荒野に立っている。
思えば、随分遠くまで来たものだと苦笑する。
あの日彼に助けられた矮小な炎は、ここまで大きく燃えたのだと、自称して笑った。
ーーあぁ、悔いはない。俺の人生は、多くの人を殺したけれど
それでもーーー そのうちに多くの笑顔を守れたのだからーーーー
聖杯戦争で俺は、自分自身と対峙した。
アルトリアを召喚し、遠坂と出会い、イリヤと出会った。
一時的に慎二、遠坂と同盟を組みキャスターを倒し
英雄王からイリヤを救い出し
ヤツと戦った。
未来に至る絶望を前にしてなお、このブリキの心臓は止まらなかった。
宝物庫の宝によって死にかけのコトミネを聖杯に仕立て上げた英雄王との戦いによって本物を見極め
アルトリアの聖剣によって終わったあの長いようで短い激動。
あの戦いで行く先が決まり、俺と遠坂、アルトリアそしてイリヤは倫敦に渡る。
でも、わからなかったことがあったのだ。
なぜ、エミヤは最後に、あんなにも綺麗な顔で笑えたのだろう、ということ。
これからの運命を知っていたはずだ。
いくつもの望まぬ戦いをし、いくつもの殺しをするだろう。
あの別れを遠くから見ていた俺には、それがどうしてもわからなかった。
その答えが出るのは、ずっと先のことだ。
倫敦に行ってからはただただがむしゃらだ。
姉と師匠、アルトリアやルヴィア、たくさんの人に出会い、成長した。
そんな折、慎二からの連絡で日本に帰る。
ーーーーそして、サクラを -----
生きたいと願っていた彼女を殺した。
まだ何も見ていない、姉に全てを奪われたと。
そういって泣きわめく幼い少女を殺した。
そのあとだ、イリヤが死んだ。
元々ホムンクルス、長いことは生きられないのだと。
それでも、あの日助けてくれて、最期まで一緒にいてくれてありがとう、愛している。
ずっと傍にいると、彼女は言った。
そのあたりからだろう、俺は遠坂のもとを去った。
二人からも止められたし、名残惜しくはあったけど
俺は二人の命を家族を背負っている、止まることなどはできなかった。
一人、十人、百人、千人。
殺して殺して殺しつくした。
そうして殺した人の数千倍の人々を救った。
この世界はだんだんと蝕まれていたのを知った。
剪定によってこの世界で大きな戦争が起こり、自滅の流れをたどることも。
俺は、それを止めた。
しかして、血に濡れていない所などない最後の争いの灯は、自ら断頭台に立った。
悪意の声など聞こえなかった。皆が泣いているのを聞いた。
最期くらいは笑ってほしかったけれど、まぁ、人殺しの末路としては最上級のものだろう。
荒野に立っている。
思えば、随分遠くまで来たものだと苦笑する。
あの日彼に助けられた矮小な炎は、ここまで大きく燃えたのだと、自称して笑った。
ーーあぁ、悔いはない。俺の人生は、多くの人を殺したけれど
それでもーーー そのうちに多くの笑顔を守れたのだからーーーー
あの日のあいつに、やっと追いついた。
『そうね、シロウはすべてを救ったの。だから最後は、あなた自身を救わないと』
酷く、懐かしい、声がーーーー
FGOに士郎まだですか