今日のすべての講義が終わり治仁は大学の研究室でレポートも一通り見終わり、帰宅の準備に入っていた。
同僚の牧は一足先に帰宅している。
(さて、そろそろ返るか……)
「お先に失礼します」
研究室を出て、家への帰路に着く治仁。
「ただいま」
「あ、お帰りなさい、ご飯できてるけど食べる?」
「ああ、頼むよ」
「ええ、わかったわ」
未希は治仁の夕食を用意しに台所に向かう。
治仁も夕食を食べるためにテーブルに向かった。
「そういえば悠は?」
「先に食べてもう風呂に入っているわよ」
「そうか」
「そういえばお昼ニュース見た?」
「いや?見てないけど何かあったの?」
「ヒトデみたいな生き物の死骸が大量に沖に上がっていたらしいは、しかも全部炭火焼にされたような感じで」
「なんだそれは?」
「わからないわよ、それに上がった沖の場所がこの町の海水浴場よ?」
「そりゃ本当か?だとするとうちの大学に解剖を頼まれるかもしれないな」
治仁が未希と話している最中に先に風呂に入っていた悠が入ってくる。
「あ、父さんお帰りなさい」
「ああ、ただいま」
・
・
・
・
・
日本海
暗い夜の海の中で3隻の潜水艇が進んでいた。
潜水艇の名前は『特殊潜航艇さつま』、原子力潜水艦の沈没事故での回収作業や救助等を想定にして作られており、放射能遮蔽機能を有している潜水艇である。
「広瀬、『さつま』の様子はどうだ?」
「はい、今の所異常はありません」
「わかった、そのまま目的の海域まで進んでいけ」
「了解です」
彼等が乗る「さつま」を搭載していた。護衛艦「あいづ」から指令が入り、三隻の「さつま」はそのまま目的の海域まで潜っていく。
彼等は昨日の青い発光の原因を調べる為に出動していた。
原因が何かは不明なので慎重に配慮し放射能遮蔽機能を有している「さつま」に調査を命令されたのだ。
「こちら広瀬、目的の海域到着まであと少しです」
「了解、何が起こるかわからんから慎重に行け」
「了解です」
「さつま」のパイロットの広瀬は通信を切り、後ろに続いている二隻の「さつま」にも通信を送る。
「こちら1番機だ、そろそろ目的海域に到着する。気を引き締めて行くぞ」
「「了解!」」
通信を切り、改めて気を引き締めながら進み、目的の海域に到着する。
周りには険しい岩山や海藻等が広がっていた。
到着した後複数の方向に「さつま」は散開した。
「変わった所は特にありませんね」
「くまなく探せ、意外な所で見落としている事もあるからな」
「わかりました」
「さつま」を潜航させ、問題のある場所を徘徊する。しかしこれと言ったモノや原因と言えるものは一切見つからず暫く時間が経ってしまう。しかし散開している2番機の「さつま」から広瀬の乗っている「さつま」1番機に通信が入った後に状況は一変する。
「こちら2番機、1番機応答願います」
「こちら1番機、どうした?」
「先程一瞬だけでしたが発光を見ました」
「何?本当か?」
「はい、これから先行して調査しようと思います」
「待て!勝手に先行してはならん、我々が来るまで待機していろ」
「…了解です」
広瀬は通信を切り、3番機の「さつま」に通信を送り一旦合流し待機している2番機の方角に向かう。
その途中で2番機から通信が入る。広瀬は通信のスイッチをつける、そこから2番機からパイロットが慌ただしく喋り始めた。
「こちら1番機、2番機応答しろ」
「しょ、小隊長!大変です小隊長!」
「落ち着けどうした、何があった?」
「せ…背鰭です!」
「背鰭?」
「はい!巨大な何かの背鰭が発光しているんです!」
「背鰭が発光している?」
2番機からの通信内容の「巨大な背鰭」と「発光」の言葉にあの怪獣の事を連想する。
しかし2号機の次の通信を受けて衝撃を受ける。
「はい、発光しています!間違いありませんコイツはあの…!、こ…こっちに気づいた、近づいてくる!」
「すぐに逃げろ!?早く!」
「だ、ダメです!間に合いません!ああ…!口を開いた、いやだあぁあぁあ!?」
次の瞬間固いものが大きな圧力で潰されたような音が大音量で響く。
広瀬はすぐに2番機に通信を送るが何も返事は返って来ない。
「おい応答しろ!2番機応答しろ!応答してくれ林田!?」
何度も何度も通信を送るが何も返事は来ない事に広瀬は2番機はパイロットごと完全に破壊された事を悟る。
しかし悲観に暮れる訳に行かずすぐに避難する指示を3番機に送る。
「3番機…今すぐ「あいづ」まで全速力で撤退するぞ」
「え?しかし小隊長2番機は?」
「林田は…2番機は何者かの攻撃で轟沈した、この「さつま」には『削岩弾D-03』1発しかないんだ。
まともに戦闘などできない」
「さつま」には通常の魚雷の他に推進式削岩弾D-03が搭載されている。
この弾頭はドリル型の推進式削岩弾頭でミサイルに装着しての使用を基本としており、空中で推進動力部と装甲を分離し標的に命中した後ドリルを高速回転させながら内部へと突き進み、内側から爆発させるという兵器だ。
その使用方法の為崩落現場等での救助活動に用いられる事が多く、この弾頭の使用を前提とした『自走式ミサイル発射砲 大鵬』が製作されている。
しかし元々作業用の特殊潜水艇である為それ以外の武装は無く、1発しか装備できない。
「だから急いで「あいづ」に戻りこの事を報告しなければならない、2番機の犠牲を無駄にしないためにも…」
「小隊長…了解です」
広瀬の指示に3番機のパイロットは従い、急いで「さつま」を反転させあいづの所に向かう。
広瀬は護衛艦「あいづ」に通信を送る。「あいづ」も「さつま」からの通信に応える。
『こちら第3小隊隊長「広瀬二尉」、応答願います』
「広瀬二尉、2番機の反応が消失しています、一体何が…」
『…2番機がやられました』
その報告を聞いた「あいづ」の船員はすぐに艦長にもその事を伝える。
艦長はその乗組員のインカムを取り広瀬に詳細な話を聞く。
「何?一体何が起こった?」
『わかりません、しかし2番機が撃沈される前に「発光する巨大な背鰭のようなもの」っと言っていました。もしかすると…』
「新しい「ゴジラ」が現れたと言うのか!?」
『その可能性も捨てきれません、もしくは別の巨大…!?』
「どうした?」
急に会話が途切れてしまった為、艦長は不審に思ったがすぐに広瀬は話を続けた。
『…2番機を沈めたと思われるものがソナーに現れました』
「何!」
「艦長、何か巨大な物がこちらに接近しています!」
「広瀬二尉!何とか追跡をかわす事はできないか?」
『駄目です、振り切れない!』
「3番機、反応消失しました!」
『クソ!駄目だ…振り……切れ』
「広瀬二尉!」
「1番機、消失しました!」
「くそ!」
「艦長、何かが浮上してきます!」
「何!?」
次の瞬間凄まじい水しぶきを上げながら追跡していたものが海面から飛び出してくる。
その姿を見た艦橋に居た船員は驚愕する。
一見それは山のようにも見えたがそれは違う。巌のような黒い鱗で覆われた皮膚と引き締まった筋肉質の身体、目は視界に入る全てのモノを敵視するかのような鋭い目。何より驚いたのがその大きさ、海面から出てきた上半身だけでも50mは確実に超えている。
「ご、ゴゴゴ…!」
「『ゴジラ』!!?」
グワワアァァァン!!
ゴジラは天に向かって大きく咆哮を上げる。その姿は自分の中の怒りを天に向かってぶつけているようにも見えた。
そして雄たけびを上げるのを辞めると目の前に居る敵、護衛艦「あいづ」を視界に捉えると「あいづ」に向かってゆっくりと前に進み始めた。
「艦長!」
「総員戦闘準備!、死にたくなければ早くしろ!?」
「全クルーに伝えろ!戦闘準備急げ!」
「了解!」
「くそ、62年前の個体の2倍以上はでかいぞ!」
「こちら護衛艦「あいづ」!対馬海峡付近にて謎の巨大生物と交戦状態に入る!なお巨大生物の形状は62年前に出現したゴジラと思われる!」
「あいづ」のクルーはもしかしたら訓練時よりも速いスピードで、「あいづ」の兵装の確認をする。
そうしている間にもゴジラはうなり声を上げながら徐々に歩みを進めていた。
副長は全兵装準備が完了した事を艦長に告げる。
「艦長、全兵装整いました!」
「よし、合図の後全火力で奴を攻撃する、62年前の借りを返してやれ!」
「目標、射程圏内に入りました!」
「攻撃開始!」
「攻撃開始!繰り返す、攻撃開始!」
艦長の合図と共に「あいづ」から127m砲や機関砲、ハープーン艦対艦ミサイルが発射される。
通常なら生物相手には完全に過剰な攻撃だが相手は通常の生物ではない、『怪獣王』なのだ。
127mと機関砲の弾丸やミサイルが飛んでくるがゴジラは回避する素振りを見せない。
否、この怪獣王にこの程度の攻撃で回避する必要がどこにある?
海面から出ている上半身に飛んでくる弾丸は命中するも悉く弾き返し、全くの無傷。
そして飛んでくるミサイルは顔に命中し攻撃は命中しミサイルの爆炎と硝煙が上がる。
「やったか!?」
艦橋に居た船員の1人が叫ぶが次の瞬間煙が晴れ驚愕する。
ミサイルが命中したゴジラの顔はこれと言った外傷は見られなかった。
しかも顔を攻撃されたからかかなりいきり立っている。
グワワアァァァン!!
怒りの咆哮を上げ更に進む速度を上げるゴジラ。
「あいづ」も距離を取りながら攻撃を仕掛けるが先程と同じように目立ったダメージは見当たらない。
「『削岩弾D-03』を撃て!」
「了解、『削岩弾D-03』を装填しろ」
艦長からの指示で「あいづ」のミサイル発射口に『削岩弾D-03』が装填される。
山の岩肌をも突き破るこの特殊弾頭なら鉄壁を誇るゴジラの皮膚をも突き破るかもしれないと言う期待があったのだ。
「D-03装填完了!」
「撃て!」
ミサイル発射口から削岩弾D-03が4発発射され、弾幕に混じってゴジラに向かって飛んで行く。
そしてゴジラにすべてのD-03が命中、そのままゴジラの皮膚に突き刺さりそのまま弾頭の先端についていたドリルが高速回転を始める。
「目標に命中!先端のドリル正常に回転しています!」
「いくら奴でもこれなら…!」
D-03の命中に艦長は祈るように願う。この特殊弾頭でも効果が無ければもう打つ手が無い。
ゴジラに命中しているD-03のドリルは更に高速回転しゴジラの皮膚を突き破ろうとする。
しかし徐々に全てのD-03のドリルの部分から煙が出始めていき最後にはドリルの部分が爆発し削岩弾は一発づつ海に落ちていった。
「D-03全て不発!」
「化け物めぇ……!」
D-03が不発に終わった事に「あいづ」の船員は狼狽する。
そしてとうとうゴジラが目の前まで迫ってくる。
「撃てー!撃ち続けろぉ!」
「この化け物めぇ!!」
なおも機関砲を撃ち続ける「あいづ」、しかしその努力を嘲笑うかのようにゴジラはその腕で艦橋を力強く握る。
ゴジラの爪が艦橋内を突き破りは船員はパニック状態に陥る。
「なんとかしろ!」
「駄目です、奴の力が強すぎて出来ません!」
次第に艦橋からメキメキと音が響き、ぐらぐらと振動し始める。船員達は艦橋から脱出しようと避難を始めるがゴジラは勢いよく力任せに艦橋を船体から引き千切り、そのまま投げ捨てる。
船内は船員の阿鼻叫喚に包まれるがゴジラはそんな事知ったことじゃないと言わんばかりに追撃をする。
拳を振り下ろし、甲板をへこませ、爪で引き裂く。
次第にその行為に飽きたのか、一旦体を後ろに向ける。
しかし海上から蛇のように長くその巨体に見合う太さを持った尻尾を振り上げそのまま護衛艦に叩きつけた。
その一撃でほぼ大破寸前に追い込まれていた「あいづ」の船体は真っ二つに折れ、大爆発を起こす。
その炎の中で勝利の咆哮を上げるゴジラ。
グワワアァァァン!!
そしてゴジラはまた深い海へと潜って行った…。
・
・
・
・
・
大学の研究室で朝早くから牧と治仁はこの前沖に打ち上げられていたヒトデのような生物の解剖をしていた。
牧は暗い青色のヒトデの一部を乗せ、顕微鏡で確認をする
「どうだ牧、何かわかったか?」
「ああ、コイツは調べてみると群体生物の可能性が高いんだ」
「なんだって?本当か牧?」
「ああ、これを見てくれ」
「これは…」
牧に促され、顕微鏡を覗き見る治仁。
そこにはヒトデと同じような形をした細胞が数多く蠢いていた。
「運よく生きていた細胞の欠片を顕微鏡で確認したが、これだけでも数万体はいるぞ?」
「つまりコイツは群体で一つの形をした形態になり行動するということか…」
「似たようなものは見てきたがこれは初めてみるな、見たところアメーバというわけでもない。一体なんだコイツは?」
「とりあえず、生きている細胞の欠片を切除して別のケースに入れよう。その後にどんな行動をするか、後は何を食すかを調査しなければならないな」
治仁はメスで比較的活発に活動している細胞の欠片をメスで切り落とし、ケースの中に入れる。
「牧、ビデオの用意頼む」
「わかった」
牧はビデオカメラを用意し、録画準備を始める。
「これから明日まで24時間この欠片を録画する。だが一応一定の時間で見に行こう」
「わかった」
そこに他の大学の人間が研究室に入り、治仁と牧に声をかける。
「尾崎教授、牧教授、お客様がいらっしゃるのですが…」
「我々にですか?」
「わかりました、すぐに行きます」
カメラを起動させて、すぐに治仁と牧は客人が居る部屋に足を急ぐ。
・
・
・
客人が居る部屋に入ると、そこにはスーツ姿の女性が1人居た。
女性は治仁達に気づき、立ちあがる。
「失礼します、教授の尾崎治仁です」
「同じく教授の牧武郎です」
治仁と牧は二人に一礼し、女性は懐から名刺を差し出す。
「お忙しいところすみません、環境省の尾頭と申します」
名刺を渡してきた相手の思ってもいなかった素性に驚く二人。
(環境省?)
(尾頭?確か記憶では自然環境局の課長補佐をやっている人だったな…)
「回りくどい言い方は苦手なので単刀直入に言います、あなた方二人にある生物の調査の協力を頼みに来ました」
「生物?」
「あの…協力とは一体……?」
「はい、一昨日打ち上げられていたヒトデの似た生物、今この大学にあると聞きました」
「はい、今解剖していますが……もしかして何か問題が?」
「いえ、解剖しておられるなら丁度良いです、こちらを見てください」
そう言うと尾頭は端末を出し、その端末に保存されている音声記録を見せる。
「あの、これは?」
「あのヒトデが打ち上げられる前の日に取られた空自のF-15Jのパイロットの音声記録です、防衛省から送られてきました」
「これがあのヒトデと一体何が?」
「関係はここからです」
『ブルー1、目標をレーダーで捕捉、これより確認する』
『こちらコントロール、目標はマッハ2で飛行している』
『了解、目標を追尾する』
『You are viorating japanese air domain. Take reves course immediately!(貴機は日本の領空を侵犯している、速やかに退去せよ!)』
『……目標は警告を無視、上空を侵犯中!』
『コントロール了解!』
『!……これは航空機ではない!!警告射撃の許可を求む!』
『こちらコントロール許可する!』
戦闘機の操縦士が未確認飛行物体を発見し追跡を開始、目標に近付き無線で警告を出すが未確認飛行物体は停止しないため、警告射撃として機関銃を発射するが……。
『安全装置解除!ターゲット補足!』
『目標は停止しない!』
『うわぁ!』
『どうした!?』
『こっちに接近して来た!ブルー2がやられた!』
『こちらコントロール!ミサイルの使用を許可する!』
『了解!安全装置解除!……ミサイル命中するも効果なし!、こっちに接近してくる!うわぁぁぁあ!?』
その後音声は途切れ記録はここまでとなっていた。
「あの尾頭さん、これは一体何が?」
「この音声記録の後二機のF-15Jの撃墜が確認されました」
「航空機ではないと言っていますが……」
「はい、その犯人と思われる存在の一部が衛星写真で撮られています」
そう言うと尾頭は一枚の衛星写真を見せる。写真には先程解剖をしていたヒトデと同じ暗い青色の翼が映っていた。
「これは!」
「まさかあのヒトデ擬きと同じ色?だが音声の記録から推測するとかなりの大きさだぞ」
「だが、普通の生物ならミサイルの一撃どころか機銃でも死ぬ筈だ、だがもしあのヒトデ擬きが元々この写真に写っている存在の一部ならその部分の細胞だけが死に、残りの大本の群体が代わりの群体を生み出せば死亡することは無い」
「可能性はあります、その可能性を確実にする為に、生物学を専門としているあなた方二人に頼みに来たんです」
「それはわかりましたがその前に聞きたい事が」
「…何か?」
「何故環境省の人間である貴方が防衛省の記録を民間人である我々に?それに何故あのヒトデ擬きの事を?」
「我々もあのヒトデ擬きに今少なからず関わっている者として知らなければなりません」
尾頭は一旦考えた後に言葉を切り出す。
「……わかりました、ですがこれから話す事は他者には決して口外しないと約束してください、下手をすれば国家に関わることなので」
「……わかりました」
(一体なんだ?)
これから話す内容に大きく関心を抱きながら、2人は尾頭の話を聞く。
「あなた方二人は数十年前のゴジラ出現を覚えていますか?」
「ええ、もちろん」
「ゴジラ出現後、国家は次のゴジラに匹敵する可能性がある生物の出現を予期し、極秘裏で巨大生物の生態の研究及び殺害しうる兵器の設計などを考案する組織を編成しました」
「組織の名前は『巨大生物特別対策部』通称『巨特対』、過去にも世間に知られずゴジラ程ではありませんが多数の未知の生物を回収、もしくは排除をしてきました」
「つまり、この写真に写っているモノの排除ですか?」
「ええ、ですが今回はそれだけでは済みそうにないんです…」
「済みそうにない?どういうことですか?」
「はい、実は昨日の深夜の日本海でもう1体巨大生物が現れ護衛艦1隻を破壊して行きました」
「もう1体?」
「…無線の音声だけなので確実ではありませんが、ゴジラの可能性が非常に高いんです」
ゴジラの単語を聞いて、治仁は思わず驚愕しながら立ちあがる。
「ゴジラ!ゴジラですって!?」
「落ち着け尾崎、尾頭さん本当にゴジラの可能性が高いんですか?」
立ちあがった治仁を諫めた後、牧は尾頭に質問をする。
「はい、無線によると数十年前に出現した個体より遥かに上回る大きさと聞きました」
「何て事だ…」
「尾頭さん、ゴジラについての情報はそれだけですか?」
「はい、その後も捜索中ですが今だ発見されておりません」
「そうですか…」
「尾崎教授、牧教授、後日空いている日は御座いますでしょうか?」
「ええそれは何とかしますが…」
「一体どうしたんです?」
「お二人に実際に『巨特対』に来てもらいたいのです」
「え?ですが我々は…」
「ご安心ください、組織には現役の生物学の教授がいらっしゃいますので大丈夫です。それでは場所と日時ですが……」
その後尾頭は2人と場所と日時の打ち合わせを終えた後、大学を出て行った。
「それにしてもまさか場所が国会議事堂とは…」
「まあ変に胡散臭い所よりマシだよ?」
「この場所も胡散臭いけどな…」
・
・
・
ホワイトハウス
ホワイトハウスの大統領室では大統領と政府の高官が口論に入っていた。
「例の『生物』を逃がしたのか!?」
「申し訳ありません、只今目下捜索中で…」
そこに別の役人が慌てた様子で大統領室に入室してくる。
「大統領、例の生物が日本領空で発見されたと言う情報が!」
「何!嘘じゃないのか!?」
「はい、先程衛星で確認しましたがまた消えてしまいました」
「
「わかりました」
「それとあの『組織』に連絡しろ、最悪の自体が起きたと報告しろ……」
「わかりました、失礼します」
「はぁ…」
高官と役人はそれぞれの仕事を全うするため急いで大統領室を出ていく。
大統領は椅子に背もたれ顔を仰ぎ溜息を着く。
「『シノムラ』め……」
忌々し気に呟いた大統領の言葉は清潔に清掃された壁に吸い込まれていった。
登場兵器解説
特殊潜航艇さつま:『ゴジラ・モスラ・キングギドラ怪獣総攻撃』で出てきた潜航艇。GMKゴジラを最初に発見し、終盤ではゴジラの体内に潜入し内部から削岩弾D-03を発射しゴジラを体内から撃破するという大金星を上げている。(しかし最後の最後で…)
削岩弾D-03:同じく:『ゴジラ・モスラ・キングギドラ怪獣総攻撃』で登場した兵器。
弾頭にドリルと内部に爆薬が仕込まれており本来は救助活動に用いられるのだがゴジラ出現の為この兵器を使用。最初はゴジラの強力な皮膚によりダメージが出せなかったが前述のゴジラの体内に潜入したさつまが体内からこの弾頭を発射しゴジラを撃破している。しかし劇中の描写を見るに相手が悪すぎただけで、他の怪獣なら結構良い線行けるんじゃなかろうか?(少なくともマグロ食ってるあいつなら数発でお陀仏にできそうである)