IS DESTINY ~蒼白の騎士~   作:ELS@花園メルン

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入学初日 中

最初の授業が終了し、俺は箒と会話を行っていた。

すると、織斑の席辺りで織斑とイギリスの代表候補生の【セシリア・オルコット】が会話をしていた。

 

 

「セシリア・オルコットか…。箒は見た感じどうだ?」

 

「代表候補生という地位に胡坐をかいている女、と言ったところだな。

事実、代表候補生を知らないことを恥と罵っている。

まあ、織斑も学が足りていないがな。

流石に代表候補生という単語は義務教育の課程で何度も出て来るが、それを覚えていないということは、な」

 

「そうなのか。

俺が通ってた時はIS関連の授業なんて受けなかったから、小学校の時だと知らなかったかもな」

 

「2、3年ほど前から社会科などで導入されているぞ。小学校なら6年で、中学校なら1年で習うはずなんだが」

 

 

織斑とオルコットの口論は段々と良く分からないところまで発展してきていた。

やれ、代表候補生の自分と同じクラスになれて幸運やら。やれ、入試で教官を倒した云々やら。

と、入試という言葉で、俺は箒へ聞いてみたくなった。

 

 

「箒も一般入学なんだよな?」

 

「ああ、そうだが」

 

「入試っていうか、IS実技の試験て受けたか?」

 

「もちろんだ。

と、言っても、私の場合はほぼ強制で学園に入学させられたからな。

そういうお前はどうなのだ?男性操縦者だったら、入試免除とかでは無かったのか?」

 

「まあ、俺の場合、箒も知ってるけど公表されるのが1週間前だったからな。

起動できるかの検査と軽い実技試験だけだったぞ。

でも、山田先生は強かったなぁ」

 

「そ、そうなのか?私も山田先生が試験官だったが、お世辞にも良い動きとは言えなかったぞ?」

 

「そっか。箒は知らないのか。

山田先生だけかは知らないけど、試験を担当した教員って実は初撃への対処で難易度を変えていくらしい」

 

「本当か?それは」

 

 

と、箒が俺に聞き返してきたが、他にも

 

 

「ねぇねぇ、リンクス君!今の話って本当?」

 

 

と、席が近くの【谷本 癒子】さんも話しかけてきた。

 

 

「ん、谷本さん、でいいんだよな?」

 

「そうだよー。もう名前覚えてくれたんだ。

で、さっきの話の続き、教えてよ!」

 

「ああ。

俺が山田先生と試験を行った時は、動きが洗練されていて、国家代表レベルの動きだったんだよ。

あの人、織斑先生たちの年代の少し下らしいから、国家代表にはなれなかったらしいけど、猛者の中で鍛え上げられた代表候補生って感じだったな」

 

「へぇ!山田先生ってそんなに強いんだ!

じゃ、他の先生もそんな感じなのかな?」

 

「多分、そうだと思う。

手を抜かれた状態っていうか、受験者のレベルに合わせた戦闘で実力や対応力を試すのが目的だって聞いたぞ」

 

「そうなんだ!ありがと、リンクス君!」

 

「ああ」

 

 

と、谷本さんは自分の席へ戻っていった。

と言っても俺の斜め後ろだが。

そのままチャイムがなり、先生たちが教室へ入ると皆、席へ戻り、授業の準備を始めた。

 

 

「さて、次の授業を——と言いたいが、まず、来月行われるクラス対抗戦の代表者であるクラス代表を決めたい。

クラス代表とは、その名の通り各クラスの顔的存在だ。

教員の雑務や行事の際の点呼などを行ってもらう。

言うなれば、学級委員だと思ってもらえればいい。

自推、他推は問わん。

意見の有る奴は挙手をしろ」

 

 

あー、これ後の展開が分かったかも……。

 

 

「はい、織斑君を推薦します」「私もそれに賛成です」「千冬様の弟だもんね」

 

「ふむ、では候補者は織斑一夏…他はいないか?」

 

 

あれ?俺、呼ばれてない?

もしかして予想が外れたか?

 

 

「はい!カムイ・リンクス君を推薦します!」

 

 

と、後ろから谷本さんの声が聞こえた。

振り向くと、てへっという感じの顔をして俺の方を向いていた。

謀られたっていうことか……。

 

 

「え!?ちょっと待ってくれよ、千冬姉!俺、そんなのやらないぞ!?」

 

「馬鹿者、織斑先生だ!

それに、推薦されたのに断るということは、クラスメイトの期待を裏切るということで構わないんだな?」

 

 

織斑が反論したが、そう言われると渋々と頷いていた。

 

 

「リンクスに織斑の2名で構わないか?

他に意見が無いなら決選投票となるが」

 

「納得がいきませんわ!!」

 

「なんだ、オルコット?

言いたいことがあるのならば、立って喋れ」

 

 

織斑先生にそう言われ、オルコットは立ち上がり、話し出す。

 

 

「男がクラス代表だなんて、いい恥さらしですわ!

私に、このイギリス代表候補生で入試トップのセシリア・オルコットにそのような屈辱を1年味わえと!?」

 

 

と、オルコットは怒鳴りだす。まるで、男という存在を拒絶、汚いものとでもいうように、オルコットはただ自分の主張を押し付けた。

 

 

「実力から行けばクラス代表にふさわしいのは私だというのは自明の理!

私はこのような島国までISの修練をしに来たのであって、極東のサルのサーカスを見に来たのではありませんわ!」

 

「なら、自分で立候補すればよかったじゃないか。

なんで態々、他人に推薦されるのを待ってたんだ?

ああ、そうか。自分が推薦されると思っていたけど、期待通りに行かなくて恥ずかしくなって自分から言って出たのか!

それに、日本を島国だっていうけど、イギリスだって似たようなもんだろ!」

 

 

と、織斑がオルコットの発言にキレたのか、そうまくしたてる。

 

 

「あ、あなた!私の祖国を侮辱いたしますの!?

そ、それに期待などしておりませんわ!」

 

「日本を最初に侮辱したのはそっちだろう!!

後、声が上擦ってるし!」

 

 

と、売り言葉に買い言葉で、もはや収拾がつかなくなっている。

 

 

「決闘ですわ!」

 

「おう、いいぜ!やってやるよ!!」

 

 

と、何故か代表を決めるだけの会議が、決闘にまで発展してしまった。

織斑先生は面白そうに見ているし、山田先生はオロオロしている。

だれも、止めようとしてなかった。

 

 

「それにあなた!!さっきから何で黙っているんですの!?」

 

「そうだぞ!男を侮辱されたのに何でお前はそうも平然としてるんだよ!!」

 

 

と、今度は俺に飛び火した。

俺も渋々立ち上がり、口を開く。

 

 

「はぁ、そもそも、お前たちは何の話をしてたんだ?

これはクラス代表を決めるための会議だろう。

それを男だからとか自国がどうだとか。論点がズレ過ぎてるんだよ。

先生も、面白がってないで止めてくださいよ」

 

「ああ、すまんすまん。

私もリンクスと同じ意見でな。何でクラス代表からここまで口論が発展するのかとつい、可笑しくなってな、ははは」

 

「って、織斑先生!笑い事じゃないですよ!」

 

「わかったよ、山田先生。

では、推薦された3名でISによる決闘を行うことにする。

勝率の高い者にクラス代表を決定する権利をやろう」

 

「わかりましたわ」「わかった」「わかりました」

 

「それと、篠ノ之。

お前も決闘に一戦でいいから参加しろ」

 

「うぇ!?わ、私もですか!?」

 

「なんて声を出している。

お前の専用機の実力をまだ実際に確認していない。

だから、3人のうち、誰か一人を選んでそいつと対戦をしろ」

 

「は、はい。

では織斑先生、聞きたいのですが、3人の中では誰が一番強いのでしょうか?

戦うのでしたら私は強者と戦ってみたいのです」

 

 

と、箒は織斑先生へ問うた。

オルコットは自分が選ばれるだろうなと思い、ふふんと威張っていたが、織斑先生の発言で一気にその態勢が崩れる。

 

 

「リンクスだろうな。

アイツは山田先生の全力を引き出し、最後まで奮闘していたからな」

 

「な!?なぜですか!?私は、入試の時、山田先生を倒しましたのよ!?

な、なのに、何故!?」

 

「オルコット、お前は気づかなかったのか?

山田先生に手加減されていたということを」

 

「…どういうことですの?」

 

「はぁ、リンクス説明しろ」

 

「分かりました。って言っても、山田先生に聞いた内容ですけど。

実技試験は初撃の対応に応じて難易度が振り分けられていて、試験官は相手の対応力に応じて試験を行っていました。

実技試験はISを扱う上手さを確認するのは当然ですが、対応力やきちんとした機動ができるか、などを確認する試験だというのが、山田先生から聞いて判断した内容です」

 

「ふむ。おおむね正解だ。

理解したか?オルコット。

山田先生を倒したと言ったが、事実として難易度が低い状態だったということを頭においておけ」

 

 

わなわなとセシリアは震えながら話す。

 

 

「何故、何故ですの?

何故、私ではなく、紛争孤児のような穢れた男などが!」

 

 

それを聞いて箒が怒鳴った。

 

 

「......おい貴様、今、誰の家族を侮辱した...?」

 

「決まっていますわ!そこの紛争に巻き込まれ死に体になりかけた愚かな男ですわ!」

 

「ほう?言うに事欠いて貴様、私の家族を愚かと罵るか...。

織斑先生、私はこの女を相手に選択します。

大事な家族を侮辱されて黙っているなどできません!」

 

「篠ノ之、少し落ち着け。

まあ、お前の気持ちは分かった。

故に、オルコットとの試合を認めよう。

決闘は来週だ!代表候補者三名と篠ノ之はそれぞれ準備をしておけ!それでは授業を始めるぞ!!」

 

 

と、最後には結局、織斑先生が箒を落ち着け、来週に試合を行うと取り決め、この場での論争は終了した。

俺も、後で箒のケアをしとかないとな

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