【創造と破壊】の力で暴れまくる〜リメイク版すげ替え進行中〜   作:しのしのおしるこ

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アンケートへのご協力、ありがとう御座いました!

結果、全員分書かせていただきました。

お楽しみ頂けましたら幸いです。




第16話〜〜ウロボロス〜〜

 

 

 

 

 

 

 

"愛"って何だ……

 

 

俺には……その言葉の意味が分からなかった。

生まれ落ちてから26年。俺が生きる過程で身につけたものは何だ。

考えても"力"くらいしか思い付かねぇな………違う。

この力は…生まれてずっと付きまとっていた呪いの様なもんだろ。

身に付けただと?そんな大層なものじゃ無い。

 

俺は人を好きになった事が無かった。

いや、それがどういうものか分からない。と言った方が正しいか。

"力"しか持たないのなら…ソレにすがるしか無いじゃないか。

 

何言ってんだ?…そうじゃねぇだろ馬鹿野郎……

 

世界に嫌われていただと?本当にそうなのか?

前の世界には……世界中には何人の人間が居た。自惚れるな。

勝手に自身で決めつけて、逃げてきただけじゃ無いのか?

そうだ。分かってんだろ。

初めから、答えなんか出ていた。

 

今の俺には愛する仲間、家族が居る。

初めてだった。この"呪い"を人の為に使うことが出来たのは。

呪いを…大切な人を守る力へと変えてくれた人。

目の前の"彼女"もそうだ……

 

ビビ…恐いのか?何で震えてんだ。

 

俺が恐いとかか?

わからねぇ……

何がそんなに不安なんだ。

 

薔薇の一件で皆が暗い顔をした。

 

 

彼女達には何時も笑顔でいて欲しい…

お前には…お前らには笑顔の方が良く似合う。

いつまでも、この輪の中で笑っていてくれ……

 

 

 

『私…ネフェルタリ・ビビは……ナツメさんの事を心の底から愛しています』

 

 

 

この一言を伝えたかったのか……

勇気を出して言ったのだろう。

今の彼女は色々な感情が混ざった様な表情をしている。

 

"愛の告白"か……

 

好きな異性へ思いの丈をぶつけるのは中々に大変な事なんだよ。

昔、そう…書物で読んだ事がある。

 

 

「ビビ……」

 

「ひゃ!は、はい!!何でしょうか!!!ナツメさん!!///」

 

 

俯いた顔を上げるビビ。

………え?

人生で一番ビックリした事をあげなさい。こう問われれば間違いなく

"今この時"です!!と、ビビは元気よく返したに違いない。

 

 

「ナ、ナツメ……さん?な、な、泣いてるんですか?」

 

「は?……何じゃこりゃ!!な、何で………いや、そうか…俺は………嬉しかったんだよ。泣く程嬉しかったんだ。きっとな……」

 

 

もしかすっと酒のせいかもな。と続けるナツメに「一言余計ですっ!」と返すビビ。

 

正直、ビビは一目見た時からナツメに惹かれ、恋に落ちていた。絶対無敵の船長。

彼が見せる初めての様子に、何だか可笑しくて、嬉しくて、思わず笑みがこぼれる。

互いに笑い合う二人の表情は間違いなく"幸せ"を浮かべていた。

そして……

 

 

 

 

「俺もお前の笑顔が大好きだ。ビビ」

 

 

 

 

第一印象の特典?

そんなものがもし有るのならば、彼女が今夜見たナツメの表情がそうだろう。

彼が告白されて涙を見せたのは……その一度きりだったのだから。

 

 

 

 

 

 

 

ドラゴン・ゲート号〜〜リーシャの部屋〜〜

 

 

ゆっくりと帰還したビビの元へ、リーシャが一番に駆け寄り、声をかけた。

 

「お帰りなさい!どうでしたか!?って、え?ビ……ビビ………?」

 

 

「た、ただいまです〜みなさんっ。えへへへぇ///」

 

 

部屋に帰還した王女の顔を見て、まず一同全員が思った事。

 

 

やばいこれ……一発目で終わった……

 

 

こんなに幸せそうな人間の表情など初めて見る。

ナミが目の前に1兆ベリー積まれてもこんな表情には…ならないんじゃないだろうか。

不味い不味い不味い!不味すぎるんですけど!?

母の心で見送った筈の一同の心が次第に暗黒面へと堕ちていく。

 

 

「なななっ何じゃその顔は!!一国の王女が見せて良い顔ではないぞっ!!」

 

「は、は、ハンコックは少し黙ってて下さい!!何があったの!?師匠になんて言われたんですか!?」

 

「ははっ…オワタ……私の負けですビビ…情けは無用です。殺しなさい。先生さようなら」

 

『はい。皆さんさようなら〜』(幻聴)

 

大好きな人にフラれてこんな幸せ顔になる筈もない。

思いを告げる前に戦いが終結してしまった。

この結果に、アイン、たしぎ、ハンコックのライフはほぼ0。

底をつきそうな勢いを見せる。

"戦わずして勝つ"正に武の極地。

 

 

「って!言ってる場合かっ!!!あんた達落ち着きなさいよ!ビビなんて居なかった!いいわね!?」

 

「ナ、ナミさん!?酷いっ!?」

 

「ナミ、貴女も相当応えてますね……あれ?…ロビンが居ません」

 

リーシャの言葉で正気に戻る一同。テーブルの上にメモが置いて有るのを発見する。

 

 

《誰も行かないみたいだから…私、行って来るわね》

 

 

一同「「「えぇぇえ!?ロ、ロビン!?」」」

 

 

流石怖いもの知らずというか…この空気で突撃する辺り流石と言えよう。

有る意味、第二の勇者誕生の瞬間である。

 

 

 

 

〜〜ナツメの部屋〜〜

 

 

「ナツメ。入ってもいいかしら」

 

ビビの時より少しだけ強めのノック。この世界に来て初めて出来た仲間の声だ。

ナツメは席を立ち扉を開けると、自らドアを開けロビンを部屋の中へと招き入れた。

 

「よぉ。ロビン。次はお前だったか」

 

「ふふふ。こんばんわ……随分幸せそうな顔ね。何かいい事あった?」

 

「ま、まぁな。取り敢えずそこにかけろよ」

 

ロビンの笑顔に思わず目をそらすナツメ。

彼に促され、ロビンは外にあるテラスへ足を運ぶ。

 

(ふふふっ。ビビの"告白"はかなりの効果があったようね……)

 

今迄、仲間としてしか接して来なかったナツメは先程の事もあり若干挙動不審だった。

初めてナツメに女性として認識されたのだ。

そんな"想い人"の姿を可愛らしい。と、心のアルバムに記録するロビン。

 

(な、なんか今夜のロビンが…妙に色っぽいというか……)

 

そしてホットミルクが入ったカップを二つ持ち、ナツメもテラスへ足を踏み入れる。

ほら。とロビンにカップの一つを手渡した。

互いに向かい合うように椅子へ腰掛ける二人を、月の光が優しく照らす。

 

「……何だか懐かしいわね」

 

「はははっ。前にもこんな事あったな。6年前か…随分時がたったもんだ」

 

「あら、覚えてたのね。ふふ。意外だわ」

 

「当たり前だろ!初めて仲間が出来た夜だぞ?忘れるかよ」

 

その言葉を皮切りに、思い出話を始める二人。

ロビンは思い出していた。ナイトアイランドの夜を。

その後に起きた出来事も。

 

「そして三年間も……貴方は帰って来なかったわね………」

 

静かにそう告げる彼女の表情は笑顔であったが、両目から細い涙が頬を伝っていく。

 

 

「げっ!わ、悪かったって!ちゃんと理由があったのは分かってんだろ!?泣くなよ」

 

「ふふっ。ええ。今更突っついたりしないわよ」

 

「ロビン…もしかして、お前……あの頃、ずっと泣いてたのか?」

 

 

サッと手慣れた仕草で涙を拭き取るロビンを見て思わず口にしてしまうナツメ。

いつも気丈に振る舞ってみせる彼女。

だが、ナツメに出会うまで、その人生はずっと世界政府に追われ続けて来たのだ。

あの時、彼女を守ると誓ったばかりだった。

そんな矢先に三年も放置したのだ。

内心では悲しい想いや不安な思いをさせ続けて来たのではないか?と察してしまう。

 

 

「……どうだったかしら…ふふっ。もう忘れちゃったわ…えっ?ちょっとナツメ!?」

 

 

大丈夫と笑顔を見せるロビンの表情を見て、色々な感情が頭の中を埋め尽くす。

気がつけば椅子を立ち、ロビンの手を引き上げていた。

余りの不意打ちに顔を真っ赤に染めながらも、何が何だかわからない。

そして彼女はナツメの胸へ静かに身を預けた。顔は赤いままで。

 

 

 

 

「…ひっ…く…ぐすっ…私があの時…どんなに不安だったか貴方にわかる?」

 

「そうだよな……悪りぃ……これからは…二度と放ったらかしたりしねぇよ」

 

 

ナツメの胸の中で泣き噦るロビン。

あの時ロビンが過ごした三年間は、ナツメの思っていた以上に辛いものだったようだ。

ナツメの体温がロビンを暖めていく。三年間の想いを溶かすように。

そして、ロビンが泣き止んだのを確認した為、引き離そうと身体を離したナツメ。

 

「ダメよ…もう少しこのままで……」

 

「お、おい!ロビン!?」

 

離してはくれないようだ。

彼女の両腕はシッカリとナツメの背中に絡みついていた。

 

「ナツメ……このまま聴いて。薔薇の麓で観た内容の事……貴方に話すわ」

 

彼女の暖かい吐息がナツメの胸を暖めていく。

そして龍眼で観た内容をロビンは静かに語り出した。

 

「……俺が…死ぬ?…しかも知らない女と二人で……な、なんだそりゃ」

 

「貴方が見せた最後の表情……とても幸せそうだった……でも!そんなの許さないわ!」

 

ロビンは先程よりも強くナツメを抱きしめる。

わ、分かった!分かったから落ち着け!!と宥めるナツメ。

 

 

「分かってないでしょ!?貴方の性格だときっと無茶をする!お願い……お願いだから……私達の側に居てちょうだい……貴方が死んでしまったら………」

 

「おいおい、俺の事はお前が一番よく分かってんだろ……」

 

「なら、島での一件は何?貴方に傷が付く所なんて初めて見たわ。確実なんて言い切れないでしょ?」

 

「お前……アインの事「その件じゃ無いの」……は?」

 

ロビンが言っているのは、アインとたしぎが暴走した一件ではない。

薔薇の麓でナツメが暴走した時の話だ。

氣が暴走した時。彼を中心に起きた爆風。

その際、ロビンが意識を失う瞬間。彼に飛んで来たのは拳ほどの石だった。

"ただの石"が頭部にぶつかっただけ。

それだけで、ナツメの額から血が出ていたのをロビンは見逃さなかったのだ。

 

「そんな事……今迄は絶対にあり得なかった事でしょ?」

 

「はぁー、本当によく見てんな。ははっ、ロビンにはかなわねぇや」

 

「理由までは分からないわ。青い薔薇が原因だと思うけど……」

 

「あぁ、例の宝石。そいつが出来たらちょっとした実験をしてみるつもりだ。ってそんな顔するなよ。命がどうこうの話じゃねぇ」

 

これ以上無茶はしないでほしい。ロビンは心からそう思っていた。

今回の件ではっきりと再認識した事。

此処はやはりグランドラインであり、彼も一人の人間だという事。

 

「約束して頂戴……絶対に私達の前から居なくならないで…」

 

「ああ、約束するよ。心配ばかりかける船長ですまない。流石に少しウンザリしたんじゃ無いか?」

 

「うふふっ。まさか。私、ナツメの事を愛してるもの……」

 

「え!ちょっ!!」

 

ロビンは不意に"ハナハナ"で腰から腕を咲かせナツメを抱き寄せる。

そして本物の腕を首に絡ませ、その唇を重ね合わせた。

空を埋め尽くすほどの星空の中、船上のテラスで重なり合う男女を、月明かりが照らす。

 

「……ん…んむっ……………ぷぁっ…ロ、ロビン!!!」

 

ま、まじかよ……今俺!とアワアワする船長。

 

「あら、初めてだったの?意外ね」

 

顔は真っ赤だが、あくまでも冷静な彼女を見て、気が高まったのか動転したのか。

 

「お、お前は初めてじゃ無いのか?」

 

と、アホな質問をしてしまうナツメ。

 

「……そうね、これで2回目かしら」

 

またも不意打ちである。再び唇を重ねるロビン。

 

「私が愛したのは後にも先にも貴方一人よ。二度とバカな事聞かないで」

 

「あ、ハイ……っておい!ロビン!?」

 

ナツメが返事をする間も無く、ロビンはスッと部屋を後にした。

 

 

 

 

「っはぁ!はぁ!き、緊張したわ……わ、私ナツメと…ききき、キスを…///」

 

部屋を出た扉の裏では動揺を隠せなかったのだが…それは此処だけの話。

 

 

 

 

 

 

〜〜リーシャの部屋〜〜

 

 

 

 

「…ただいま」そう告げ、静かにリーシャの部屋へ戻ったロビン。

近くに居たリーシャが声をかける。

 

 

「ロビン!お、おかえり。随分遅かったですね……」

 

 

いつも気丈に振る舞い、表情に余り変化を見せないロビンだが、この時は違った。

 

「な、なんかロビンが色っぽく見えるんだけど……」

 

「ナミもそう思いますか?……な、何があったのでしょうか……」

 

なんかやたらと顔が火照ってる……

唇を人差し指をなぞる動作がいちいちエロい……

部屋に戻るなり奥へ座ってしまったロビンをナミとリーシャが分析する。

 

「そんなに何があったか気になるの?……そういえば、他のみんなは?」

 

先程からナミとリーシャ以外のメンバーの姿が見当たらない。

 

「あー、ビビは皆んなの夜食作りにキッチンよ〜。あの"三馬鹿"はさっきどっか行っちゃったわ。ったく…何が作戦会議よ。絶対ロクな事にならないんだから」

 

「それにしても遅いですね……ナミ、先に行ってきてはどうですか?」

 

「ダメよ、さっき順番決めたでしょ?あいつらナツメの事になるとアレだもん。私まだ死にたく無いし」

 

「ふふふ、今行けばナツメの面白い姿が見られるかもしれないわよ?」

 

(ほ、本当に何があったの……)

 

 

ロビンがイタズラっぽい笑みを浮かべると、其処にアインとたしぎが戻ってきた。

 

 

「はぁ〜。ただいまです……ってロビンじゃ無いですか!!」

 

「ろ、ロビン!あああ貴女まで何故そんなに幸せそうな表情を……せせせせ先生と何かあったんですか!?」

 

 

たしぎとアインがロビンへと詰め寄るが……

アインの挙動不審っぷりに拍車がかかる結果となってしまった。

 

「アイン…落ち着きなさい。順番決めをしたのでしょう?次は誰が?」

 

「次はハンコックですよ。既に師匠の部屋に向かった筈です」

 

どうやら次はハンコックらしい事を確認すると、一同は席に着いた。

ビビが夜食を持って戻ってきたからだ。

取り敢えずお茶を濁し一息ついたところに、ナミが口を開く。

 

 

「で?三人の作戦ってなんなの?変な事しないでよね」

 

「し、しませんよっ。失礼な!!三人の作戦というより…私がハンコックの頼みを聞いただけです」

 

「ええ、アインの力を借りたいとかで。それと、告白に行く流れは私、アイン、ナミ、リーシャの順番でしたが……」

 

 

 

「「私達は二人で一緒に行かせていただきます」」

 

 

 

ハンコックがアインに何を頼んだのか気になっていたナミとリーシャ。

其処にアインとたしぎから、まさかのダブルアタック発言が飛び出す。

 

 

「あ、あんた達本気なの!!?(仮にどちらかが選ばれでもしたら……)」

 

「「戦争になりそうですね……」」

 

「リーシャとビビの言うとおりだわ。余り良い作戦とは言えないんじゃない?」

 

 

スタジアムでやらかしたばかりの二人に心配そうに苦言を呈すロビン。

思わずリーシャとビビの声も重なる。

しかし、心配御無用です。と言い切る二人。

 

 

 

「私達は師匠の弟子なんです。今回の不祥事、これをまずは謝らないと…」

 

「ええ。先生の顔すら…まともに見れません」

 

「はぁー、反省してるなら良いんじゃない?でも次にやらかしたら分かってるわよね?」

 

「「は、はい…」」

 

 

 

ナミの顔が怖い。リーシャとビビは冷や汗を垂らす。

この様子なら大丈夫そうね。とロビン。

 

「ハンコックさんは……大丈夫でしょうか…」

 

「此処までしてあげたのです。後は後悔の無いよう撃沈するのみですよ、ビビ」

 

「アインさん!?そんな言い方はひ、酷いです!」

 

「ははは。冗談ですよ、冗談(棒」

 

 

一体ハンコックに何をしたのだろうか……

 

 

 

 

 

〜〜同時刻。ナツメの部屋〜〜

 

 

 

「ナ、ナツメ///」

 

いつもの女帝からは感じられない、どこか弱々しい声と共に扉がノックされた。

ガタガタッ!ガゴン!

何やら騒がしい音。そして部屋の扉が開くと…

 

 

「よ、よおハンコック!よく来たな!!は、入ってくれ」

 

 

何故か挙動不審のナツメ。その姿を見て只々頬を染めるハンコック。

互いにオロオロしながらソファーへと腰掛けた。

 

 

「な、何やら騒がしかった様じゃが///…部屋でも片付けておったのか?///」

 

「…お…おい、何で隣なんだ。普通は向かいに座るだろ……」

 

「よ、良いでは無いか///…わらわとナツメの仲じゃ///」

 

(ま、まあいいか。さっきの"アレ"で今はマトモに顔を見れん)

 

 

さっきのアレとは勿論ロビンの一件である。

心の中で少し時間をくれ。と謝るナツメ。

互いに触れるか触れないかの距離に腰掛けた二人。

暫しの沈黙が訪れた。10分後、落ち着いたのかナツメの方から声をかける。

 

 

「ふぅ……すまん、ちょっとテンパっててな〜。落ち着くまでに時間がかかった」

 

「そ、そうか///……ナ、ナツメ!何か気がつかぬか?」

 

「ん?何かって……ん?…………んん!?」

 

 

10分もの間、マトモにハンコックの姿を見ていなかったナツメ。

声を掛けられたことにより、彼女の方に視線を送ると、ようやく気が付いた。

だが間違いでは無いかと自分の目を何度も擦る。

女性にこんなこと言うのはナンセンスだろう。

分かってはいたが、思わず口に出してしまう。

 

 

「な、なんかお前…いや、間違ってたらすまねぇ。わ、若くなってね!?」

 

 

そう。見た目が完全に若返っている。

見間違えじゃ無いだろう。だが、具体的に12年ほど若返った様に見える。

 

 

「ど、どうじゃ?今のわらわは20もいかぬ姿なのじゃが……」

 

「や、やっぱりそうか…待てよ?……あ!アインか!あ、あいつにやられたのか?」

 

 

仲間に能力を使う事はこの一味では禁止している。

まさかまた暴走して!?そう思ったナツメは部屋を出ようと立ち上がるが…

 

 

「ち、違う!妾が頼んだ事。アインは無実じゃ」

 

「頼んだって…何でこんな事したんだ?」

 

ナツメの困った様な表情を見たハンコックは察した。

 

あぁ。これでも響かぬか…妾は……

 

そして暗い表情を浮かべ口を開く。

 

「初めて会うた日の事を覚えておるか?」

 

「あ?当たり前だろ。ランを助けて九蛇の船まで送ったんだ。ははっ、懐かしいな。随分前だ」

 

「そうか……妾は…そなたが船に来る少し前に姿を捉えておった」

 

「え?そうなの?」意外といった声色をのせ、酒を手渡すナツメ。

勿論白酒だ。

グラスに浮かぶ自身の顔を見つめながら"酷い顔じゃな"と彼女は呟く。

そして、彼女は酒を一口で全て流し込むと、感情を乗せた声で話を続けた。

 

「っぷはぁ!妾は!ひと目見た時からっ!そなたを好いておった!ナツメが海軍に行ってからも!本当は行きとうなど無かった!そなたが居たからじゃ!顔を一目見た時どれ程嬉しかった事かっ!」

 

此処でハンコックの瞳が潤み、その美しい頬を涙が濡らしていく。

 

「三年ぶりにそなたが戻った時もじゃ……飛び跳ねる程嬉しかった。アラバスタでの2年半も……妾がナツメの事を思わなかった日は1日たりとも無い。じゃが、時は立てども一向に振り向いては貰えぬ。分かっておった。妾の独りよがりじゃと……羨ましかったのじゃろうな……この一味は皆が"若い"……何が言いたいかと言うと…妾のただの嫉妬じゃ。気にするな」

 

「ったく……アホかお前は!」

 

「いっつ!……な、何をするっ!」

 

ナツメは見当違いも甚だしいと、ハンコックのおデコにデコピンをかます。

そして、ソファーに腰掛ける彼女を抱き上げた。

 

 

「な、な、な、ナツメ!!な、何じゃいきなり!///」

 

「今からアインの所行って戻してもらってこい。話はそれからだ」

 

「わ、妾の姿がそこまで気に入らぬのか?」

 

「か、可愛いに決まってんだろ!でも俺は本当のお前と話がしたいんだよ。ほれ、さっさと行った行った」

 

(か、可愛いと言われた………///)

 

 

 

 

〜〜十分後〜〜

 

 

 

 

ナツメの部屋に戻ってきたハンコック。

 

 

「うん!やっぱりお前はそうでなくちゃな!!」

 

「はぁ!はぁ!こ、これは短時間で繰り返すものでは無いな………ふー」

 

汗をかいている彼女を見て、夜風に当たろうとテラスへ出る二人。

格子に寄っ掛かるナツメと、向かい合う様に佇むハンコック。

月の光に彼女の汗が照らされ、妖艶な雰囲気を漂わせていた。

 

 

「クククッ。実を言うとな、お前を初めて前にしたあの時、俺は籠絡されそうだった。その後も、海軍に行くまで俺は……お前に飯を食わせて貰ったり…お前と向かい合うたびに理性と戦うのがきつかったんだぜ?」

 

「な!なんじゃと!?くっ!あの時…恥ずかしがらずに押し倒しておけば……」

 

「ははは!ったく、お前はブレねぇなハンコック」

 

「わ、妾は本当にナツメの事が愛しくてたまらぬ……もしあの映像の様に……そなたが居なくなってしまう事があれば……妾は耐えられぬ」

 

「そりゃ俺もだ。お前達の一人でも俺の前から消えちまったら…俺は自分がどうなっちまうか分からねえよ。だから、それが起きない為のウロボロス海賊団。だろ?ロビンに聞いたよ。お前にも約束する。お前達を置いて死ぬなんて事は死んでもしねぇ!」

 

「ふふっ…面白い言い回しじゃな。約束じゃ。この想いは妾の一方通行でも構わぬ。だから……「何勘違いしてんだ?」な、ナツメ?」

 

「俺も、お前達と同じだハンコック。だからそんな悲しそうな顔すんなよ」

 

「わ、妾と同じじゃと?……な、ナツメ…」

 

 

僅かに震えるハンコックの両手を包み込む様に取り、ナツメは満面の笑みを見せ、こう言った。

 

 

「おう。俺もお前が大好きだ」

 

「だ、"大好き"と言われた!はぁぁあ………///(これが結婚!///)」

 

 

思わずナツメの胸の中へと寄りかかる様に倒れるハンコック。

それをナツメは優しく抱きとめた。

長年の想いが届いたのだから、彼女にとってこれ程嬉しい事は無い。

まるで一枚の絵の様な……倒れる時も美しい。

まさに世界一の美女。ナツメはそのまま柵にもたれかかり、膝枕をかます。

 

暫くの間、二人は海風に浸り続けるのであった。

 

 

 

 

 

 

ハンコックの日記。

その夜の、翌日を書いたページは、こう始まっていた。

 

 

 

 

 

 

《妾は今日という日を生涯忘れる事は無い……》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




予想通り長くなりました。

ONE PIECE要素薄めですがお許し下さい。

アイン、たしぎ、ナミ、リーシャは次回ですね。
お楽しみに。


ここまで読んで頂きありがとうございました。
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