IS DESTINY ~蒼白の騎士~ 作:ELS@花園メルン
今年も本作やその他作品をよろしくお願いします。
IS学園の校門前には、俺の姉、織斑千冬が待っていた。
隣には千冬姉より大分背の低い眼鏡をかけた女性も待っていた。
久しぶりに千冬姉と再会することができて、俺は嬉しさで思わず抱きしめたくなったが、自分は今、【織斑一夏】では無く、【カムイ・リンクス】なんだ、と胸に言い聞かせ、千冬姉の前に向かった。
「束から連絡を受けたが、お前がもう1人の男性操縦者のカムイ・リンクスだな?」
「はい。
カムイ・リンクスです。
フランス出身で年は16です」
「ああ、私は織斑千冬だ。
お前が入ることになるクラスの担任を勤める」
「私は副担任の【山田 真耶】です。
よろしくお願いしますね、リンクス君!」
「ええ、よろしくお願いします。
織斑先生、山田先生」
俺は頭を下げ、あいさつを返した。
「お前は束の所で世話になっていたそうだが、あいつは何故、お前に興味を持ったんだ?
あいつは身内以外の奴とは関わりを持つことを極端に拒否していたほどだ」
「それは自分には何とも…。
ですが、俺を助け出そうとしていた時、束さんは生きていたことに喜んでくれました。
篠ノ之 束という人間は人間不信である、と言う情報が世界では流れていると思いますが、あの時の束さんはそんなことを感じさせないほどに、見ず知らずの俺に対して必死に救おうとしてくれました」
「…そうか。
リンクス、ありがとう。
お前が、あいつのことをそのように思っているのは友人である私にとっても嬉しいことだ」
俺は、織斑先生の質問に対してそのように返したが、この返答に関してはあらかじめ束さんの作成したプロフィールを元に俺が考えたでっちあげだ。
「いえ。
それで、これからなんですが、俺はどうすればいいですか?」
「ああ。
お前には寮に入ってもらう。
急な話故に相部屋で相手は女子だが、そこは我慢してくれ。
それと、束からお前と篠ノ之 箒用に専用機が渡されていると話を聞いているが?」
「はい。
こちらがそのスペックになります」
俺はカタログスペックの書類を織斑先生へ渡した。
「ああ、すまない。
……第四世代試作型IS【赤椿】、第三世代試作量産機【ジン・ハイマニューバ】。
…束、またとんでもない物を作ろうとしているな…」
「だ、第四世代!?試作型にしても、凄すぎますよ!!
各国が第三世代の試作にようやく取り付けているというのに、更には量産機まで!?」
と、織斑先生は頭を抱え、山田先生は驚いていた。
「では、山田先生。
リンクスを寮まで案内してください。
そして、リンクス、寮に荷物を置いたらそのまま山田先生にアリーナへと連れてきてもらえ。
お前の適正を確認させてもらう」
「分かりました。
それでは、山田先生、案内お願いします」
「は、はい!では、リンクス君こちらです!」
山田先生に案内されIS学園の敷地内を歩き、ホテルの様な内装の建物へ入っていった。
「...随分と高級感がありますね。
もっと他の設備へ資金を回した方が良かったんじゃないですか?」
「...あー、やっぱりリンクス君もそう思いますか?
実は、上の方から圧力が掛かったとか何とかあったみたいで...」
と、山田先生は寮の内装についての知っている事を教えてくださった。
その途中、何人かの女子生徒がおり、
「ねぇ、なんでこんな所に男がいるのよ?」
「私が知る訳ないでしょ?」
「...汚らわしいわね」
と、侮蔑の目をしながら俺の方を向いてヒソヒソと話していた。
山田先生には聞こえてないみたいだが、俺には聞き取ることが出来た。
「やっぱりリンクス君は見られてますね。
興味あるって感じの視線が向けられてますよ?」
と、むしろ勘違いしていた。
まあ、その方が問題へ発展しなくて俺としては助かるんだが...。
俺が言わないことで問題へ発展しないのならばそれに越したことは無い。それに、下手に女尊男卑主義の人を刺激するといらぬトラブルへ巻き込まれそうで、現時点では勘弁したい。
「ここがリンクス君の部屋になります。
そして、鍵はこちらです。
急なことだったので相部屋となってしまったので、しばらくは女子との生活になりますが、我慢してください。
あ!い、如何わしいことはダメですからね!?
て、私ったら何を言ってるんでしょうか......!?」
と、山田先生に部屋の前に案内してもらったが、本人が自分の言葉で自爆し、顔を真っ赤にしていた。
自爆している山田先生から鍵を受け取り、俺はノックして寮の部屋【1025】室へと入った。
廊下の内装からも予想できたが、寮の部屋は高級ホテルのような一室だった。
山田先生は相部屋と言っていたのだが、同室の人がまだ入寮したという痕跡はなかった。
入学式の頃に入ってくるんだろうか?
俺はベッドへ荷物を置き、束さんによる自作のISスーツや持ってきていた端末、貴重品などを別のカバンへ詰め、部屋を出た。
「あ、準備はできましたか?リンクス君」
「はい。
それでは、アリーナへの案内をお願いします」
「任せてください!」
俺は山田先生に付いていき、アリーナを目指した。
アリーナ前で織斑先生が待っており、
「来たな。
それでは、更衣室でISスーツに着替えてこい。
山田先生も準備をお願いします」
と、言って、アリーナの中に入っていった。
俺は案内板に従い、男子更衣室へと向かい、ザフト軍赤服のパイロットスーツへ着替え、自分の専用機の待機形態である腕輪を右腕へ装着し、指定されたピットへと向かった。
『よし、来たな?リンクス。
これからお前には実力を測るために山田先生との試合を行ってもらう。
この試合に負けたからといって、特に何かが左右される訳でも無いから、気負う必要は無い。
準備が出来たら、フィールドへと続くカタパルトへと乗れ』
と、織斑先生に指示され、俺は自分のISを起動した。
頼んだぞ、ジン!
俺の身体を光が包み、光が収まると俺の目線は高くなり、腕は所々を装甲が覆い、軽装を身に纏ったような感じになっていた。
そのまま、カタパルトの上まで歩き、装甲を纏った両足をカタパルトに乗せる。
そうすることで、機械音声が流れ、射出のカウントダウンが始まり、俺は飛べるように構え、背部のスラスターの出力を上げていく。
『射出までカウント5...4...3...2...1、射出します』
「カムイ・リンクス、ジン、発進する!」
機械音声に合わせてカタパルトが射出され、それと同時に機体のスラスターを一気に吹かせ、フィールド内へと飛び出した。
フィールドには既に深緑色のIS【ラファール・リヴァイヴ】を纏った山田先生が待機していた。
「ホントにISを動かせるんですね!
まさか、二人もISを扱える男の人がいるだなんて...!」
『山田先生、私語はその辺で。
それでは、試合を開始しろ。
アリーナの使用時間は限られているからな。
30分を過ぎれば、試合を中断させる!』
と、織斑先生が管制室から話すと、機械音声でまたカウントが始まり、そのカウントがゼロになった。
「では、行きますっ!!」
山田先生との試合が開始された。
カムイ・リンクスという人間にとって初めての対人IS戦闘が始まった。
カムイ(イチカ)の専用機
【ジン・ハイマニューバ】に、なりました。
見た目は、今までのIS作品では、MS系統はフルスキンが主だったと思うんですが、そういう意見もあり、フルスキンにはしない設定にしました。
背部のスラスターはジンシリーズの形と同じ風ですが、腕、脚の装甲は、ある程度、ISスーツが露出した感じです。
頭部は、よくあるバイザー型をイメージしてください。
ザフトMSのモノアイと同じライトピンクカラーです