

 

「心配すんな。黒蜜の金属だ。どうしようもねぇよ」

 

ナツメの言葉に安心するも束の間……

金庫を荒らされてると聞いてはナミが黙っているわけが無い。

 

 

「ふん、身の程を知らぬ唯のウツケじゃったか」

 

「いい!?彼奴らの船の甲板!見えるでしょ!?あそこの財宝を根こそぎ奪うわよ!!ナツメ!行ってきて!」

 

「待つのじゃ。ココは妾が行こう。あの程度の相手に船長が出る必要も無かろう」

 

「分かったわ。ハンコックに任せる!遠慮は無用よ!思いっきりやっちゃって!」

 

 

おーおー、ウチの航海士は怖いねぇ。とタバコに火を付けるナツメ。

単純に潰すだけではなく敵船の財宝を奪う作戦となった為、たしぎが各員へと指示を飛ばした。

別段警戒するほどの相手でも無い為、作戦と呼ぶほどのものでは無かったが。

 

敵の大多数がドラゴンゲート号に居るのは確認済み。

敵船にて残党をハンコックが掃討し、ビビとロビンの三人で宝を奪い脱出。

その間に他の皆でマッド・トレジャーの相手をすると言うものだ。

 

 

 

 

 

〜敵船にて〜ハンコック・ロビン・ビビside

 

 

 

「な、何だてめぇら!ってお、お前は!海賊女帝!?う、嘘だろ……て事はまさか……あの船」

 

乗り込んだハンコック達は、早速見張りの敵船員と遭遇した。

見張りと言うよりは損傷した船をセコセコ修復に励んでいた所であったが。

 

「あら…私達の事知らずに絡んできたって事?呆れた……」

 

「ビビ、そなたは下がっておれ…此処は妾一人で充分じゃ」

 

「え?は、はい……(ハンコックさんすごく怒ってる…」

 

"前代未聞。最強最悪のルーキー"懸賞金10億越えの船長。

軍艦20隻を瞬時に沈め、大将を瀕死の重傷に追い込んだ圧倒的戦闘力。

絶対に関わってはいけない化け物。彼らは完全にミスを犯したのだ。

散々な言われ様だが、ナツメ達本人は知る由もない噂話である。

 

 

「ひ、怯むな!"龍王"は居ねぇ!!所詮女だ!数で掛かれば大した事ねぇ!!」

 

「そなた達…ウチの副船長が聴いておったら殺されておったのぉ。じゃが……今の妾はそれ以上に機嫌が悪い……慈悲など皆無と知れ」

 

 

敵船員達はミスを犯した。船長の名が余りにも巨大な為、侮っていた。

他の一味など取るに足らないと。

もはや後悔しても遅いが。彼等は悲鳴をあげることも許されず、船から姿を消した。

 

 

 

 

ドラゴン・ゲート号〜〜甲板〜〜

 

 

 

「おいおい冗談じゃねぇ!テメェ!なんて野郎連れて来てやがる!!カリーナァ!裏切りやがったのか!?」

 

敵船長の名はマッド・トレジャー。

ナツメよりも身長が高く、胸元に歯車の特徴的なタトゥー。

身体に鎖を巻き付け、サングラスをかけて居る。

彼の計画はこうだった。

戻って来たカリーナから宝石を奪い、"偶然"近くに止まっていた巨大な帆船から、ついでに財宝を奪い、用済みのカリーナを殺す。

これまで何度もやって来たことだ。何ら難しくはない。

狙った船がウロボロス海賊団で無ければの話だが。

 

 

「はぁ?元々あんたの仲間でも何でもないでしょ。それより何でこの船にいるの?そんな計画は無かったと思うんだけど…」

 

これは完全にマッドのミスである。だがカリーナに無理やり責任を押し付けるしかない。

それ程迄に彼は気が動転していた。

知っていれば手を出すはずがない。此処は"新世界"では無いが相手は10億越えの首。

 

「カリーナ、テメェ、計画と違うじゃねぇか……俺たちの合図があるまでは誰もこの船に近ずけない筈だろ?ジャラララ。宝石に加えて大金が手に入るってお前が言うから手を組んだってのによ」

 

それを聴いてナミがカリーナを睨み付ける。

 

「カリーナ、アンタどういう事?」

 

「ちょっと待ってよ!そんな話信じる訳!?」

 

必死に弁名するも、アインとたしぎも疑いの目を彼女に向けた。

あんな未来を見た後なのだ。影響を及ぼす様な事態は全て潰す。

ウロボロス一味は仲間以外、全ての危険因子に対して警戒し、殺気立っていた。

しかし此処で先程から黙って様子を見ていたナツメが口を開く。

 

 

「もういい」

 

 

「お、俺はアンタの船だって知らなかったんだ!その女に騙「うるせぇ。黙れ」

 

マッドの言い訳も虚しく、ナツメの発動した【龍砲】によってその口は塞がれた。

反射的に鎖をナツメの身体に巻きつけるマッド。

喋れはしないが、身動きを封じた事で邪悪な笑みを浮かべる。

 

「悪いな。この船に俺が乗せた以上、カリーナも俺の大切な仲間だ。残念だが、お前は招いた覚えがねぇな」

 

「大切な…仲間……」

こんな状況で怪しい自分を無条件に受け入れてくれた。

カリーナの表情は何処か嬉しそうだ。

 

「お前は惨めな奴だな。マッド・トレジャー。仲間を何だと思ってんだ?お前の目…仲間を道具としてしか見てねぇ。お前の仲間も皆が同じ目だ。俺が嫌いな……腐った目だよ」

 

そう言うナツメに何時もの不敵な笑みは無い。ただ静かに男の終わりを口にした。

 

「【自害しろ】」

 

マッド・トレジャーは自慢の鎖を自身に巻き付け、その身を海へと投げ出す。

その表情は何を浮かべていたのか最早知ることは叶わない。

能力者であるマッドは身動きも取れず、静かに海の底へと沈んでいった。

 

 

「さて、残党はアインとたしぎ。任せた」

 

「「承知!」」

 

残党狩りへ瞬時にその場を後にするたしぎとアイン。

ナミとカリーナ、ナツメの三人がその場に残っている。

 

「これで満足か?ナミ」

 

「う、うん!ありがと!スッキリした!」

 

「ったく。お前は昔から無茶ばっかしてたんだな。あの"下手くそな行き倒れ"だけで金集めてたんじゃ無かったと知って、別の意味で安心したわ」

 

「こ、こらっ!変な事思い出させないでよね!」

 

「さ、さっき何をしたの?あいつが自分から海へ飛び込むなんて…」

 

先程から驚かされてばかり。ナツメの能力を教えてもらい、カリーナはある決意をする。

 

(これで能力者じゃないなんて…なんて無茶苦茶なの……でも彼と…彼の一味と仲間になれば私の夢が一気に現実へと近ずく!!)

 

「アンタまた何か企んでるでしょ。"女狐"カリーナ」

 

「げっ!女狐って言うな!この泥棒猫!」

 

「げっ!って……お前…分かり易すぎんぞ。もう少し演技力鍛えろよ。ナミの行き倒れよりヒデェ」

 

「ちょっとぉ!ナツメ!また言ったわね!?」

 

 

また賑やかになりそうだな…

物思いに耽るナツメの元へ、全てを終えた一味全員がいつの間にか集まっていた。

取り敢えず大事になる前に島を離れる事にした一行。

ナミの操縦の元、ラトゥール島を後にするのであった。

 

 

 

 

 

 

ドラゴンゲート号〜〜リーシャの部屋〜〜

 

 

ラトゥール島を出港して1日が経過。

現在の時刻は夜。船はグランドラインの海域を当てもなくゆっくりと進んでいる。

ナツメを除くウロボロス一味は"作戦会議"の為リーシャの部屋に集合して居た。

カリーナは客室で就寝中。

 

 

「さて、いよいよこの時がやって来ましたね。いいですか?どんな結果になろうとも恨みっこ無しです」

 

リーシャの真面目な雰囲気に黙って頷く一同。

ハンコック、アイン、たしぎの三名は既に覚悟を決めた様子。

ロビンとナミ、ビビは不安げな表情を浮かべて居る。

 

「お兄様からは特に順番の指定はありませんでした。誰から行きますか?」

 

ナツメの性格上、何番目に尋ねようが結果は変わらないだろう。

だが…彼も人間だ。第一印象のインパクトというものは小さくはない。

有利になるか不利になるか……

皆が思考の海に入ろうとした時、四つの手が上がった。

 

三つは言わずもがなだが…震える一つの手は意外な人物の挙手。

 

「「ビビ!!」」

 

「ま、まさかそなたが手を挙げるとは……」

 

「え…えへへ…トップバッターは私に…行かせて貰えませんか?」

 

リーシャを含めた皆の想像に無かった人物。ここで皆が同じ事を思った。

これは…何が起こるか予想出来ない。

あえて変則的なルートで攻めるのもありなのではないか?

 

「ビビ!しっかり思いの丈を!後悔の無いようにね!!」

 

ビビの震える肩を抱き寄せ励ますリーシャ。

この子ったらこんなに大きくなって……

皆の心情は何故か母性を思わせるソレであったという。

 

 

 

 

〜〜ナツメの部屋〜〜

 

 

ナツメは窓際の椅子に寄りかかり、夜を見ながら煙草をふかしていた。

酒を一口含むと皆の思いつめた表情を思い出す。

これから一人一人と向き合って話し合う。

スタジアムの一件以来、ナツメは皆の言動、行動を注意深く観察していた。

それにより、実はある程度の予想はついているのだが……

彼女達の話がどんな話であれ最後まで全部聞くつもりだ。

 

 

「ナ、ナツメさん……」

 

小さなノックとともに聞きなれた声がする。

 

「……ビビか…入れ」

 

「し、失礼しま〜す……」

 

「ははは!んな恐縮すんなっての!お茶入れるからそこにかけてろ」

 

ひゃ!ひゃい!

間抜けな返事を返したビビは、言われた通り部屋の中心に置かれて居るソファへ静かに腰掛けた。

ほれ。とコップを渡すナツメ。

 

 

「取り敢えず一杯やって落ち着けよ」

 

「はい。……んくっ…………はぁーー」

 

「落ち着いたか?」

 

苦笑いを浮かべて心配するナツメの顔は凄く優しさを感じさせる。

その表情で安心したようだ。と判断した所で話は本題に入っていく。

 

「んで?話ってのはなんだ?出来れば"協定"についても教えて欲しい」

 

「………ナツメさん。協定の事をお話しする前に……ひとつだけ言わせて下さい」

 

顔を耳の先まで真っ赤に赤らめるも、真剣な表情のビビ。

どうやら想像は間違っていないらしい。だとしたら…俺は……

思わず唾を飲み込む"白金の龍王"

彼のこんな表情は中々見られない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私…ネフェルタリ・ビビは……ナツメさんの事を心の底から愛しています」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…俺は……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





今後の執筆について少し考える時間を下さい。


此処まで読んでいただきありがとうございました。

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